Fin:食べ歩き
Japan ceter of Tokyo
「「「おいひぃ!」」」
口の端にクリームを付けて叫ぶ阿修羅、緊那羅、摩和羅女、任務を早く切り上げて食べ歩きにくり出していた。
鬼との戦いで勝ったがホーリナーの殆どが重傷、重体に至る者まで出た始末、この事件は全世界のVCSOの耳に入った。
その中でも注目を集めたのが阿修羅と緊那羅、神域の段階2に到達したのが2人もいるということで神選10階も注目している。
しかし二人はあまり喜ばしい事実ではない、悪魔たった一人に二人は惨敗、阿修羅に至っては目の前で神選10階の強さ見せ付けられた、それなのに最強だなんのと言われてもただの苦痛にしかならない。
今日は半日の自由が約束されている、だから3人は滅多に無い休暇を思いっきり楽しんでる。
「阿修羅、団子があるわよ」
「ホントだ、この前はろくに食べてもらえ無かったから今日はしっかりとゴマを食べてもらうわよ」
「じゃあアタシが貰ってくるぞ!」
「摩和羅女、分かってるよね?持ってこれるだけ持ってこい!」
摩和羅女はビシッと敬礼のポーズをして団子屋に入って行った、暫くするとフラフラしている摩和羅女が帰ってきた。
両手と頭に乗せたお盆には山盛りに団子が積まれている、恐らく店にある団子を殆ど持ってきたのだろう。
阿修羅は見かねて頭のゴマ団子の山を取った、緊那羅は右手のあんこ、摩和羅女に残ったのはみたらしだけ。
「緊那羅があんな事言うからこんなに持ってきちゃったじゃない」
「べふにひいんふぁない(別に良いんじゃない)」
「阿修羅!ゴマ美味いぞ!」
「当たり前でしょ」
緊那羅は色々な団子取っ替え引っ替え口に放り込んでる、摩和羅女は食べ終った串を投げて的当てをして楽しんでいる、阿修羅は静かに着々と食べながら二人の暴走をセーブするので精一杯。
「阿修羅、緊那羅、どーなつって何だ?」
「あんたドーナツも知らないの!?」
「ドーナツは穴の空いた美味しいモノ」
「美味いのか!?」
「かなりね、だから調達よろしく」
摩和羅女は敬礼してドーナツ調達に走った、緊那羅はホーリナーの特権と摩和羅女を使うのだけは達人クラスだ。
「阿修羅、それいらないならもらうよ」
「あっ!ちょっと!」
「いただきま〜す」
緊那羅は阿修羅の残していた最後の団子を一口で食べた、阿修羅は泣きそうな目で緊那羅の持っている串を見た。
「悪かった、ゴメン、な?」
「……………隙あり!」
阿修羅は緊那羅が残していたあんこの団子を奪い一口で食べた、勝利に満ちた表情で緊那羅を見ると緊那羅はうつ向き震えている。
「これでチャラよ」
「返せ!私の団子返せ!」
緊那羅は阿修羅の頬を掴んで引っ張った、阿修羅も緊那羅と同じ事を言いながら緊那羅の頬を掴み引っ張る。
二人が団子団子と言いながら頬を引っ張ってると、再び両手と頭にお盆を乗せ大量のドーナツを持った摩和羅女が出てきた。
「何やってるんだ?」
「「団子食べられた!」」
泣きそうな顔で両頬を腫らした二人がハモった、摩和羅女はクスクスと笑い始めると頭のお盆今にも落ちそうになる。
「「危ない!」」
「えっ?うわぁ!」
お盆は大きく傾き摩和羅女の頭から滑り落ちた、阿修羅と緊那羅は頭から飛び込む、ドーナツは地面に落ちるのを免れ阿修羅と緊那羅の体の上に落ちた。
「凄い、凄いぞ!」
「ありがとう」
「はぁ、今本当にホーリナーで良かったと思ってる、こんなの他人に見られたら最悪」
二人は体に落ちたドーナツをお盆に乗せてそれを阿修羅が持つ、緊那羅は摩和羅女から一つお盆を貰いドーナツを頬張った、摩和羅女も恐る恐るドーナツを口に入れた。
「ほう、ふぁわわほ?(どう、摩和羅女?)」
「美味しい、美味い、美味!」
摩和羅女は次々にドーナツを口に放り込む。
「うぐっ!」
「摩和羅女、どうした?」
「もしかして詰まらしたの!?」
摩和羅女は苦しそうに首を縦に振った、緊那羅は阿修羅にお盆を持たせ飲み物を探しに行った。
1分もしない内に戻って紙コップを持って戻って来た、緊那羅はそれを摩和羅女に渡すと摩和羅女は一気に飲み干す。
「ぷはぁ」
「はぁ、焦らせないでよ」
「ひくっ!………ひくっ!」
「摩和羅女、どうしたの?」
「あ、ヤバ」
緊那羅は持ってきた紙コップの匂いをかいで苦笑いを浮かべた、阿修羅は紙コップを受け取り匂いをかぐ。
「ちょっと摩和羅女!これって………」
「ビールだな」
「あひゅらぁ!きんにゃらぁ!なんきゃたのしぃぞ!」
摩和羅女はお盆を投げ出して走り始めた、阿修羅と緊那羅もお盆を投げ捨てて摩和羅女の跡を追う。
摩和羅女はスキップするように走りながら腕輪に触れた、得物は暗器の針、名は針鬼。
「阿修羅、もしかして…………」
「はぁ、人間で的当て?」
阿修羅と緊那羅も腕輪に触れる、得物は長刀と納刀された刀、名は夜叉丸と羅刹。
「さいひょはひとみでにひゃくちぇん!」
「阿修羅!そっち!」
「ベロシティ【光速】!」
阿修羅は針鬼を先回りして弾き飛ばした、酔っていても命中力は全く落ちない。
「緊那羅!」
「ベロシティ【光速】!」
今度は緊那羅が針鬼を打ち落とす、たった一杯飲んだだけでコレだけの殺人鬼と化す摩和羅女、ある意味ビンゴブックSクラスだ。
「阿修羅!」
「ベロシティ【光速】!」
「ベロシティ【光速】!」
「ベロシティ【光速】!」
「ふぁいやーわーくす【花火】」
「「無理よ!」」
ベンチにスヤスヤ眠る摩和羅女、その下で死にかけている阿修羅と緊那羅、辛うじて摩和羅女の針鬼は誰にも当たらなかったが二人の疲労は著しい、神技の連発と人を守る事による疲労だ。
「あらら、皆お疲れだね」
「はぁ、ボスか、何で此所に?」
「協力者から情報でホーリナー3人が暴れてるって聞いたからさぁ、やっぱりボスとしてこれは始末しなきゃいけないだろ?」
「全部摩和羅女のせいだ」
「連帯責任、連帯責任」
金色孔雀は車を呼んで3人を車に押し込んだ。
Japan VCSO Japapn branch office
阿修羅達3人は摩和羅女の後始末のタメに多目的スペースの上、以前に緊那羅のせいで連れて来られた場所、拷問スペースと呼ぶ者もいるような所に連れて来られた。
「はぁ、またやるの?」
「当たり前でしょ」
「あんたいつか絶対に殺す」
「恐いなぁ、何もしなきゃ良いだけなのに」
「ゴメンな!アタシのせいでゴメンな!」
摩和羅女が必死に謝るが二人にはそれをフォローする余裕もない、これから始まる恐怖と増えるトラウマ、それを考えたら他人の事など考える余裕など無くなる。
「それじゃあよろしくね、備蓄倉庫の整理」
金色孔雀は3人を蹴り飛ばすように備蓄倉庫に入れると、扉を閉めて鍵をかけ電気を付けた。
「「「イヤァァァァ!!」」」
To be continued
何とか最終回を迎える事が出来ました、この話が基礎になって次回に続きます。
今回幾つかのキャラクターに付加されてる‘神徳’、無理矢理のこじつけでは無く本当にあります、それも実際の通りにまんまです。
次回作も読んでいただけたら幸いです。
評価やアドバイス、コメントやダメ出し等を頂けると次回作の励みになります。
では次もよろしくお願いします。