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星なし転移者と仲間たち〜逃亡中〜  作者: 綾瀬 律
異世界転移?

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18/127

18.薬草採取は楽しい

転移3日目AM


うっかり2日も更新飛ばしましたm(_ _)m

今日は夜も投稿します…

 肩の上のラビがまたぷもんと鳴いた。可愛いんだけど?あ、私の気配にも引っかかる。

(敵だよー誰が殺る?)

(お前は、また変な漢字当てただろ?)

 レイキの突っ込みは今日もキレッキレだね!と頭を上げて頷くと頭を叩かれた。なぜだ。


 ブモーーー!

 来たねーオークかな?相変わらず醜悪な顔だよ。

 シュパン…、ドドーーン。

 へっ、誰?サナエは氷じゃないから違う。タツキは剣を抜いていないから違う。レイキは驚いてるから違う。もちろん私も違う。

 ぷもん…。えっ?肩を見る。鼻をぷもぷもしっぽをタンタンさせているラビちゃん。

(風魔法だよー頸動脈を切ったのー)

 頭を私の頬にすりすりしてる。可愛いけど、やってることはなかなかだね?

(ご主人の為にー頑張ったー)

 お鼻がぷもぷも…可愛い。


 よし、オークの討伐証明は魔石。よっほっはっと。取り出せた。遠隔操作だね。後は亜空間にしまって、皮とお肉と牙や爪などの素材といらない内臓に分ける。廃棄する分は土の中に転移させて終わり!匂いも散らしたよ。

 うん、やり切った。


「あーシエル、何やった?」

「私じゃないよ、ラビだよ。で、魔石は遠隔で取り出して亜空間に収納した」

「お前は一歩も動いてないな」

「省エネでしょ?」

「そういう事じゃない!なんで触らずに魔石を取り出せるんだ?」

「えーと、念じたから?」

「色々と省略しすぎだ。魔石だけ転移させたんだろう?」

「そう、さすがレイキだね!」

「「あーまぁシエルだし?」」

 なんだかなぁ。


「進むぞ?ネルネル草はまだ見つけてない」

 タツキの一言でまた進む。ネルネルネール、ネール草。どっこかなぁ。ぷもん。ん?らびちゃん何?後ろ脚で起き上がってお鼻をぷもぷもしてるよ。そして私の頬にすりんとして来た。

「こっちだってー」

「なんで分かるんだ?」

「ラビちゃんがね」

「なぁ、うさぎなのに魔法でオークを瞬殺か?」

「それね、びっくりした。なんかね、私のために頑張ったって。健気だよね?」

「それな…しかしチートだな」

「リリが本気ならオークくらい簡単そう」

「あ、うん。きっとそうだな。俺のリリだからな」


 何かのスイッチ入りましたかね?タツキさん。リリを熱い眼差しで見つめている。それはもう蕩けそうな?ダチョウに向けてるのが残念だけどね。

 リリも姫も元の大きさになっている。その迫力は流石だ。ぷもん…また何か来るかな?

 リリが軽やかに走って止まった。嘴で草をつつく。

「それがネルネル草か?」

「うん、間違いないね。リリは草も探せるの?凄い」

 肩のラビはすりすりしてくる。ん、分かってるよ。ラビも反応してたよね?よしよし、優秀だよ。

 耳の間をなでりなでり。


 リリが止まった付近にネルネル草があったので採取。終わったね?早かった。

 ふと、目線を流すとあれ?もしかして…少しだけ奥に歩いて行く。

 あ、やっぱり。ふふふっ、振り返って

「見つけたから取るよー」

 ザシュッ終わり。

「これは、コショウか?」

「うん、コショウの粒だね。半分は残したから」

「なら良かった」


 ぷもん、ラビに続き姫がブモウー、リリもガウガウ。群れっぽい。

「どうやら当たりみたいだな」

 タツキが呟いて腰の剣を抜く。

「陣形を組め!」

 すかさずタツキの後方に私、私から少し離れた所にレイキとサナエが構えた。

 ドドドド。バキバキと枝が折れる音も聞こえる。リリはタツキから離れた右側、姫は王子を挟んでレイキの左にいる。

 ルーの魔力が後衛の2人のさらに後ろに展開された。まさに蜘蛛の糸だ。


 見えた!オークの群れだ。美味しいお肉が走ってくる。

(お前なぁ緊張感持てよ!)

(あ、ごめんつい)

 タツキが剣を奮う。凄い、なんてきれいな剣捌き。流れるように踊るようにオークを倒して行く。抜けてきたオークは私も剣で首をきる。死角はラビが補ってくれた。横から来るオークはサナエとレイキが仕留める。けっこうな群れ?20くらいか。すると奥から大きな個体が来た。

 オークジェネラルかな?タツキは全く怯む事なく瞬殺した。流れるような剣はそのままに。

 ダンサーって凄いな。戦闘が落ち着いたのでタツキの剣に見とれた。


「ふう、終わったか」

「うんお疲れータツキ凄いね?カッコというか、きれいだったよ」

「あぁ、凄まじいな」

「踊るみたいに優雅だったわ」

 タツキは赤くなってでも嬉しそうに笑う。

「俺はこれしか出来ないからな」

 謙遜を。リーダーとしてパーティーをいつも引っ張ってくれてるのにね。

「だからお前は!聞こえてんだよ」

「ふふふっ」

「タツキがいてくれたら凄く安心だよ、色々と。ありがとう」

 サナエの賛辞にタツキはさらに真っ赤に。

「取り敢えず、コイツらなんとかしようぜ!」

「私がやるよー」

「俺も半分やる!」

 レイキと2人で魔石の取り出して亜空間に収納をした。

 血やら匂いはなんと、姫がきれいにしてくれた。

 お乳を飛ばして。斬新だね?匂いの上書き。


「肉も手に入ったし、薬草採取も出来たから帰るか」

「うん」

「なぁ、オークの群れの討伐、ギルドに何て言うよ?」

「素直に言うしか無いだろう」

「ジェネラルと数体だけ報告する?」

「そうだな、従魔が頑張ったって事ならなんとか誤魔化せるか」

「黙ってるのもね?」

 そんな会話をしながら帰りも手繋ぎ歩行の練習をした。レイキとサナエ、タツキと私。タツキは暴れ馬か?こうして歩くと良く分かる。

 魔法操作はレイキがとても上手だ。


「この練習、タツキとサナエでやった方がいいな」

「そうだな、お前たちはもう練習要らないだろう」

「うん、頑張って」

 帰りは早かった。西門が見えてきたよ。ここでタツキが私の手を握る。

 ギルドカードを見せると門番さんから伝言があった。

「冒険者ギルドから呼び出しだ」

 護衛かな?

「どうする?先に行くか」

「そうだね、後の予定にも関係するし」

 時間は11時、先に用事を済ませてお昼だね。


 冒険者ギルドは閑散としていた。まずは採取依頼と討伐依頼達成の報告。そこ際にタツキがオークの群れに襲われた事を告げる。

 何やら話をしていたけど、討伐部位を見せて職員が頷いた。

 報酬が支払われている。なんとかなったかな。

「オークの討伐は1体魔石込みで5000ガロン、ジェネラルは15000ガロンだった。ゴブリンは1体500ガロン、薬草はネルネル草が1500、ペンペン草が2000だ」

「薬草は200束だったよね?安いなー」

「ゴブリンとか全く金にならないな、魔石も小さいし」

「あぁ、売るなら100単位で100ガロンだ」

「それは無いな」

(あ、実はもうね。チャージが魔石で出来るんだよ。で、なんとゴブリンの魔石1個で50ガロン)

(マジか…そりゃチャージの方がいいな)

(確かウタマル石けんが原価50ガロンだよね?)

(それがギルドで売れば400、ゴブリンは見つけたら狩るのが冒険者の役割だ。積極的に狩るぞ)

(((おぉ〜)))


「蒼の氷柱?」

「インクリスが呼び出したの?」

「そうよ、例の護衛ね、紹介したいパーティーがいるの」

「女性がいるのよね?」

「あ、会えば分かるわ」

「女性はいるの?」

「…」

「いないなら時間の無駄。頼まないから。帰ろう!」

「わざわざ呼び出して依頼と違うパーティーの紹介とか意味不明ー」

「だな、会う必要は無いな、帰るぞ」

「ま、待って…会えばきっと気にいるから」


 行手を塞ぐように男性5人が立っている。

「へー女子が2人もいるんだ?いいねー」

「受けてやるよ!」

「任せろよ」

「色々と教えてやるよ!ヤローは要らねえけどな」

「楽しめそうだな」

 これのどこが会って気にいるんだ?インクリスを見る。笑顔だ。大丈夫か、この人。


 ここは私の演技力に期待だ。

「お兄ちゃん怖いよーこの人たち、なんか気持ち悪い…」

 声を震わせてタツキに抱き付く。タツキは私を腕に庇うとヤツラを睨む。ヤツラはたいして強そうでも無いチャラい男だった。ないわー、ないわー。自分より弱いとかないわー。

「ぐふっ…」

 レイキ、笑うなよー。サナエも肩を震わせている。笑ってるな、きっと。

 彼らがこちらに近づこうとして姫が

「ブモーーーー!」

 ヤツラに突進した。ちゃんと前脚をかいてためを作ってだよ?

 ドン、ダン、バンバンバン…。奴らはあっけなく倒れ伏した。ちなみにミニサイズ(約1m)の。


 思わず

「弱っ…」

 声が出てしまった。サナエも

「ないわー」

 と呟く。

「弱いな、護衛要らなくね?」

「このレベルなら護衛は要らんな」

「中堅って弱いの?お兄ちゃん」

 タツキの手を引いて無邪気に聞く私。

「ぐはっ…」

(だから邪気しかねーよ)

(シエル…ふふっ最高よ)

 褒められたー。ドヤ顔でタツキを見る。呆れられたよ、おかしいな。


「お嬢ちゃん、ソイツらを中堅の基準にして欲しくないぞ」

 少し前から扉の前で成り行きを見ていたお兄さんだ。強そう。強面だけど強そう。筋肉ましまし、めっちゃ好みです。




※読んでくださる皆さんにお願い※


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