表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
人魚咲く  作者: 黒衛
18/21

十七、 呪い 6

※本話には残酷かつグロテスクな描写が存在します。閲覧にはご注意下さい。



男は息子が許せなかった。許したくなかった。

生かしておけなかった。人魚の仇だ。


何としてでも、殺してしまいたかった――。


男の手が石を掴む。掌よりも大きい、固い石だ。

息子の目に、一瞬恐怖が浮かんだ。


「待て……!」



  がづっ!!



息子の制止は、鈍器が肉にぶつかる音で掻き消えた。


折れた歯が飛び、切れた唇から血が滴る。

男の襟を握っていた息子の手が、顔を庇うように翳された。


その上から殴りつけた。

爪が剥がれ、指が折れる。頬が見る間に腫れあがっていく。

瞼が切れ、出血した。あちこちの擦り傷から血が滲む。


それでも殴り続けた。

息子の顔面がただの血塗れの肉塊になり、弱弱しい抵抗が完全に失われるまで、容赦などしなかった。


小刻みに痙攣する息子の上から立ち上がる。

潰れて目も鼻も分からなくなった息子の顔を見下ろし、それから、一抱えほどもある大きな石を抱えて持ち上げた。


もう何も見えてはいないのだろう。

庄屋の息子は、震える唇で虚空に問うた。


「なんで……おまぇ……」


振り下ろした。

ぐしゃり、と骨が砕けた感触が伝わってきた。


びくり!と一度だけ体が跳ねて、庄屋の息子は死んだ。

眼窩からはみ出た目玉が、恨めしげに男を睨んでいる。


血染めの石を脇に捨てた時、女の声が男を呼んだ。



「おーぃ、終わったんなら拾っておくれよう」



血反吐に浸かって、女の首が笑っていた。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ