3話補足シリーズ
・この世界のベストセラー、「決定版 知らなきゃ恥ずかしい世界基本教養」魔法の章より抜粋
魔法は原理として大地の力や五元の力、神力などの不可視の力によって成立しています。
それらを「一旦こちらの世界の力に変換してから利用する」のが現在の一般的なエルフ魔法です。
「不可視の力をそのまま使った場合本来は何も起こらないがそこに魔力を混ぜ込み異常なまでの純度を誇る魔法を使う」のが原始エルフ魔法及びドラゴノイド魔法です。
一旦変換するときに力は大幅に弱体化するのでエルフ魔法は詠唱を失敗しても大事に至らないですが、ドラゴノイド魔法は失敗すると大体国一つ消し飛ぶ大事故になるので研究自体そもそもあまり進んでおらず、諸説ある状態です。
ドラゴノイド族の伝承より
我らは、古代エルフ族に殺されかけた原始海龍の末裔と言われている。
古代エルフの魔法を耐えた我らの祖先は体に恐ろしい量の魔力を吸収し、それのせいで普通と違う進化を遂げた。
2足歩行が可能となり、かつ強力な魔法適正、そして他の龍を超える戦闘力すら得たのだ。
そして古代エルフどもの魔法すら受け継いだ。
我らは龍ではなく龍を超えた存在であり、龍を食する権利がある。
また、我らが龍を殺し、喰らうことで別の国が脅威から救われることさえあるのだ………
・デタラメ記事の多さに定評のある情報誌、「ヒアサ」より抜粋
『元最強ギャンブラーザックの友人の魔法学者、またも不祥事か!?』
「やっぱりザックの友人もろくでなしだった!」
エルフ族魔法学者クラーク・ザ・スーサイド博士の家の付近で、善良な罪もないエルフが数人殺害される事件があった。
当誌は、ろくでなしのザックの友人、スーサイド博士が犯人と見ている。
噂では、ドラゴノイド魔法を解読したのもウソだったとか………
またスーサイド博士は孤児をつかまえては売る奴隷商人から片手や片足のない奴隷を何人も買っていたらしい。
これも当誌はスーサイド博士が虐待目的に買ったものとふんでいる。
さらに最近、スーサイド博士の家の周りには陸龍の出現報告がない。
スーサイド博士が陸龍をあやつり、我らを滅ぼそうとしているのかも………
当誌は悪人スーサイド博士の調査を今後も続けていく予定である。
次号をお楽しみに!