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恋する歌声。  作者: 彼方
2/2

売店



 「よしっ着いた!」



  春に全力ダッシュは、少し涼しさを残しているのだろう。

  ひざに手をおいて息切れをしている。


 「おばちゃん!焼きそばパン」


  どうやら、焼きそばパンはまだ残っていたらしい

  売店の店員は「はいよ」と軽く返事して焼きそばパンを取り出した。

  すると、突然彼女は叫びだした


 「いやー!なんで150円?」


 「なんでって言われてもねー」


  どうやら、彼女は所持金が150円に達さなかったようだ


 「おねさ~ん、130円で手を打ちませんか?この通りっ!」


  そう言って頭の上で両手を合わせて拝んでいる。

  おねえさんと呼ばれた50代のおばさんは困りはてている。

  その時、呼び出しで定番のメロディーが流れた。


 『合唱部の藤村明香さん、至急!職員室まで』


  彼女の名前が呼ばれた。

  呼ばれた彼女はというと、放送中は顔を青ざめ放送が終了後 早口で


 「おねえさん!たのむー」


  拝んでる彼女の隣から 長身の黒髪男子が150円をカウンターに置き、焼きそばパンを取り

  ニヤリと笑い、彼女の頭に腕を置いた


 「おばさん!もらうでー」


  関西弁の彼は 橋本優真ハシモト ユウマ 彼女と同じクラスの友好的な男子だ。

  彼を見て彼女は頬を膨らませ


 「私のなんですがー」


 「130円の持ち主が買えるわけないやろー」


  そう言った瞬間、彼女の拳は彼 橋本の腹部に当たった。

  

 「うっ。藤村ー。。おらっ」


  彼は彼女の頭をさわって髪型をくずした

  

 「橋本ー乙女の髪になにすんじゃボケェ」


 「そないなことより、放送で呼ばれたやないか。」


  彼は焼きそばパンを頬張りながら、気だるそうに言った。


  そして、彼女は「だった!」と言い、再び走って職員室へ行った。


 「あっ!橋本ー早く帰れよー」


  一言残して。



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