2.要らない子同盟
誤字報告ありがとうございます…
かなりはじめっからやらかしてましたね
そんな会話をしていると、石の交換が終わった。
社会人さんは以下
名前 ***
ジョブ ダンサー ⭐︎4
スキル 言語理解
みんなが固まった。その後に学生君トリオが吹き出した。
学生カップルもくすくす笑い、偽賢者は一言ダッサと言い、マウント女子はサムッと言ってニヤニヤ笑った。
社会人さんは顔を赤くして固まっている。
王様たちはこれは使えんな、とあからさまに罵る。
いや、勝手に呼んでおいてなんじゃそりゃ。
そろそろ行こうかな?
私は遠慮がちに手を上げた。私が先の方があの女の子も気楽だろうし、ダンサーさんも気持ちが楽になるだろう。なんせ⭐︎無しだから。
私は石に手を置く
名前 ***
ジョブ ***
スキル ***、***、***
おぉー見事に全部*だよ、言語理解すら出ないんだ。これはいいんじゃない?何言われてるから分からないって顔したら。
と考えていた私。するとどよめいた。もちろん、別の意味で。
「⭐︎無しだと?」「なんてことだ!」「あり得ない」
などなどはこの国の人。
「⭐︎無しとかあんの?」「うわー可哀想」
「俺なら生きていけねー」「ハズレ過ぎ」
「ダッサ」「ぷぷっゲキサム」
学性トリオに学生カップル、偽賢者にマウント女子までディスりやがった。
でもダンサーさんは私を心配そうに見ている。バカにせずに。もしかしてめっちゃいい人?
そして、まだ判定をしていない女の子も心配そうに私を見て、しかもそっと背中に手を置いてくれた。
うわぁこの子もきっといい子だ。優しい顔立ちの若い子。
「うぉっほん、まぁハズレもたまにはあるだろう、次だ」
王様が仕切る。
女の子が手を上げて、進み出ると石に手を当てた。
名前 ***
ジョブ 氷魔法 ⭐︎3
スキル 言語理解
あちこちからため息が漏れた。またハズレか、と。
さっき鑑定で見たら、魔法の属性は火、水、風、土の順で評価が高い。その他の雷と氷は無属性とされ、評価が低いのだ。
学生君その1が可愛い女の子を擁護するべく
「でも氷魔法って珍しいし、⭐︎3だし?」
と言ったが、魔術師らしきおじさんに笑われた。
「そんなものスキルでいくらでもいる、ジョブで無属性など使えんわ」
そう、スキルにもあるから。ジョブで無属性が出るのはハズレ扱いなんだって。
「ははっ、ダッサ」
マウント女子が鼻で笑う。追随するように他の人も失笑した。でもダンサーさんと前髪君は笑わなかった。
今度は私がその握りしめて白くなった女の子の手をそっと握る。
するとマウント女子が
「無能同士慰め合い?素敵ね」
と鼻で笑った。
(マウントヤローと馴れ合うより遥かにいいわ!)
前髪君がぐふっ…と咳き込んだ。いや、ごめんて。ダンサーさんはまたしても前髪君を気遣って声を掛けた。いや、やっぱりめっちゃいい人やん!
最後に前髪君が石に触れる。もちろん、結果は私と同じ。
名前 ***
ジョブ ***
スキル ***、***、***
またみんなが固まった。そしてどこからかチッと舌打ちが聞こえだ。
「多大な労力で呼んだのに…使えんな、全く。⭐︎5はいなくて無職が4人とは」
どうやら無職とは⭐︎無しといわゆる非戦闘職と言われるジョブらしい。
いやー鑑定さんが優秀でね?分からないなぁとか知りたいと思ったら解説してくれるんだよ。
めっちゃ助かる。
「では、これからの事を話す」
私は自信なさげに手を上げた。
「あのー、少し休ませて貰えませんか?色々とショックで」
いかにも落ち込んでます風に話をする。何だ無職が、という顔をしたものの、学生君たちやマウント女子からも
「疲れたよな?」「なんかなー」「やっぱ休憩っしょ」「確かに疲れたな」「座りたいわ」「喉が乾いた」
と声が上がる。
流石に王様も来てもらってる体裁なので、これには頷いて部屋をぞろぞろと移動した。
大きな部屋でテーブルが5つ置いてある。私はあの女の子と手を繋いで移動して、同じテーブルに座った。前髪君もさり気なく私の隣に座り、ダンサーさんも前髪君の隣に座った。
他はカップルは2人で、学生君たちはマウント女子と同じテーブルだ。で、偽賢者は一番乗りで席に座ったけど誰も同じテーブルに来ないので学生君たちのテーブルに突進した。ある意味、凄いな?
その呟きを拾ったらしい前髪君がまた肩を震わせていた。
すぐに紅茶とお菓子が出て来た。
(精神に作用する薬入りのお菓子、美味しい紅茶)
ぐほっ…前髪君が吹いた。
「君、体調悪いのか?さっきからむせてるが」
「だ、大丈夫です、緊張して」
(紅茶は大丈夫だよーみんな、あ、こっち見ないでね?ハロー)
ぎょっとしたダンサーさんと女の子。
(えっと、⭐︎無し子だよー。お菓子は食べちゃダメだからね!)
それだけ言って紅茶を飲む。
「うん、美味しい…喉が乾いてたみたい」
(⭐︎無し子…はっ?)
(そうそう、えっと頭に直接話しかけてる。ダンサーさんと氷ちゃんは考えたら伝わるからね)
(氷ちゃん…)
(ダンサーさん…)
(今から音声を遮る結界を張るから、そしたら声出していいよ、よし、オッケー)
「おい、俺の名前は前髪君じゃない」
「いや、分かりやすくていいかな、と」
「ま、前髪君?」
「そう、石に触る前から色々とね」
「そんなに前から」
「まずね、荷物の中身を亜空間に移して」
「はっ?」「えっ?」
「お前は省略し過ぎだ」
「時間が無いから、頭でカバンの中身だけを収納って考えて。後で取られると思うから」
2人は慌てて独り言を言いながら目を瞑って
「「出来た!」」
私は頷く。
「後ね、お菓子には精神に作用する薬が入ってるから食べちゃダメだよ?」
「何で分かるんだ?」
「時間切れ…また後でね?結界解除するよ」
マウント女子が近づいて来たのだ。
「あら、このテーブルは使えないジョブで固まったのね?」
(おー、なんて定番のマウント…ちょっと新鮮かも)
前髪君が俯く。
「くすっ、あらぁ落ち込んじゃったかしら?まぁ仕方ないわよね?使えないんだから。本当のこと言ってごめんなさいね」
(あ、この子…性病持ってるわ。お股緩そう。マウント女子って長いし股緩さんって言おう)
ダンサーさんが俯き、肩を震わせている。
「ダンサー?笑えるわね。それとも裸で踊るのかしら?ストリッパーの間違い?」
(股緩さんに言われたく無いよね?)
ダンサーさんの肩がさらに小刻みに震える。優越感に浸った顔をした股緩さん。
さらに調子に乗って
「氷魔法?ジョブで?笑えるわ…ちょっと可愛いからって」
(可愛いは同感だよー、でも股緩さんと同じ意見ってのが嫌だなぁ)
氷ちゃんが俯く。手を顔に当ててやはり肩を震わせている。
さらに前髪君と私を見て
「それでも⭐︎があるだけマシよね?」
(はい、股緩さんよりマシです。あ…王子が来た)
「やぁ、レディ。良ければこんな無能同士どもは放置して僕と話をしないか?まぁ、君はキープしてもいいけどな?」
最後のは氷ちゃんに向けた言葉だ。
「まぁ、嬉しいわ…ぜひ。無能は放っておきましょう」
(あー、マジで性病移る5時間前だね…)
王子は少し残念そうに股緩さんと去って行った。
「ぐほぅっ…」
前髪君は笑上戸なの?堪え性が無いな。
(いや、誰のせいだよ!)
「前髪君、大丈夫?」
声を出して気が付いた。あれ?
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