18.薬草採取は楽しい
転移3日目AM
うっかり2日も更新飛ばしましたm(_ _)m
今日は夜も投稿します…
肩の上のラビがまたぷもんと鳴いた。可愛いんだけど?あ、私の気配にも引っかかる。
(敵だよー誰が殺る?)
(お前は、また変な漢字当てただろ?)
レイキの突っ込みは今日もキレッキレだね!と頭を上げて頷くと頭を叩かれた。なぜだ。
ブモーーー!
来たねーオークかな?相変わらず醜悪な顔だよ。
シュパン…、ドドーーン。
へっ、誰?サナエは氷じゃないから違う。タツキは剣を抜いていないから違う。レイキは驚いてるから違う。もちろん私も違う。
ぷもん…。えっ?肩を見る。鼻をぷもぷもしっぽをタンタンさせているラビちゃん。
(風魔法だよー頸動脈を切ったのー)
頭を私の頬にすりすりしてる。可愛いけど、やってることはなかなかだね?
(ご主人の為にー頑張ったー)
お鼻がぷもぷも…可愛い。
よし、オークの討伐証明は魔石。よっほっはっと。取り出せた。遠隔操作だね。後は亜空間にしまって、皮とお肉と牙や爪などの素材といらない内臓に分ける。廃棄する分は土の中に転移させて終わり!匂いも散らしたよ。
うん、やり切った。
「あーシエル、何やった?」
「私じゃないよ、ラビだよ。で、魔石は遠隔で取り出して亜空間に収納した」
「お前は一歩も動いてないな」
「省エネでしょ?」
「そういう事じゃない!なんで触らずに魔石を取り出せるんだ?」
「えーと、念じたから?」
「色々と省略しすぎだ。魔石だけ転移させたんだろう?」
「そう、さすがレイキだね!」
「「あーまぁシエルだし?」」
なんだかなぁ。
「進むぞ?ネルネル草はまだ見つけてない」
タツキの一言でまた進む。ネルネルネール、ネール草。どっこかなぁ。ぷもん。ん?らびちゃん何?後ろ脚で起き上がってお鼻をぷもぷもしてるよ。そして私の頬にすりんとして来た。
「こっちだってー」
「なんで分かるんだ?」
「ラビちゃんがね」
「なぁ、うさぎなのに魔法でオークを瞬殺か?」
「それね、びっくりした。なんかね、私のために頑張ったって。健気だよね?」
「それな…しかしチートだな」
「リリが本気ならオークくらい簡単そう」
「あ、うん。きっとそうだな。俺のリリだからな」
何かのスイッチ入りましたかね?タツキさん。リリを熱い眼差しで見つめている。それはもう蕩けそうな?ダチョウに向けてるのが残念だけどね。
リリも姫も元の大きさになっている。その迫力は流石だ。ぷもん…また何か来るかな?
リリが軽やかに走って止まった。嘴で草をつつく。
「それがネルネル草か?」
「うん、間違いないね。リリは草も探せるの?凄い」
肩のラビはすりすりしてくる。ん、分かってるよ。ラビも反応してたよね?よしよし、優秀だよ。
耳の間をなでりなでり。
リリが止まった付近にネルネル草があったので採取。終わったね?早かった。
ふと、目線を流すとあれ?もしかして…少しだけ奥に歩いて行く。
あ、やっぱり。ふふふっ、振り返って
「見つけたから取るよー」
ザシュッ終わり。
「これは、コショウか?」
「うん、コショウの粒だね。半分は残したから」
「なら良かった」
ぷもん、ラビに続き姫がブモウー、リリもガウガウ。群れっぽい。
「どうやら当たりみたいだな」
タツキが呟いて腰の剣を抜く。
「陣形を組め!」
すかさずタツキの後方に私、私から少し離れた所にレイキとサナエが構えた。
ドドドド。バキバキと枝が折れる音も聞こえる。リリはタツキから離れた右側、姫は王子を挟んでレイキの左にいる。
ルーの魔力が後衛の2人のさらに後ろに展開された。まさに蜘蛛の糸だ。
見えた!オークの群れだ。美味しいお肉が走ってくる。
(お前なぁ緊張感持てよ!)
(あ、ごめんつい)
タツキが剣を奮う。凄い、なんてきれいな剣捌き。流れるように踊るようにオークを倒して行く。抜けてきたオークは私も剣で首をきる。死角はラビが補ってくれた。横から来るオークはサナエとレイキが仕留める。けっこうな群れ?20くらいか。すると奥から大きな個体が来た。
オークジェネラルかな?タツキは全く怯む事なく瞬殺した。流れるような剣はそのままに。
ダンサーって凄いな。戦闘が落ち着いたのでタツキの剣に見とれた。
「ふう、終わったか」
「うんお疲れータツキ凄いね?カッコというか、きれいだったよ」
「あぁ、凄まじいな」
「踊るみたいに優雅だったわ」
タツキは赤くなってでも嬉しそうに笑う。
「俺はこれしか出来ないからな」
謙遜を。リーダーとしてパーティーをいつも引っ張ってくれてるのにね。
「だからお前は!聞こえてんだよ」
「ふふふっ」
「タツキがいてくれたら凄く安心だよ、色々と。ありがとう」
サナエの賛辞にタツキはさらに真っ赤に。
「取り敢えず、コイツらなんとかしようぜ!」
「私がやるよー」
「俺も半分やる!」
レイキと2人で魔石の取り出して亜空間に収納をした。
血やら匂いはなんと、姫がきれいにしてくれた。
お乳を飛ばして。斬新だね?匂いの上書き。
「肉も手に入ったし、薬草採取も出来たから帰るか」
「うん」
「なぁ、オークの群れの討伐、ギルドに何て言うよ?」
「素直に言うしか無いだろう」
「ジェネラルと数体だけ報告する?」
「そうだな、従魔が頑張ったって事ならなんとか誤魔化せるか」
「黙ってるのもね?」
そんな会話をしながら帰りも手繋ぎ歩行の練習をした。レイキとサナエ、タツキと私。タツキは暴れ馬か?こうして歩くと良く分かる。
魔法操作はレイキがとても上手だ。
「この練習、タツキとサナエでやった方がいいな」
「そうだな、お前たちはもう練習要らないだろう」
「うん、頑張って」
帰りは早かった。西門が見えてきたよ。ここでタツキが私の手を握る。
ギルドカードを見せると門番さんから伝言があった。
「冒険者ギルドから呼び出しだ」
護衛かな?
「どうする?先に行くか」
「そうだね、後の予定にも関係するし」
時間は11時、先に用事を済ませてお昼だね。
冒険者ギルドは閑散としていた。まずは採取依頼と討伐依頼達成の報告。そこ際にタツキがオークの群れに襲われた事を告げる。
何やら話をしていたけど、討伐部位を見せて職員が頷いた。
報酬が支払われている。なんとかなったかな。
「オークの討伐は1体魔石込みで5000ガロン、ジェネラルは15000ガロンだった。ゴブリンは1体500ガロン、薬草はネルネル草が1500、ペンペン草が2000だ」
「薬草は200束だったよね?安いなー」
「ゴブリンとか全く金にならないな、魔石も小さいし」
「あぁ、売るなら100単位で100ガロンだ」
「それは無いな」
(あ、実はもうね。チャージが魔石で出来るんだよ。で、なんとゴブリンの魔石1個で50ガロン)
(マジか…そりゃチャージの方がいいな)
(確かウタマル石けんが原価50ガロンだよね?)
(それがギルドで売れば400、ゴブリンは見つけたら狩るのが冒険者の役割だ。積極的に狩るぞ)
(((おぉ〜)))
「蒼の氷柱?」
「インクリスが呼び出したの?」
「そうよ、例の護衛ね、紹介したいパーティーがいるの」
「女性がいるのよね?」
「あ、会えば分かるわ」
「女性はいるの?」
「…」
「いないなら時間の無駄。頼まないから。帰ろう!」
「わざわざ呼び出して依頼と違うパーティーの紹介とか意味不明ー」
「だな、会う必要は無いな、帰るぞ」
「ま、待って…会えばきっと気にいるから」
行手を塞ぐように男性5人が立っている。
「へー女子が2人もいるんだ?いいねー」
「受けてやるよ!」
「任せろよ」
「色々と教えてやるよ!ヤローは要らねえけどな」
「楽しめそうだな」
これのどこが会って気にいるんだ?インクリスを見る。笑顔だ。大丈夫か、この人。
ここは私の演技力に期待だ。
「お兄ちゃん怖いよーこの人たち、なんか気持ち悪い…」
声を震わせてタツキに抱き付く。タツキは私を腕に庇うとヤツラを睨む。ヤツラはたいして強そうでも無いチャラい男だった。ないわー、ないわー。自分より弱いとかないわー。
「ぐふっ…」
レイキ、笑うなよー。サナエも肩を震わせている。笑ってるな、きっと。
彼らがこちらに近づこうとして姫が
「ブモーーーー!」
ヤツラに突進した。ちゃんと前脚をかいてためを作ってだよ?
ドン、ダン、バンバンバン…。奴らはあっけなく倒れ伏した。ちなみにミニサイズ(約1m)の。
思わず
「弱っ…」
声が出てしまった。サナエも
「ないわー」
と呟く。
「弱いな、護衛要らなくね?」
「このレベルなら護衛は要らんな」
「中堅って弱いの?お兄ちゃん」
タツキの手を引いて無邪気に聞く私。
「ぐはっ…」
(だから邪気しかねーよ)
(シエル…ふふっ最高よ)
褒められたー。ドヤ顔でタツキを見る。呆れられたよ、おかしいな。
「お嬢ちゃん、ソイツらを中堅の基準にして欲しくないぞ」
少し前から扉の前で成り行きを見ていたお兄さんだ。強そう。強面だけど強そう。筋肉ましまし、めっちゃ好みです。
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