旅の始まり
ひと月ほど入院していた時期に暇つぶしで書いたやつを上げていきます。
謎展開とかには目をつむってください。
可能なら、あらすじみたいなやつに眼をお通しください。
ここは私たちの世界とは別の世界。
原初の種族、古代エルフから始まった剣と魔法と龍の世界。
この物語は、エルフ族の落ちぶれた名ギャンブラー、「ザック」そして彼の友人「クラーク」とその仲間たちの変わった毎日の物語…………
「ザックがぁ!一世一代の大賭けにぃ!!今!!!勝ったのですぅぅぅ!!!!」
ザックは今日もまた、夢を見ていた。過ぎ去ってしまった、「エルフ最強のギャンブラー、ザック」と呼ばれていたあの日々の夢を。
華美な衣装は質に入れ、今では地味な布の服を着ている。ギャンブラー時代に奢ってやった友人は、皆去ってしまった。一人を除いて…………
「どうして、こうなったんだ…………」
現役時代の唯一の名残の豪邸でひとり、ザックはぼやいていた。
もちろん、外見だけの豪邸であり、中には必要な家具しかない。ザックはもうあの頃の自分には戻れないと感じ、景気の良い今のうちにと装飾品などを殆ど質に入れてしまったのだ。
幸い、軽い仕事をこなしながら税を納めて生きていける程度の金は質に入れた家具たちから手に入れている。しかし彼はもう一度、「ひと山当ててみたかった」のだ。
「なるかなぁ、『陸龍討伐師』」
そう言って、ザックはギャンブラーになる前に着ていた、唯一質に出さなかった、戦士として生きていたころ着ていた鎧兜の埃を払った。
『陸龍』それは絶対的な恐怖かつ、今のこの世界の「人生逆転」要素のひとつとされているもの。
巨大なそれは人を喰い、文明を破壊する。並の魔法は効かない、そんな相手。しかしその肉は重要な食糧でもあり、その存在が世界に「戦争できない」状態を与えている。
そしてその強大な龍には、莫大な賞金がかけられることもある。ザックはそれに「賭け」ようとしているのだ。
彼の命すらも………
「まずは、長らく使ってなかった攻撃魔法の復習からだ」
ザックは、まずは魔法についてしっかりと学びなおすため友人の魔法学者、クラークに会いに行くことにした。
今ここで、新たな陸龍討伐師が生まれようとしている………
とりあえずこれは前置きみたいなやつです。