表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/127

2.要らない子同盟

誤字報告ありがとうございます…

かなりはじめっからやらかしてましたね

 そんな会話をしていると、石の交換が終わった。


 社会人さんは以下

 名前 ***

 ジョブ ダンサー ⭐︎4

 スキル 言語理解



 みんなが固まった。その後に学生君トリオが吹き出した。

 学生カップルもくすくす笑い、偽賢者は一言ダッサと言い、マウント女子はサムッと言ってニヤニヤ笑った。

 社会人さんは顔を赤くして固まっている。

 王様たちはこれは使えんな、とあからさまに罵る。

 いや、勝手に呼んでおいてなんじゃそりゃ。


 そろそろ行こうかな?

 私は遠慮がちに手を上げた。私が先の方があの女の子も気楽だろうし、ダンサーさんも気持ちが楽になるだろう。なんせ⭐︎無しだから。


 私は石に手を置く


 名前 ***

 ジョブ ***

 スキル ***、***、***



 おぉー見事に全部*だよ、言語理解すら出ないんだ。これはいいんじゃない?何言われてるから分からないって顔したら。


 と考えていた私。するとどよめいた。もちろん、別の意味で。

「⭐︎無しだと?」「なんてことだ!」「あり得ない」

 などなどはこの国の人。

「⭐︎無しとかあんの?」「うわー可哀想」

「俺なら生きていけねー」「ハズレ過ぎ」

「ダッサ」「ぷぷっゲキサム」

 学性トリオに学生カップル、偽賢者にマウント女子までディスりやがった。

 でもダンサーさんは私を心配そうに見ている。バカにせずに。もしかしてめっちゃいい人?


 そして、まだ判定をしていない女の子も心配そうに私を見て、しかもそっと背中に手を置いてくれた。

 うわぁこの子もきっといい子だ。優しい顔立ちの若い子。


「うぉっほん、まぁハズレもたまにはあるだろう、次だ」

 王様が仕切る。


 女の子が手を上げて、進み出ると石に手を当てた。


 名前 ***

 ジョブ 氷魔法 ⭐︎3

 スキル 言語理解



 あちこちからため息が漏れた。またハズレか、と。

 さっき鑑定で見たら、魔法の属性は火、水、風、土の順で評価が高い。その他の雷と氷は無属性とされ、評価が低いのだ。


 学生君その1が可愛い女の子を擁護するべく

「でも氷魔法って珍しいし、⭐︎3だし?」

 と言ったが、魔術師らしきおじさんに笑われた。

「そんなものスキルでいくらでもいる、ジョブで無属性など使えんわ」

 そう、スキルにもあるから。ジョブで無属性が出るのはハズレ扱いなんだって。


「ははっ、ダッサ」

 マウント女子が鼻で笑う。追随するように他の人も失笑した。でもダンサーさんと前髪君は笑わなかった。

 今度は私がその握りしめて白くなった女の子の手をそっと握る。

 するとマウント女子が

「無能同士慰め合い?素敵ね」

 と鼻で笑った。


(マウントヤローと馴れ合うより遥かにいいわ!)

 前髪君がぐふっ…と咳き込んだ。いや、ごめんて。ダンサーさんはまたしても前髪君を気遣って声を掛けた。いや、やっぱりめっちゃいい人やん!


 最後に前髪君が石に触れる。もちろん、結果は私と同じ。


 名前 ***

 ジョブ ***

 スキル ***、***、***



 またみんなが固まった。そしてどこからかチッと舌打ちが聞こえだ。

「多大な労力で呼んだのに…使えんな、全く。⭐︎5はいなくて無職が4人とは」


 どうやら無職とは⭐︎無しといわゆる非戦闘職と言われるジョブらしい。

 いやー鑑定さんが優秀でね?分からないなぁとか知りたいと思ったら解説してくれるんだよ。

 めっちゃ助かる。


「では、これからの事を話す」

 私は自信なさげに手を上げた。

「あのー、少し休ませて貰えませんか?色々とショックで」

 いかにも落ち込んでます風に話をする。何だ無職が、という顔をしたものの、学生君たちやマウント女子からも

「疲れたよな?」「なんかなー」「やっぱ休憩っしょ」「確かに疲れたな」「座りたいわ」「喉が乾いた」

 と声が上がる。


 流石に王様も来てもらってる体裁なので、これには頷いて部屋をぞろぞろと移動した。

 大きな部屋でテーブルが5つ置いてある。私はあの女の子と手を繋いで移動して、同じテーブルに座った。前髪君もさり気なく私の隣に座り、ダンサーさんも前髪君の隣に座った。


 他はカップルは2人で、学生君たちはマウント女子と同じテーブルだ。で、偽賢者は一番乗りで席に座ったけど誰も同じテーブルに来ないので学生君たちのテーブルに突進した。ある意味、凄いな?

 その呟きを拾ったらしい前髪君がまた肩を震わせていた。


 すぐに紅茶とお菓子が出て来た。


(精神に作用する薬入りのお菓子、美味しい紅茶)

 ぐほっ…前髪君が吹いた。

「君、体調悪いのか?さっきからむせてるが」

「だ、大丈夫です、緊張して」

(紅茶は大丈夫だよーみんな、あ、こっち見ないでね?ハロー)

 ぎょっとしたダンサーさんと女の子。

(えっと、⭐︎無し子だよー。お菓子は食べちゃダメだからね!)


 それだけ言って紅茶を飲む。

「うん、美味しい…喉が乾いてたみたい」

(⭐︎無し子…はっ?)

(そうそう、えっと頭に直接話しかけてる。ダンサーさんと氷ちゃんは考えたら伝わるからね)

(氷ちゃん…)

(ダンサーさん…)


(今から音声を遮る結界を張るから、そしたら声出していいよ、よし、オッケー)

「おい、俺の名前は前髪君じゃない」

「いや、分かりやすくていいかな、と」

「ま、前髪君?」

「そう、石に触る前から色々とね」

「そんなに前から」

「まずね、荷物の中身を亜空間に移して」

「はっ?」「えっ?」

「お前は省略し過ぎだ」

「時間が無いから、頭でカバンの中身だけを収納って考えて。後で取られると思うから」


 2人は慌てて独り言を言いながら目を瞑って

「「出来た!」」

 私は頷く。

「後ね、お菓子には精神に作用する薬が入ってるから食べちゃダメだよ?」

「何で分かるんだ?」

「時間切れ…また後でね?結界解除するよ」


 マウント女子が近づいて来たのだ。

「あら、このテーブルは使えないジョブで固まったのね?」

(おー、なんて定番のマウント…ちょっと新鮮かも)

 前髪君が俯く。

「くすっ、あらぁ落ち込んじゃったかしら?まぁ仕方ないわよね?使えないんだから。本当のこと言ってごめんなさいね」

(あ、この子…性病持ってるわ。お股緩そう。マウント女子って長いし股緩さんって言おう)

 ダンサーさんが俯き、肩を震わせている。


「ダンサー?笑えるわね。それとも裸で踊るのかしら?ストリッパーの間違い?」

(股緩さんに言われたく無いよね?)

 ダンサーさんの肩がさらに小刻みに震える。優越感に浸った顔をした股緩さん。

 さらに調子に乗って

「氷魔法?ジョブで?笑えるわ…ちょっと可愛いからって」

(可愛いは同感だよー、でも股緩さんと同じ意見ってのが嫌だなぁ)

 氷ちゃんが俯く。手を顔に当ててやはり肩を震わせている。


 さらに前髪君と私を見て

「それでも⭐︎があるだけマシよね?」

(はい、股緩さんよりマシです。あ…王子が来た)


「やぁ、レディ。良ければこんな無能同士どもは放置して僕と話をしないか?まぁ、君はキープしてもいいけどな?」

 最後のは氷ちゃんに向けた言葉だ。

「まぁ、嬉しいわ…ぜひ。無能は放っておきましょう」

(あー、マジで性病移る5時間前だね…)

 王子は少し残念そうに股緩さんと去って行った。


「ぐほぅっ…」

 前髪君は笑上戸なの?堪え性が無いな。

(いや、誰のせいだよ!)

「前髪君、大丈夫?」

 声を出して気が付いた。あれ?




※読んでくださる皆さんにお願い※


面白い、続きが読みたいと思って貰えましたらいいね、やブックマーク、↓の☆から評価ををよろしくお願いします♪


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
言葉わからないふりやめたんだ、そういう方向転換ってあるよねと思いつつにこにこ読んでます。読みやすくて面白いです。
>時間切れ…また後でね?結果解除するよ 結果じゃなくて結界じゃ?
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ