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transmigrate  作者: 蒼輔
選抜者試験編
9/19

クウヤ、ギルドに入るの巻

同日連続投稿!

俺氏頑張った( ̄ー+ ̄)キラリ

「そいだ、クウヤくん。確かまだギルドに登録してなかったよね。」


アイサの家にお世話になり始めてから一週間が過ぎたある日。店の手伝いをしていた俺にジークさんが声をかけてきた。

今、アイサとジルリールは二人で魔法具の下取りに行っているので店には俺とジークさんしかいない。


「ええ、はじめは入ろうと思っていたんですけど。ここの手伝いがありますから。」


俺は物置から取ってきた剣を並べながら答える。

はじめ、この世界に来たときはギルドに入って困っている人の力になろうと思っていたのだが今はそんな時間はない。少し残念ではあるけど諦めている。


「やっぱりね。じゃあ、それが終わったら登録してきなよ。」


ジークさんはそう言うと自分のポケットから銀貨3枚を俺に渡してきた。


「いいんですか?」


ジークさんの提案に俺は驚いた。

昨日からアイサの母親でありジークさんの妻であるアーシャさんは新しい商品の開発のため店にいない。だから店は人手不足のはずなのだ。

しかも、ギルド登録に必要の銀貨3枚はかなりの大金だ。


「いいよ。もともとクウヤくんやアイサには店の手伝いよりも好きなことをして欲しいからね。」


ジークさんは優しく微笑む。

この一週間で思ったのだが、この家の人はみんな優しい。アーシャさんも俺に対してよく気を使ってくれているし、ジークさんにいたっては俺に好きなようにして良いと言ってくれている。

俺はそんなこの家族が大好きだ。


「じゃあ、行ってきます。」

「うん。ギルドはすぐそこだけど気をつけてね。」


剣の品出しを終えて支度を整えた俺はジークさんの提案に甘えてギルドに登録しに行くことにした。

ジークさんに見送られて家を出る。

目指すギルドは通りを2つ挟んだ所にある。

数分歩くとすぐにギルドの看板が見えた。

ドアを開けて入るとそこはホテルのロビーのようなところだった。

俺は右側にある受付と思しきカウンターへと近づく。


「あの、ギルドの登録をしたいんですけど…」

「はい、新規登録ですね。それではコチラの書類に必要事項をお書きください。」


カウンターに座っていた受付嬢さんに話しかけると事務的な対応で一枚の紙を渡された。そこに名前と年齢、保護者の名前を書いて受付嬢さんへ返す。


「はい。クウヤさんですね。年齢は16歳で保護者は…ジーク様ですか!?」


紙の内容を確認した受付嬢さんは保護者の欄を見て驚く。


(まあ、ジークさんギルドにたくさん支援してるっていってたもんな。)


「失礼しました。確認が取れましたのでこれで登録させて頂きます。」


多分確認のために一度奥へ行っていた受付嬢さんはもどってきてそういった。どうやらジークさんに確認がとれたようだ。


「では次に、適正魔法と魔力の測定をいたしますので、隣の部屋へお越しください。」


次に魔法の測定のために案内された部屋で全身をスキャナーのようなもので調べられた。

その結果は部屋のドアの横に表示されるようだ。


「へぇー。俺の適合魔法って創造系の魔法なんだ。…あれ?でもこの前使ったのって光魔法だってアイサに言われたような。」


俺は結果を見ながらつぶやいた。すると、いきなりドアが行きよい良く開かれさっきの受付嬢さんが大きく肩を震わせながか入ってきた。


「クウヤ様!今からギルド長に会って頂きます。」


そういうと彼女は俺の手をつかんで強引に二階へと連れていく。そしてギルド長室と書かれたドアを開けて中へと入る。

そこにはすでに一人の女性がいた。その人を見て俺は驚いた。


「ギルド長。クウヤ様をお連れしました。」

「ありがとう。もう下がっていいわ。」


彼女の言葉に受付嬢は一度頭を下げて部屋を出ていった。

しかし、俺はそのことに気がつかなかった。それほど驚いていたのだ。


「さてっと、ここで会うのは初めてだったわよね。」


椅子に深く座っていた女性は俺のよく知っている人だった。


「な、なんであなたがここにいるんですか?アーシャさん。」

「もともと私は冒険者だったの。で、ジークと結婚したときに引退してここのギルド長になったのよ。」


俺はまだ驚きを隠せずにアーシャへ聞く。するとアーシャは一枚の紙を机において質問に答えた。

アーシャさんは本当に面白いものを見れたと笑う。


「それよりも、クウヤくん。君、すごいわよ。」


すこしして、落ち着いたアーシャさんはさっき机においた紙を再び見ていった。

どうやら、あの紙はさっきの俺の検査結果のようだ。


「魔法保有量が∞ってだけでもおかしいのに適性魔法が創造って君何者?」


アーシャさんの説明によると、この世界の人間の平均魔力保有量は1000ぐらいで、適正魔法も通常は火、水、雷、土、風の5つでエルフなど一部の魔法の天才と言われる者でたまに光や闇といった属性が使えるらしい。

俺の持っている創造魔法は神話の中でしか登場したことがないらしい。


「まあ、ジルちゃんからサモナルを使ったって聞いた時からそんな感じはしてたけどね。」


ジルちゃんというのはジルリールのことだ。

たしかジルリールを召喚した時の魔法も神しか使えないと言っていた。どうやら、俺はこの世界でもまた特別な存在のようだ。

俺の頭の中に嫌な記憶が蘇る。


「でもまあ、嬉しいわ。身内がこんなに強いなんて。」


しかし、アーシャさんは俺の想像とは全く違う反応をした。

それが俺には信じられなかった。今まで、自分が居て嬉しいなんてことは言われたことがなかったから。目から自然と涙が出た。


「あ、すいません。あまりにも嬉しかったもので。」


俺は涙を拭いながら言った。

そんな俺を見てアーシャさんは微笑む。


「規定通りクウヤくんはAランクにしておくよ。」


そして、近くの机において会った機械に紙を入れギルドカードを作ってくれた。


「あと、これは確定事項なんだけど、クウヤくんにはマルキア魔導学院に言ってもらうよ。」


できた青色のカードを俺に渡しながらアーシャさんが言った


「どうして魔導学院へ?」

「いや、これは私とジークの勝手なわがままなんだけど。やっぱりそういう人にはしっかりと魔法の勉強をしてほしいのよ。幸い家はお金に余裕があるから一人ぐらいならマルキアに通わせられるし。」


アーシャさんは頬をポリポリとかきながら言った。

その顔から本当にそのことを望んでいるのだとわかった。

そして俺は決める。


「…わかりました。でも、お金は結構です。俺に使うよりその分でアイサになにか買ってあげてください。」


学院に行くことは決めた。しかしそのお金までアーシャさんたちに払ってもらうわけには行かない。

そこで俺はあることを思い出していた。


「こんどの代表選抜試験で選抜者になって王国に出してもらいます。」


俺は大きく息を吸ってからアーシャさんにそう告げた。

一週間後に開かれるマルキア魔導学院ストートル王国代表者選抜試験。毎年、この試験でトップツーの成績をとったものは必要になるものをすべて王国負担でマルキアへ入学出来るというものだ。

俺はそれを受けることにした。





この世界での貨幣の価値を少し説明しますね。

銅貨一枚=千円、銀貨一枚=一万円、金貨一枚=十万円、

白金貨一枚=百万円、ミスリル金貨一枚=一億円

つまり、ギルド登録料は三万円ってことになります。

そして、次回クウヤはなんと選抜試験に!


次回の投稿は土曜日になります。お楽しみに!


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