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誘い
「今の授業で教えてほしいことがあるんだけど、いいかな?」と聞くので、僕は授業を寝ていて聞いてないよと応える。
「でも二条くん学年トップの成績じゃない?だから、寝ていてもわかるでしょ?」
一応僕の成績はこの進学校の学年トップ……いや、学校でトップだった。もっと詳しく言うなら全国模試で毎回1位の成績なのだ。
「お礼に晩御飯作るから、今日家に来てよ。」不服だが晩御飯につられて勉強を教えることにした。実は僕は1人暮らしなのだ。親は13年前の事故で、僕が5歳の時に僕を残して他界した。大量の保険金が僕に渡るが、親戚が僕を引き取ることで、その大金を自分のものにしようとしていた。しかし、僕は生前、父から言われていた通り、母方の祖母の家に行くことにした。その祖母は僕を大切に育ててくれて、道を踏み外さぬようにしてくれたが、中学2年生の時に他界した。その時から僕は1人暮らしなのだ。正直、僕の料理は美味しい。だが、1人で食べるご飯は少しばかりさみしいのだ。だからこの話に乗せてもらうことにした。