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星なし転移者と仲間たち〜逃亡中〜  作者: 綾瀬 律
異世界転移?

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47.レイキとシエルの会話

14日目

 亡くなった人達と横転した荷馬車はどうするのかと思ったら、メリッサを荷馬車から外した。横転した荷馬車を引いていた馬1頭も犠牲になったからだ。ガル達のパーティーが全員で魔法も駆使して荷馬車を起こし、メリッサを繋ぐ。車輪は簡単にタフが修理をして動くことを確認した。

 荷馬車内の荷物を避けて、亡くなった人たちはそこに安置していた。血痕は匂いが残らないよう土に埋めていた。キングオークは私たちの獲物なので収納したよ?どこに収納したのかは秘密だけどね。


 タツキはまだ調子が戻らないので、姫の背中に乗せてもらう。サナエも魔力をかなり使ったので、タツキと一緒に姫の背中に乗った。そして王子とリリは小さくなっていた。私とレイキは変わらず歩きだ。

 どうやら私もレイキもかなり魔力があるみたいだ。そう思って自分の手を見たら


(魔力随時補充のスキルが☆6ジョブには付随している)


 要するに使った側から補充される。枯渇することがないのだ。やっぱりチートなんだね。それなりにレイキも魔力を使ったし、私も土魔法に風魔法を使った。でも怠くなることもなく、通常運転だ。

(なぁ、魔力の補充だけじゃなくて体調管理スキルも付与されてるぞ)

(そうなの?ジョブに付随ってこと?)

(らしい。シエルのジョブは調べたことを再現できる。俺のジョブは経験したり、創造できるものなら再現して作れる。俺とシエルのジョブって一対なんじゃないか?)

(確かに…それなら同時に☆6のジョブが発現したのも納得できるね)

(お互いに高めあえるジョブなんだろうな…)

(それなら私とレイキが一緒に行動するのもある意味必然なのかもね)

(そうだな、シエルで良かったよ!☆6がさ)

(私もだよ!でも自分たちと同じ次元で考えてはいけないんだなって、今回思った)

(そうだな…どうしても自分を基準にしてしまう。タツキもサナエも戦闘特化のジョブだから大丈夫ってどこかで思ってしまうのかもな)

(気を付けないとね)

(反省だな)

(でもさ、物理も強くなりたいよね)

(それな、俺も思った)


 レイキと念話をしながらてくてく歩く。荷馬車はナリッサだけで引くことになりスピードが落ちた。だからなのか、歩きの私たちと合わせるようにゆっくりと進んでいく。

 その後は順調に進み、時々出て来る魔獣はガルたちが瞬殺していた。

 夕方ごろに野営場に到着した。そこで夜を明かす。

 ケガした人が目覚めたのか、私たちは聞かなかった。早々と4人でテントに籠ってご飯を食べ、テントに戻ってサナエと順番に体を洗浄して眠ったから。

 何か言いたそうなタフやガルたちとは話をしなかった。


 朝、目が覚めるとサナエが私を抱きしめて眠っていた。昨日の戦闘は反省ばかりでみんな思う所があったのか、口数も少なかった。そのまま疲れもあって即寝落ち。

 サナエの規則正しいぽよよんを背中に感じながら、みんな無事で良かったと思った。

 何気にてんぱっていたようで、情報共有が不足していたとレイキと反省。

 魔獣の情報が読み取れる私たちが2人に展開し、大まかな役割を伝達すること。

 そして無理なく倒せるように考えること。それはレイキと私の役割。後方支援だからね!

 終わったことは気に病んでも仕方ない。反省はしっかりとして次に生かそう。


 そう思って胸元のあーちゃんを見る。ふふっ可愛い。なでると目を瞑ったままシッポが揺れた。

 ラビのふわふわな毛を撫でる。指が埋もれるね?可愛い。耳がぴくぴくしてる。

 さて、今日も歩かないと。順調に進めば今日は村の集会場で泊まれる。

 サナエを起こさないようにそっと寝袋を抜け出す。テントから這い出すとタツキが隣のテントから出てきた。目が合う。体の状態を確認する、うん大丈夫だね。

「おはよう」

「おはよう…昨日は心配かけた」

「私も、情報も共有しないで突っ込んで…ケガさせてごめんね」

「あれは俺が悪い。なんかな、カーっとなってしまって」

「それも分かる。タツキが飛ばされたときの私がそんなだったって、レイキに言われた」

「あーすごい複合魔法だったらしいな、魔力に色が付いているのを初めて見たってレイキが言ってたぞ?」

「あーなんか虹色だったって。なんだろうね?魔力?というか複合魔法だと色が混ざるらしいよ」

「そういうことをよ、怒りで頭に血が上って出来るのがな?やっぱりチートだよな」

「でも戦闘職ではないからね…出来ることに限界もあるし」


 夜番はメッシとガルだったようで、私たちに気が付くと声を掛けて来た。

「よう、寝れたか」

「「うん」」

「少し話いいか?」

 タツキが頷いて彼らに近づく。

「昨日の、気が付いたのは誰だ?」

「ラビ」

「白うさぎか?どんだけの感知範囲だよ」

 さぁ。

「オークキングだって分かってたのか?」

 知らなかったよ。だから首を振る。

「待てなかったのか?」

「敵認定されたからな、逃げるか迎え撃つかしかなかった。それに、唯一息があった人に向かっていたから。逃げることは考えなかった」

「そうか…」


「けが人を助けたのは誰?」

「多分、ラビ」

「「はっ?」」

「私たちは何もしてない」

 これは本当だ。

「はぁ、分かった。本当に気を付けろ!お前たちに何かあったら悲しむ人がいるだろ?」

「…」

「いない…」

「えっ?」

「悲しむ人はいない…ただ、消えてなくなるだけだ。俺たちの存在ごとな」

「「…悪い、変なこと言った」」

「…じゃぁ」

 私たちはテントに戻って行った。


 そう、悲しんでくれる人はここにはいない。消えてなくなる…そんなのは嫌だ!

 自分たちだけしかいないのなら、みんなで生き抜けばいい。

「みんな一緒に生きよう!」

「そうだな…簡単に死んでなんかやらないぞ」

「今度こそ天寿を全うするんだ」

「そうだな」

 テントまで戻るとそのまま男性陣のテントに入った。朝ご飯だ!美味しい朝ご飯を作ろう!

 サナエも起きて来てテントに集合。タツキにテントの空間を広げて貰って、広い空間で優雅に朝食を食べた。

 白ご飯に焼き鮭、お味噌汁にほうれん草のお浸し。たくあんも添えたよ!和食の朝食もいいね。

 食べ終わってお茶でまったりしていると

「そろそろ片づけを始めてくれ」

 声がかかった。お茶を飲み終わるとテントを出て、自分たちのテントを畳んで出発に備える。

 お昼ご飯にはおにぎりとだし巻き卵にウインナーと唐揚げ。

 エオンのお惣菜コーナーで買ったよ。


 さぁ、出発だ!

 荷馬車が2台になったので、思いのほかペースが上がらなかった。お昼の休憩も最小限にとどめ、行動食で進んでいく。私たちはおにぎりだし、空間魔法で小さなお盆を体の横に浮かせて食べながら歩いた。

 ウインナーもだし巻き卵も唐揚げもとっても美味しかった。

 食後に葛餅と緑茶まで堪能したよ?

 昨日、ケガした人は意識を取り戻し、食事も食べたそうだ。美味しい干し肉ことビーフジャーキーだけどね。

 そしてゆっくりではあったけど暗くなり始めたころにやっと村に着いた。先行してジルを声を掛けてくれたので集会所に泊めてもらえることになった。またしても雑魚寝だ。嫌だなぁ、人も増えたし。

 それが分かったのか、タツキが自分たちはテントで寝ると宣言した。

 だってね、空間を広げられるんだよ?ベットが置ける。なら雑魚寝よりも快適。ただ、安全面があるのでみんなで同じテントだ。ベッドも2つ。それでもお布団で眠れるし、テントに防御を組み込んでルーが蜘蛛糸で結界を作ってくれるし、ラビもいるしリリも姫も王子も同じテントにいれば安全だ。

 そもそも村の中だしね。


 こうして夕飯もテントの脇で石窯を作って貰ってビックバードの姿焼きを食べた。ハーブが効いててとっても美味しかったよ。

 で、可哀そうだからおすそ分けしてあげた。丸焼きだからね?量も多いし。

 ベットはレイキに宿のものをコピーして貰っても良かったけど、やっぱり質がね?なので

 お値段以上のミトリで購入したよ。お布団も枕もシーツも!

 ほら、お金はそこそこあるからね。快適空間にして。王城でソファをコピーして貰ってたからそれも出して居間にしてね。

 ふふっレイキがいると色々と出来る。

 食後はフルーツの盛り合わせ。美味しかったよ。こうしてベットで安眠した私たちだった。




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