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星なし転移者と仲間たち〜逃亡中〜  作者: 綾瀬 律
マイヤーに向けて

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82.リバイアサン

昨日の分です…

本日2話投稿します

 どうやらマンティの事を話すより、黒馬の方が危険が少ないと判断したみたいだ。

「あるのか?ブツは」

 強面の大男が言うとそれはもう人殺しの話にしか聞こえない。


(おいっやめろ…)

(人殺しの面)


 そんなこと言ってないよ?サナエ。


「あるぜ、ブツ」

 タフが言うとキザになる、不思議だ。

「見せてみろよ、ブツを!」

 ドンとソファに背中を預けて言うババ。もう葉巻があったらマフィアだね、これ。

 ぷはぁーって顔に煙を吐く感じで。


 レイキが隣で震えている。よしよし、背中をさすると

(誰のせいだ!)

 強いて言うなら、マンティかな。

 ガクっとした。


 ここでは出せないし、私が保管している。だから何やら解体場に移動してそこでタフがちょっとあれな、と言って人払いをした。

 そこで取り出したリバイアサン。でかいね?


 しらばっくれてタツキと手を繋いだ。知らないよーアピールだ。マンティはそばにいて、リリや姫、王子は宿の馬房でお休み中。

 馬場が入ってくると

「おわっ…またデカいな…どうやって運んで、いや、効聞かないぞ!」

 それがいいと思う。私に擦り寄ってご機嫌にしっぽを振るマンティ。可愛い。なでりなでり、短い毛はまた気持ちいい。


「ふう、間違いなくリバイアサンだな」

 見た感じは和風の龍だ。鱗に覆われて細長い体に小さな脚。長いヒゲ。その胴体はしっぽまで含めて10メートルほど。

 確かに凄いな。



(鱗もその下の皮もとても貴重品。内臓や血、ヒゲに眼球も価値が高い

 この一体で一生暮らしてもまだお釣りがくるほどの値段になる)



 …マジで?マンティ、凄いね!


「討伐の依頼料はあまり高くないんだ」

「だな、たったの500万ガロンだからな」


 はっ?たったのって、500万だよ?マンティが取ったどーとか言って咥えてきただけで。

 マンティって凄くコスパがいいのね。


(ごふっ、おい…コスパ言うな!)


 レイキは相変わらずキレッキレだ。でもさ、私の食事で満足するんだよ?コスパいいよね。


「素材も買いたいが、どれほど予算がつくかな。少し時間をくれ!解体費用は無料にするぞ」

「頼むぞ、バーバ!」


 頼んだよ、ジャイアント!


(ぐほう、だからお前は…)


 さーせん?


「リバイアサンって素材売れるの?貴重みたいだけど」

「もちろん売れる。ただな、高いんだよ。ギルドでも10分の1も変えないだろうな」

「そんなに?」

「眼球1つで1000万ガロンだ」

「「…」」



 マンティはコスパ最高説…

(だな…)

 ワイバーンも5体あるよ?

 チラッとタフを見る。

(シーちゃん?)

(ワイバーンもあるよ、ほらマンティが…)

(どれくらいだったか?)

(5体…)

(1体売ろう)


「あ、バーバ。珍しくもないんだが、ワイバーンあるぞ?」

「買う!丸ごと買う」

「お肉も?」

「はぁ??」

 ん?首を傾げる。


「あーワイバーンステーキは美味いからな!」

「むっ確かにな。なら肉は半分でいい」

「おう!」

 タフのそばでさもタフがカバンから取り出したようにワイバーンを取り出す。ちなみに自然と解体は封印中だ。自然なのに不自然だからね!


(くふぅ…おい、だから不意打ち!)

 えへへっ。


「これはまた、立派だなぁ」

 そうなの?みんな同じ顔で大きさも分からない。

「こちらも預かって査定して、肉以外は買い取る!」

 ワイバーンも人気の素材みたいだしね。


「この皮って売るの?」

「工房の奴らが喜ぶぞ!」

「売れる店は指定出来る?」

「売りたい店があるのか?」

「売りたくない店がある…」

 察したような顔をする。


「ならオークションにするか?参加者は販売者の許可があるものだけって事にすればいい」 

「全部は無理だよね?」

「ある程度はな、商業ギルドに卸すから」

 なら商業ギルドで圧力、う、うん…お願いするか。


「ならそれで頼むぞ」

「あぁ、それにしてもお前の隠し子はまた不思議な声だな。耳に心地良い」

 誰か隠し子だ!誰が、くわっと怒りの表情をする。タフが痛い子を見る目で私を見た。何故だ?



「ぐはっ…」

 リアルにレイキが吹き出した。酷くない?


「だろ?だからあまり喋らせたくないんだ。俺に似て、だからさ」

「分かったぞ?気を付けろよ!」

 拳を突き合わせる2人。いいね、男の友情…。


 と言う事で、冒険者ギルドを出た。それにしても500万ガロンがマンティのおかげで転がって来たよ。

 まだハイランダー王国だからね、新しい商品を卸すのはやめておこう。

 ほら、あの王様とかがめつそうだし?見つかったらやばい的な、ね。



 で、オークション参加者は路地の工房のみってした。表通りはさ、一見?はぁ…?みたいな対応だったから。こちらも一見はお断りだ。

 圧力かけて路地の工房に潜り込む輩が居るだろうから、そこはそれ。何か対策をね!


「お嬢ちゃん、それならオークション参加者全員に魔法契約を課したらいいぞ!」

 出来るの?

「出来る!一部はリバイアサンさんの素材も売るんだ。そうすれば制限を付けられる」

 タフを見ると

「滅多に出ない素材の場合、売る相手を選ばないと危ないからな!」

 なるほど。リバイアサンとワイバーンを抱き合わせるとそれが出来ると。なら嘘もつけまい。


 頷くとジャイアントに頭を撫でられた。

「ぐはっ…くくっヤバい腹筋が崩壊する…」

 レイキ、リアルに笑うな!もう。

「なんか丁度いい位置にあるんだよな、頭が」

 ポンポンしないの、もう。


 タフが横から私を抱き上げる。丁度ジャイアントが正面だ。私の顔をフードの奥から見て驚いている。

「なんて儚くてきれいな顔なんだ…」

 タフに顔を寄せる。

「お前らが一緒にいると破壊力満点だなぁ。気を付けろよ!」

 工房街は特に危険だよね?


「普通に危険だぞ?グスタフだけでもな、その顔が。なのにお嬢ちゃんまでなんて、並べて鑑賞ならまだマシだ」

 怖いっタフにしがみ付く。

「そんな事させないよ?」

「強いのは分かってるがな、気を付けろよ」


 もう夏だし、フード外したいんだけどなぁ。これは無理そうだ。タフの首に顔を埋めてギルドを出た。

 気を取り直して薬草採取と鳥の捕獲だ。タフは門を出るまで私を離さず、外に出て少ししてからやった降ろしてくれた。


『やれやれ、我の守護があるのだから大丈夫だろうに…』

 マンティが呟いた。

 タフは複雑な表情だ。私は残念なタフの手を握る。

「そばにいてくれるんでしょ?」

 驚いた顔で私を見ると笑って

「もちろんだ!コイツらもいるしな」

 そう、タフの周りにはたくさんのスライムたち。ピンポン玉くらいになってわらわらと張り付いている。


 サナエからも正式にオッケーが出たので、みんなの周りに適当に張り付いている。レイキと私、ついでタフの周りにはとにかくたくさんいる。メッシュや千鳥、花。金とミスリルもいる。

 水色の子は治癒魔法が使えるし、スライムって最弱って言われてるけど凄いなぁとシエルは思っていた。



 実際には単なるスライムは最弱。マーブルをはじめ特殊個体ばかりのシエルたちのスライムは、全て秘めた力を持っている。

 存在自体が唯一なものも多く、好事家なら大枚を叩いて買うくらいには貴重なのだった。

 さらに治癒魔法が使えたらポーションが作れるなんてとんでもない能力なのだが、それもシエルの魔力を取り込んだ故…だったりする。



 空気を読んだ魔法通信が敢えて伝えていないが…





*読んでくださる皆さんにお願いです*


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