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序、
――それはただ美しくて、そういう生き物だっただけなのだ。
村を流れる小川の上流には大きな滝があって、その横にはとても立派な古い木が立っている。
何の木かは誰も知らない。
何故かと言うと、村の者は誰しも必ず祖父母からこう教わるからだ。
『木に白い花がつく頃には、決して滝に近寄ってはならない』。
祖父母らもまたその祖父母らから言い聞かされた禁忌を、破る者はついぞ無かった。
そこには人魚が住んでいて、花の季節には人を川底へ攫うのだという。
――それはただ美しくて、そういう生き物だっただけなのだ。
村を流れる小川の上流には大きな滝があって、その横にはとても立派な古い木が立っている。
何の木かは誰も知らない。
何故かと言うと、村の者は誰しも必ず祖父母からこう教わるからだ。
『木に白い花がつく頃には、決して滝に近寄ってはならない』。
祖父母らもまたその祖父母らから言い聞かされた禁忌を、破る者はついぞ無かった。
そこには人魚が住んでいて、花の季節には人を川底へ攫うのだという。
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