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星なし転移者と仲間たち〜逃亡中〜  作者: 綾瀬 律
異世界転移?

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32/127

32.石焼窯で作る絶品のアレ

7日目

 よし。アレにしよう!


「レイキー手伝ってー!」

「なんだ?」

「えっとね、こんな感じで、こんな風なの作って欲しい」

「ん、あーあれか?おう、いいぞ。場所は?」

「あ、あの辺かな?」

「よしってかバレて大丈夫か?」

「土魔法だから大丈夫だよ!」


 レイキが土に手を当てて目を瞑って、ズズズん、ドンッ。

「おー完璧!」

「何か手伝うか?」

「サナエは野菜切ったりして!タツキは粉を捏ねて」

 と各自で分担。私はソース作り。本格的な塩だれだ。ニンニクとビネガー、塩とゴマ油に鶏ガラスープの素(エオンで購入)を混ぜ混ぜ。酸味の効いた塩だれだ。

 トマトソースはトマトを角刈りにしてコンソメと塩コショウで水気が無くなるまで炒める。もちろん、魔法で時短。乾燥バジルを加えて出来上がり。


 さ、生地は出来たかな?ちゃんと時短で寝かせる工程を飛ばしたね!良き良き。

 まな板(レイキ作)の上に打ち粉をして生地を広げて行く。ある程度広かったら手でくるくーる。これやってみたかったんだよー。あ…ごめん。

 タツキの顔面にヒットした。ベリベリと剥がして浄化。念入りにね、顔脂のエキスは要らないから。

 タツキに頭を叩かれた。

(勝手に人の顔に当てておいて、顔脂ってなんだコラ!)

(ごめんごめん…悪気はナッシングなのさ)

(ぶぼっ…どこのおかんだよ)

 ここのおかんだよーっと。おぉ、いい感じ。


 バビュン…一陣の風が吹いた。そこにはタフがいた。で、それは何ですか?片手に持ったそちらは?

 大きいですね?

「タフ、それはなんだ?」

 タツキが怒です、こめかみがピクピクしてるあるよ。

 激怒です!


 その場を離れようとしたらタツキに服を掴まれた。

 えー知らないよ。

 なのになタフは爽やかに笑って

「夕食にどうかと思ってな?」

「…」

 突っ込みの達人までフリーズしたよ。手強いな、この天然さんは。


「それは何だ?」

 タツキが再び尋ねた。

「ん?知らないか?ワイバーンだ!肉が美味いんだぞ」

「丸のままでどうやって食べるんだ?」

「あ…」

 マジですか?丸焼きするにも皮を剥いで内臓取り出して、下拵えしないと無理だよ?

「タフは解体…」

「出来ない!」

 はい、言い切りましたね?

「今日は無理だ。しまっておけ」

「そうか…仕方ない」

 しょんぼりしたオジサンは可愛く無いぞ?

「タフ、しっぽだけ切り取れる?」

「もちろんだ!」

 ぱぁぁぁっという効果音が聞こえたよ。なんていうか、子供っぽいな。


 剣でサクッとしっぽを切って渡してくれる。それなら大丈夫そう。私は風魔法を駆使して皮を剥いで肉を取り出す。

 骨から肉を切り出して見ると白っぽい肉。鑑定さんによると鶏肉に近いあっさりとした食感らしい。

 仕方ない、これは串焼きにしよう。

 焼き鳥を食べる為に、特大の金串をレイキに作って貰っていた。それをいつ使うの?今でしょ!

 とノリノリで取り出す。串に刺す前にしっかりと洗って浄化もした。

 軽く塩コショウして串に刺す。これって以外と指が疲れるんだよね。


 近くで見ていたタフが

「手伝う」

 と言って魔法で浮かせてダスダスダスッと串に刺した。えっ凄い!私も私も!

 ダスダスダスッてあぁ、真ん中に刺さらない。む、難しいな。

 それを見てレイキが参戦。えっ上手ー完璧。タツキも参加、ダメダメだね?ほとんどまな板に落ちたよ?

 サナエは…何故かミンチになってる。スプラッタ好きなの?

「くふっ…君たち面白いね!あははっ」

 元凶のオジサンに笑われた。なんか悔しい。


 そんなこんなで串に挿し終わったから塩コショウをして焚き火で焼くことに。そっちはタフとサナエにお任せー。

 私は生地にトマトソースと塩だれを塗って

「トッピング手伝ってー」

 レイキとタツキも加わって3人で思い思いに具材を載せていく。

 レイキはベーコンとバジルでシンプルに。

 タツキはジャガイモとカリコリーとハムとチーズで具沢山に。

 私はワイバーンの肉の残りを塩だれに付けたものを散らしてチーズとバジルと山芋。山芋は一度焼いてある。チーズはカマンベール風とゴーダ風のミックスだ。茹で卵もトッピングー!


 それぞれ個性的な仕上がり。これを石窯にセットして、後は待つだけ。レイキが鑑定さんに程よい頃合いを聞くんだとか。

 いやー何処にピザの焼け具合を鑑定する人がいるんだろうね?

(ここにいるぞ!)

(美味しいピザの前では何でもするよね!)

(おうよ!)

 何でもピザが好きすぎて、ソロキャンでピザ窯持参してたらしい。引きこもりのオタクじゃ無かったのね。

(いちいち失礼だろ、お前は!)

(ごめん。あの前髪見たらね?)


 最初は前髪で目が隠れてたから。今も長いんだけど、耳に掛けてるから目がちゃんと見える。

 一重でもスッキリした顔の子だっただろうけど、クッキリ二重になって鋭さが少し緩和されたのかも。あの前髪みたらオタッキーだと思うのは仕方ないよね。

(お前は本当に、言葉を飾らないな。まぁソロキャンするくらいだしボッチっぽかったけどな)

(それが今活きてるんだからいいんだよ)


 そんな会話をしてたらレイキが

「そろそろ、だな」

 と言って窯から慎重にピザを取り出す。ふわぁっといい匂いが漂う。背後にいつもの視線を感じるけど無視だ!

 こんがりと焼き上がった石窯ピザ。テンション上がるぅ!

「美味しそう…」

 サナエが嬉しさに身震いし、ぷるんがぷるるんだよ。嬉しさが伝わるね!

「だからお前は!」

 タツキに頭を叩かれた。


 それぞれのパーティーのテーブルに各1種類ずつ載せた。なんせ特大サイズ。私なら半分も食べれない。

 カットはパーティーに任せて、手を合わせ

「いただきます!」

「「「いただきます!」」」

 こちらのパーティーに参加してるタフは?な顔をしつつも手を合わせてごにょごにょ言ってくれた。

「俺らの故郷の習慣だ。命をいただきます、て感謝のな」

「あぁそうなのか、いい言葉だな」

 笑っていただきますと呟いた。

 レイキが特大のピザを10等分する。何気にジョブ使ってるな、これ。


 私は取り敢えず、各1枚確保。あ、串焼き!

 慌てて串焼きの状態を鑑定で確認し、風魔法で浮かせて各自に配る。余りは適当にお皿に載せておいた。

「うまそう、あむっ…んめー」

「パクッ…美味い!」

「はむっ美味しい…」

「あむっあむっ…うん、おいひーね?もぐもぐ」

 私たちに次いでタフもピザを一口。

「ぱくりっ…なんと、うまーい!」

 次は串焼き。ガブリっ

「うまーい!うまーぃ、ぅまーぃ…」

 こだましてますね?

 そこからはまるで戦争だった。もちろん私は早めに退避。サナエが果敢に攻めてるのがね?ぽよんがぽよよんでぽよんだったよ。


 残るかなと思ったけどね?タフがこちらのパーティーの残りをさらって食べてた。

 何となくだけど、この世界の人は総じて良く食べる。空掛ける翼の面々もだし。メッシなんて見た目ヒョロイのにね?

 レイキも細いけど結構食べる。私だけ少食。何でかな?思わず胸元を見る。ここに栄養が足りてない気がする。

 タツキに頭を叩かれた。レイキは笑いすぎて崩れ落ちてる。サナエは申し訳無さそうにぽよよんだ。

(何がぽよよんだ、こら!)

(ついつい、ね。私も成長したらぽよんになるかな?)

(俺に聞くなよ!)

 将来に期待しよう。


「ご馳走様。凄く美味しかったよ。君たちは料理上手だね。ワイバーンのお肉は美味しいけど、こんなに美味しくなるなんて。予想味だよ」

 ニコニコと笑顔のタフだ。

「ワイバーンって強いよね?」

「そうだなぁ討伐だとSランクだな」

「タフは強そうに見えないけど、強いんだね」

「あははっ良く言われるよ。それなりに強いと思うよ」

「ねぇ、剣の扱いを教えてほしい。いくらで教えてもらえるの?」

「ん?じゃあお金は要らないから食事を食べさせて!それでどうだい?」

「そんなんでいいの?」

「そんなんじゃないだろ?店が開けるぞ」

「分かった、よろしくね!」




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