ブクマ400記念 スペシャル閑話
引き続き誤字報告ありがとうございます┏○ペコ
2025.03.11
完結済みでブクマが伸びて、本当に皆さんに感謝です
ブクマ400という中途半端な数字で閑話を入れたのは500に届かないと思ったからでした
グスタフとシエルのイラストを封印するか悩んで、ひとまずレイキ視点の閑話をいれたんです
で、本当にちょっとずつですがブクマが伸びて…
なのでもし500になったらイラストとグスタフ視点とサナエ視点の閑話を投稿しようと思います
タツキ視点はちょこちょこあるので
500いかなくても、再開したら何処かで投稿する予定ですので…気長に待って貰えると嬉しいです
2025/02/24
ブクマ400記念 中途半端な数字ですが感謝を込めて…
レイキの語りです
文の最後にレイキとシエルのイメージイラスト載せてます
俺は柴田怜輝、32才だ。
それなりに有名な大学を出て、それなりに優良なシステム会社に就職。彼女はここ3年ほどいないが、特に困るともない独身貴族だ。
趣味はフィギュア集めとピザ作り。
普通にフィギュアと聞くと可愛い女の子を想像するかもしれない。いわゆる萌えキャラだ。
しかし、俺の集めるフィギュアは一味違う。もちろん戦闘機でもなければ戦艦でもない。
アニメキャラですらない。
そう、俺が集めるフィギュアはもふもふだ。
もふ毛の犬、猫、うさぎに始まりたぬきや狐も守備範囲。リスなんて大好物だし、アルパカもなかなかだ。
若干もふ度は低いがカピバラもいける!
それなりに懐は広いんだ。
しかし、フィギュアはもふもふじゃない。もふもふのフィギュアなのにもふくない。そのことに「もフィギュアニスト」を自称する俺としてはモヤモヤしていた。
そんな時、見つけてしまった!
某有名な大型手芸店のウザワヤにフィギュアの箱を見に行った時…エスカレーターの通過階でそれを…。
まさに神の思し召し。
俺の目は吸い寄せられた。
それは様々な模様のファーだった。少し前はフェイクファーと呼ばれていたアレだ。
今は何やらエコファーと呼ぶらしい。
それを見つけたのだ。柄が豊富で幅も選べる。ただ、毛足は選べない。
しかし、これをもふもふじゃないもふもふフィギュアに当てはめたら…もふもふのもふもふフィギュアになるんじゃないかと思った。
居ても立っても居られない。買わなくては!
そこからは苦難の連続だった。まずは毛足。手のひらに乗るくらいのフィギュアだから、毛足が長すぎて邪魔で細かな造作が出来ない。
そこで毛をカットしてみた。
ダメだ…毛足が揃わない。
ならばとバリカンだ!買ってみた自宅散髪用のバリカン。刈る長さが選べるアタッチメント付き。
そこからまた試行錯誤。
結果、毛足の長さは2mmが最適と判断した。
しかし問題が起きる。
毛の流れが偏ってしまうのだ。差し詰め寝起きの寝癖のように。ならばとミストが作れる美顔器を購入した。
お店の美顔器コーナーでミストの出方を些細に確認する俺に、美容部員のお姉さんがドン引きしていたが。
理想のもふもふのためには譲れない。
また来たのかと言う顔も、たいして変わらないわよと言う陰口も俺には響かなかった。
こうして手に入れたミスト、ナノイーの目に見えないヤツを優しく吹き掛けながら、目の細かなクシで毛足を整える。
このクシも新潟の有名な燕四条のクシだ。目が細かくて毛根を傷付けない。お勧めの逸品だ。俺が真剣に有名デパートの物産展で見ていたら、職人さんが
「兄さんも苦労してるんだな…」
としみじみと言われた。何のことか分からないが、それを即買いした。
こうして毛並みを整わせ、漸くバリカンだ。こちらの刃も毎回、全てをシャープナーで研いでから使用する。
そしていざカット。
こうして出来上がったファーはもうベルベットのような手触りだ。
完・璧
しかし、もふもふフィギュアを作るためにはここまでが下準備。
ここからパーツを切り出していく。そのためにトレペに型を起こして…。
動物にはヒゲや目、鼻があるからそちらの質感にもこだわる。
鼻は合成皮革を使う。それを動物の鼻に合わせて型押しする。細かな粒々があるからな。
ネットで検索した鼻の写真を拡大して質感や小さな窪みまでをデッサン。
それを元に型を起こす。
模様はエポキシ樹脂で自作だ。作った型に合成皮革を型押しする。ちゃんと挟み込んで作る。
これがまた力作だ。エンボッサーを作る。合成皮革は厚みがあるから力もいる。
ヒゲの素材はすごく悩んで、書道の筆を使うことにした。馬の毛だ。1本ウン万円…高いが、色々使えるからな。
色はちゃんと染料を買って染めた。
何が目標か分からなくなるくらいの時間と手間とお金をかけて下準備をし、最初に作ったのがゴールデンレトリーバーだ。
単にフィギュアが大きいから作りやすかっただけだが。
個人的にはコーギーとかミニチュアダックスみたいなコミカルな体型が好きだ。
ちなみに爪はレジンで型から作って。肉球は合成皮革で、目はガラス玉、妥協することなく全てのパーツに力を入れて。
構想から1体仕上げるのに1年かかった。やっと出来た時は雄叫びを上げたもんだ。
すかさず隣のおっさんから苦情がはいったが。
そんな風にもふもふじゃないもふもふフィギュアをもふもふにする為に奔走していた俺は、新たなフィギュアを手に入れる為にフェスに向かった。
もちろん、友達とだ。
そしてそこで出会いがあった。
今までは守備範囲が広いとはいえ、そこから漏れていた牛だ。俺には毛を付けるという技がある。ならば、あのベルベットのような皮だってもふと言えるかもしれない。
もフィギュアニストの血が騒いだ。で、親子の牛を購入した。もちろん、悩んだ。これはもふもふなのかと。自問自答して、結果…買った。
他にもうざきを買うか悩んだ。青い目のうさぎなんて可愛いに決まっている。でもそちらは買わなかった。
その事を後で酷く後悔することになるのだが、その時はまた次があると思っていたのだ。
帰宅の電車で心地よい疲労感と満足感で満たされて、うたた寝をした。目が覚めると最寄りの駅の2つ前だった。伸びをして早速、牛にもふ毛を付ける為に作業手順を頭で確認していた。
最寄り駅に向かって電車が減速し、そろそろ席を立とうかと思った時に床が光った。
そして俺は知らない場所に知らない人たちと立っていた。周りは明らかに日本ではない。
これはいわゆる異世界転移、なのか…?
今日のフェスに同行した友人が「小説家になっちゃおう!」という投稿サイトが大好物で、今日もずっとその話を聞かされた。
「昼飯どうする?」
「異世界で人気なのはマヨネーズだ!」
「…」
「なぁ、牛のフィギュアって」
「異世界にも牛はいる。殆ど描かれないが、牛乳があるからな!」
「…」
「うさぎって」
「異世界には頭にツノが生えたうさぎがいるんだ!ファンタジィック!」
「…」
こんな調子だ。さらには
「異世界に行く時に通過する現世界との狭間には特殊能力を付与する仕組みがある!」
「鑑定はマストだな…」
「あかん系の転移なら、早急に自由になるべきだー」
「同郷の友人は絶対に作れ!何かと力になってくれるぞ」
永遠と続く異世界講義は留まることを知らなかった。
アイツ、元気かな。
ふと思う。
なぁ玲二、お前が来たがってた異世界に俺は今いるぞ。しかも18才だ!若者だぞ。
同郷の友人…かは分からないが、おとんなタツキとおかんなシエルとふわんなサナエと俺と。
まるで家族みたいに過ごしてる。
しかも、まるで天啓のように姫と王子に出会った。フェスで買った親子の牛。買っておいてよかった。
俺のジョブは創造だ。あらゆる事象を造る事が出来る。
今ならもふもふフィギュアも自作出来るんだな。でもあの苦労した時間はやっぱりかけがえのない時間で。
だから手作りにこだわりたい。
時間潰しにと、ミスト付き美顔器やバリカン、クシに染料、筆や合成皮革にエンボッサーまで持ってるからな。
落ち着いたらもふもふフィギュアを作るぞ!
姫に王子、ラビやあーちゃんもいる。リリとルーだってな!
俺はそれなりに楽しめてるぞ。
会えない家族のことは心配だし、心配させたのかと思えば切ない気持ちもある。
それでも、みんながいる。特にシエルのジョブと俺のジョブはきっと二つ揃ってその真価が発揮される。ならば、もう会えないおかんの代わりに親孝行でもするかな。
こっちではシエルの方が4才年下だけどな。
だからさ、父さん、母さん、姉貴…俺は元気だ!
今までありがとう。
いつかあの世で会えたら、たくさん話しような。
レイキとシエルのイメージイラスト
生成AIで作成
シエルがレイキのテントに入る
「レイキーいる?いないか、あれっ…」
荷物散らかして、って美顔器…オサレさんなのか!?
女子力で負けたと複雑な顔のシエルだった
タツキがレイキのテントに入る
「レイキいるか?いないな、ってえっ…」
美顔器…オサレさんなのか?そういえばお肌艶々だったな
顔を赤くするタツキだった
サナエがレイキのテントに入る
「レイキいるの?いないわ、ってあれは…」
ミスト付きの美顔器…?もしかして、彼氏の!?
共感できて笑顔のサナエだった
お昼ご飯でレイキに
「「「レイキ…あっ」」」
「何だ?」
「あの、美顔器…」
そこから怒涛のもふもふフィギュア作りについて滔々と語り出した
普段は無口なレイキが…
ドン引きした3人だった
*フィギュアのくだりは完全な創作です
*燕四(三)条 書いた後に調べたらクシ作ってる職人さんいました!奇跡
※読んでくださる皆さんにお願い※
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