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星なし転移者と仲間たち〜逃亡中〜  作者: 綾瀬 律
異世界転移?

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24.道中の話

お昼に投稿し忘れました…

「って感じだ。普通に歩いてる時は俺とジルが先頭、グレイが中程でメッシは後ろにいる。何か質問は?」

「食事のタイミングと今日の宿泊について聞きたい」

 私だ。

「朝は食ったか?」

「「うん」」

「なら次は野営場がある所だな、休憩はこまめにするぞ。立ち止まって体をほぐすだけでもいい」

「野営場はここから5時間ほど歩いたところにあるな」

 ジルだ。

「そこからスナンの村まで4時間だね、そこで泊まるよ。集会所に泊めてくれるから」

 グレイが補足する。9時間歩くんだね、大丈夫かな。少し不安になる。

 タツキが頭をポンポンしてくれた。顔を上げると

(シエルの魔法操作なら楽勝だろ!)

 そうかな?ダメなら回復しながら歩けばいいか。

(タツキありがと!)

 また頭をポンポンされた。



「あーお嬢ちゃん、難しそうなら俺が運んでやる。筋力強化が出来るからお嬢ちゃん1人ぐらい運べるぞ」

「ガル、先のこともあるんだ。甘やかしたらダメだよ!」

 グレイが言う。確かにね、正論だよ。

「だからあたしが運んでやるよ!」

 あれ、正論は…?

「はっ?甘やかすなって言っただろうが!」

「ガルはダメだって言ったんだ。あたしなら甘やかし過ぎないからいいんだよ!」

「あぁ、てめー自分が構いたいだけだろうが」

「何が悪いんだい?小さな子は可愛いんだよ!」


 えっと私がケンカの元かな?これ。困ってシルバを見る。

「あーアイツら兄弟が多くてな、ずっと面倒見てたんだ。それがみんな独立してな、寂しいんだろ」

 あぁお兄ちゃんお姉ちゃん気質だな。私はおかんだけど。

「気にしなくていい。いつもあんな…」

 とはメッシさんだ。儚気男子は言葉も儚気だ。


 門を出てからはタツキの手繋ぎはしてない。暴れ馬のタツキとだとリズムが合わなくてかえって疲れるから。風魔法で体を浮かせて歩く。傍目には普通に歩いてるように見えるはず。

 グレイが寄って来た。

「お嬢ちゃんはえっと?」

「シエル!」

「シエルか、顔を見せてくれないか?」

 そう言えばずっとフードを被ってた。フードを取る。グレイは凄く驚いている。


「なんて綺麗な銀髪なんだ。目はグレーか?予想以上に可愛いな…人前ではフードを外さない方がいい」

「そうなの?ジアンさんにも気をつけるように言われた」

「あー座ってるから顔が見えてたんだな」

 ガルが私をチラチラ見ながらそわそわしてる。首を傾げると

 ごわぁっと言って崩れ落ちた。何…?

 グレイを見上げると

「あー1番可愛がってた末の妹と同じ色なんだ」

 立ち上がると私のそばまでやって来てそっと頭を撫でる。

 ぐっ、唇を噛んで上を向く。可愛い。

 私はどう反応したら?タツキを見上げる。肩をすくめられた。

(嫌われるよりいいだろう)

「無視していい…」


 メッシさんがそう言うと私を見る。そして

「疲れたら僕が魔法で運んであげるよ…物理は苦手だけど魔法なら、ね」

 と真顔で言った。これもまた反応に困る。真顔だよ?

「メッシの事も気にするな、こう見えて子供好きなんだ!困ったヤツラだ。俺ならおぶって運んでやるぞ?お兄ちゃんって呼んでいいからな!」

「…」

 えっとージルもなの?こっちに来てからモテ期到来、もっとも子供扱いのね。とほほ。


 そっとレイキがそばに来た。

「なんだかクセが強いな。まぁシエルは見かけだけなら助けたくなる雰囲気があるし、悪気はないから大丈夫だろ。戦力としてはタツキに次ぐんだけどな。サナエとタメはれるし。知らなきゃ庇護欲をそそられんだな」

「こんなにか弱いから、仕方ないね?」

「お前、か弱いの意味知ってるのか?」

「何か?」

「腕に犬を抱えて肩にうさぎ乗っけて平気な顔で歩いてるんだぞ?か弱さどこ行った?」

 そう言えばそうかも?笑って誤魔化そう。


 そんなこんなで順調に進み、休憩とお昼を挟んで本日の野営地に到着。

 途中、魔獣が出たりお昼ご飯に作ったスープを空かける翼の面々にお裾分けして感動されたりしたけど、無事に1日目が終了。流石にご飯までは用意して貰えないので、作る事に。


 何にするかなぁ、ステーキとパンとスープでいいか。焼くだけだし。エオンでオールスパイス買ったからね、かけるだけでお店の味になる。

 集会所の調理場を借りてお肉を焼く。タツキとレイキの分は厚めにカットだ。サナエは普通で私は気持ち薄めにカット。

 パンはトルティーヤ風にこねて焼いたもの。キャベツでコールスローサラダを作っておく。

 今日は皮剥きが無いからレイキが隣で手伝いだ。

 フライパンでステーキを焼く。そこにオールスパイスをかけるとなんとも言えない匂いが。

 スープはジャガイモと人参のコンソメ風。


 調理場を覗き込む影が4つ。振り向けば空かける翼の面々だ。ゴクリッ…

「あ、そのもし良かったら金払うから、分けてくれないか?匂いが堪らん」

 実はレイキと作りながら彼らの分も作ろうってなった。だって携帯食だって言うし。さすがにね?

「どうぞ、お金は要らないんで倒した魔獣のお肉を貰いたい」

「あ、あぁもちろんだ!やったぞ、お前ら!」

「おぉー」

 野太い叫び声がこだました。


 出来上がったので各自のお皿に盛り付け。ステーキにパン、コールスローサラダにスープだ。

「「「「食うぞ!」」」」

 めっちゃいい声で言うと食べ始めた。口にステーキを含んで美味い!スープを飲んだあったかい!コールスローサラダを食べてシャキシャキ!トルティーヤもどきを食べて柔らかい!

「「「「美味いー!!!」」」」


 こちらのメンバーは少し引き気味だけど、美味しいなら良かった。私たちも食べる。パクンっ、うん。オークステーキは脂が甘くて美味しいね。やっぱりオールスパイスは万能だ。

 スープはコンソメ味。お芋がほくほくだよ。で、私はステーキを一切れカットしてトルティーヤにコールスローを載せステーキを乗せる。巻いてパクリ。

 うまーい。これは美味しい。コールスローの酸味が堪らないな。

 それを見たみんなが真似する。

「ヤバい」「美味い」「美味しい〜」

 ふふふっジャンクな食べ方は美味しいのだよ、君たち。


 ガルたちも真似してトルティーヤにステーキをくるんで食べる。

「うまっ」「ヤバッ」「うぉぅ」「最高」

 喜んでもらえて良かったよ。ちなみにあちらのメンバーはステーキ2枚ずつ食べた。メッシなんて細いのにね?


 お風呂はないけどシャワー室はあったので、サナエと入る。交代でグレイが入って寝る事に。

 集会所は大部屋だから雑魚寝だ。

 私はサナエと、右隣はグレイで、左隣にタツキとレイキが並ぶ。グレイの横がガイとメッシでレイキの隣がジルだ。

 ふわぁたくさん歩いたから眠い。私は腕の中にもふもふを抱えて目を瞑った。即落ちした。



 苦しくて目が覚めた。なんだか凄く苦しい。口と鼻は塞がれていない。あーちゃんとラビは腕の中にいる。

 ぽよんは背中にくっついてて、ここまでは普通。

 目を開ける。目の前が暗い?

 顔を上げようとしてあれ、動けない。えっ、どうなってんの?

 ふう、落ち着こう。まず指を動かしてみる。動くね、腕を動かし…動かない。何かに押さえ込まれてる?

 足は…動くね。と少し動かすと何かに当たる。ん?

 柔らかな感触?ぽよよーん。へっ?これはおっぱかな。

 混乱する。足先におっぱなの?何で…。って事は目の前のこの私をホールドしてるものは。あ、理解した。

 はぁぁグレイは寝相悪すぎだよ、何で足と頭が逆なの?私が動けなかったのはグレイが太ももで私をホールドしていたから。


 もう…びっくりしたなぁ。それならとそっと足のホールドから抜け出て体を起こす。

 なんだか身体が痛い。固まった体をほぐしてから立ち上がる。

 目が覚めていたのか、メッシが起き上がった。そして目線で外に誘導される。私はローブを羽織って布団から出た。部屋を出でロビーに出る。メッシさんはさらに扉を開けて外に出た。

 私は肩にラビ、足元にアイカがいる。用心しながら私も外に出る。

 少し歩いた辺りでメッシが振り返る。

「おはよう、シエル」

「おはようメッシさん」

「さんは要らない、グレイがごめんね」

「あー凄いね?」

「シエルが可愛いって言ってたから、無意識…」

「足を動かしたらぽよよんに当たって焦ったよ」

「ぽよよん…くすっ」

 あ、笑った。あまり表情が変わらない人だと思ったけど。


「僕はね、なんか狙われやすくて…用心してる」

「誰に狙われるの?」

 儚気男子を狙うならマウント系男子か?

「ふふっ分からなくていい」

 ありゃ、なんか違う方かも。

「だからあまり人と関わらない。でも君は不思議。その白うさぎの感知範囲は広いよね?」

 やっぱり気が付いてたか。後ろにいれば分かるよね。

「そうかな?」

 誤魔化しておく。

「青い目…従魔の青い目、君は何者?」

 詰め寄るような聞き方ではなくて純粋な興味みたい。


 ここは任せるか。

「護衛任務を受けた者としての質問か?」

 タツキだ。会話を聞いてたんだろう。私の思考は色々とダダ漏れだから。




シエルのイメージ 再び

生成AIで作成


挿絵(By みてみん)



※読んでくださる皆さんにお願い※


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