(1) この季節になると馬鹿が量産されます
「セシュ、街を作ってくれん?」
「は?」
我ながら失礼な態度だと思いながらセシュは、艷やかな黒髪で切れ長な瞳孔の主を見つめた。
「えっと、それはどういう意味で?」
「ん?そのままだぞ。」
(成る程。つまり、だるい!)
セシュは胸中で愚痴をつぶやく。
「…具体的には?」
「取り敢えず、冒険者が沢山来る大きな都市!」
(うん、抽象的!)
セシュは考える。
「血気盛んな都市を作れということでしょうか?」
「違う。違う。」
「……(-''-)」
(つまるところ、人々が幸せになるような楽しい街作りをするということか!むさ苦しい冒険者は要らないのだ!)
従者は主人に似る様だ。
「ま、とりま他の【魔帝眞国核七魔匠】呼んでくれ。」
「と、いうわけで皆に集まってもらった。」
魔王は円卓に座る面々を眺めながら言う。
「用は何ですか?」
気怠そうな声で丸眼鏡にもじゃもじゃの黒髪で白衣を羽織った青年が言う。
「いい質問だ!『智核 セドリック=マフティア』」
「今、レオン様は何でフルネームで呼んだんすか?」
紺色のタンクトップに黄土色の長ズボンを履いた灰色の髪をした少年が言う。
「『アーク=ソルト』口を慎め。まお…レオン様の御前だぞ。」
「そうかっかしないのだ!『淵核 バルク=ソェセイ』」
夏用パジャマを着た見るからに元気溌剌な少女が全身を黒で包んだ黒髪の執事を叱る。
「『医核 サラ=サラ』殿、しかし…」
執事、バルクが何か言いたげにする。
「まあ、いいじゃないですか!」
三つ編みで眼鏡をかけたメガネっこが明るく言う。
(そういや俺全く話してないな。)
セシュは考える。
(このままだと陰キャだな。)
「というか、『氣核 タク=メガ』はなんか変わったか?」
その瞬間、空気が凍り付く。
「…ッチ。殴り殺すぞ餓鬼が。」
先ほどのメガネっ子の印象はどこか、途端に暴言を使う。
「いやあの、タクさん落ち着いてください。」
雪のような白髪で透き通るような肌、長い睫毛でシンプルめっちゃ美青年が言った。
「はい!」
タクは従順に従う。
「やっぱり、淫魔『聖核 レイ=ハウィツ』はすげえな。」
アークはうんうんと頷く。
「あー!話を戻すぞ。」
魔王レオンが大声で仕切りなおす。
「我々はそう、街づくりをするのだ。」
レオンは鋭い瞳でそう伝えた。




