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入学と入寮 大幸雨子

入学式というのは退屈である。

学校長の話、式辞、新入生代表挨拶、歓迎の挨拶、吹奏楽部の校歌演奏…

そんなことを逐一述べてるのは阿呆臭いので衝撃を受けた入寮式のほうを詳しく述べたい。

ちなみに私は新入生代表の挨拶を担当した。なにか得意なことが一つくらいはほしいので勉強は欠かさなかった。よって入試はトップの成績だった。この学校は推薦状があれば100パーセント入学できるので

成績はあまり関係ないけれど。

檸檬女学園に来る前は超難関進学校に通っていたのだけど過去を振り返っても仕方がない。

この学園でも頑張れば先はある。先を作るために、己の弱点を克服するべくここへの進学を決めたのだ。



寮は二つあって「ひなぎく寮」「のばら寮」という名前が付けられている。

私はひなぎく。

寮長の案内に従って寮内へ。荷物はもう各部屋に運ばれているけど部屋には入らず入寮式開始。

食堂で後ろから三年生、二年生、一年生の順に座り寮内設備や規則の説明を受けた。

そしてお待ちかね部屋割と「マザー制度」の組み合わせ発表。


檸檬女学園では一年生と二年生は二人で一部屋、三年生になると一人で一部屋を使用することができる。

「マザー制度」とは三年生、二年生、一年生がそれぞれ一人ずつペアを組みお互い助け合うという独特な制度である。入学してしばらくは三年生が一、二年生を、そして一、二年生が三年生の補助にあたる。

補助とは生活・勉強面などのあらゆることが該当するが主になってくるのは襁褓の世話である。


襁褓と書くと分かりにくいというのは知っているけど直接的に書きたくない乙女心もわかってほしい。

が隠していてもこれからの学園の話が進まないので…う…その…あの…

襁褓というのはおむつのことです。あの排泄物を受け止めるパンツ型のやつです。はい。

私、恥ずかしながら高校生になってもまだおねしょとおもらしが治らないのです。

というか私だけじゃなくみんな。


つまり、檸檬女子学園とはおねしょやおもらしが治らない子が集まる学校である。

入学時にそのような症状の診断書があれば入学の許可が出る。

檸檬女学園では一年生は布おむつの着用、二年生は紙おむつの着用、三年生にはトレーニングパンツの着用が義務づけられている。起きてる時も寝てる時もずっと。

入学前準備授業ではこれから自分で使う布おむつを縫ったりそのおむつを装着して授業を受けた。

今まで味わった恥ずかしさを全部足したくらいの恥ずかしさだった。



一般人にこの現状を話せばぜったいドン引きするはずだ。

だからここの生徒は話さずにこの学園に逃げてきた。


卒業までに脱おむつ、そして目指すはT大学理Ⅲ。



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