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星なし転移者と仲間たち〜逃亡中〜  作者: 綾瀬 律
異世界転移?

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17.討伐依頼もついでに受けとく?

 少し歩いた先で立ち止まる。

「凄かったな」

「凄いね?」

「魔鳥の卵って貴重なんだな」

「魔牛の牛乳もな」

「うん、使ったお金の分はだいぶ取り戻せたね?」

「あぁ、ただずっと続けられるわけじゃないからな、やっぱり冒険者で稼がないとな」

「そうだね」

「ねぇ冒険者ギルドに寄ってオークとゴブリンの討伐依頼受けよう」

「単体のだな?」

「うん、薬草を取りに行く森に群れがいるみたい」

「群れだと討伐依頼はCランクからだろ?」

「だから単体で討伐する」

「ま、いいか」


 隣の隣の建物に入る。右側の掲示板を見てゴブリンとオークの討伐依頼を受けた。

 さてと、では行きましょうか。

 今朝の事があるからか、タツキはしっかりと私の手を握っている。時々、こちらを見て確認するほど。まあね、攫われやすいとまで言われたらね。

 今日は西門から出た。ここから北西の方向に歩いて行く。もちろん、魔法の練習をしながらだよ。


 ちなみに今日は姫と王子、リリは宿でお留守番してて、ギルドで依頼を受けてから、宿に戻って一緒に出発だ。私のラビとルーはそれぞれ私はたちの肩に乗ってる。

 風魔法で歩く練習。

 サナエとタツキはなんていうか…飛んでるよね?

「ぶくっ、お前ら普通に歩けよ?飛んでるぞ」

 レイキが突っ込む。そう、不自然過ぎる。

「でもな、なかなかこれが難しい」

「うん、ついスキップしちゃうよ」

 魔法を使うことを意識しすぎでは?

「うん、魔法を使うと意識しすぎないでな、えっとな歩く延長?」

「レイキが言ってる通りで、まず普通に歩いてみて」

 ぐはっ…レイキが崩れ落ちた。確かにこれは無いわ。歩き方まで変になってる。あ、待って…腹筋がヤバい。くすっ、ふぅ、いや待って…ぐふっ。レイキと2人でお腹を抱えて笑った。

「おい、笑い過ぎだろ」

「そうよ、酷いわ…」


 拗ねた2人が可愛いねー。

 微妙な顔でタツキとサナエが真っ赤になる。

「「だから聞こえてる」んだよ!」

 だってね?ふふふっ、

 さて、気を取り直して

「タツキとサナエ、手を繋ごう」

 2人はそれぞれ両側から私の手を握る。そのまま歩く。ごく普通に。歩きながら私は風魔法で体を僅かに浮かせる。

「魔法で浮かせてみて…私の手を待ったままね?」

 歩きながらごく自然にね?サナエが先に出来た。すきをすることなく少しだけ体を軽くしている。

 そのまままだ手を繋いで歩く。タツキもやがて出来た。まだ心許ないけど、練習あるのみだね。


「出来たね!じゃあ手を離すよー。2人で手を繋いで練習しなよ」

 お互いに顔を見合わせて恥ずかしそうに手を繋いで練習再会。まぁね、絵面的に若い男女が手を繋ぐ。恋人みたいよね?ふふっ眼福眼福。

「だから、お前は!聞こえてんだよ!!」

 レイキとふふっと笑い合った。

「せっかくだし俺はたちも手を繋ぐか?」

「自然に歩く練習になるもんねー」

 そう、手を繋いで魔法を展開するとどれだけ自然に歩きながら魔法を展開出来るのかが分かる。1人だと多少浮いてても気が付かない。


 レイキと手を繋いで歩く。それぞれ別に魔法を発動してるからリズムが違って変な感じだったけど、だんだん馴染んできた。どちらからともなく軽く走り出す。

 うん、大丈夫だね。

「これって練習にいいな」

「うん、意外な発見。人を変えてそれぞれやってみようよ」

「おう!」

 後ろからタツキとサナエが真剣な顔で手を繋いで歩いてくる。なんだか…ふふっ。隣でレイキもぐはっと笑った。

「お前ら顔が怖いぞ?」

「スマイルスマイル!」


 2人で顔を見合わせて顔を赤らめた。何だか別れ話をきりだす5分前みたいな顔だったよ。

「ち、違う!」

「まだ付き合ってないよ」

「「えっ…?」」

「えっ?」

 サナエに視線が集中する。

「ち、違うの。その…えぇー…」

 なんかテンパってる?

「大丈夫だよ、サナエ。ステイね?」

「う、うん」

 好意があるのは確かだろうけど、多分、恋愛的な意味では無いと思う。オロオロしてる2人が何だか新鮮だ。


「なぁ、これ人によってリズム?魔法のな、が違うから人を変えて練習しようぜ」

「そうだな…」

 ということで、森まではまだ少し距離があるから私とサナエ、レイキとタツキで練習再会。

 背の高い男性同志が手繋ぎデート、眼福です。はい、ご馳走様。思わず片手で拝んじゃったよ。

 あ、聞こえてる?タツキとレイキの耳が赤い。うふっ可愛いね?

 振り向いたタツキに睨まれた。ありゃ?照れちゃって。

「ふふっシエルにかかるとタツキも可愛いなのね?」

「まぁねー体は若返ってもおばさんの根性は残るし。でもね、体に引きずられてるのか。手を繋がれても嫌じゃない。年齢的には手を繋がれるってもうおばあちゃんな気分になるはずなんだけどね」

「えぇーそうなの?まぁ確かに私も10代の思考に戻ってる気がする。朝みたいに泣いちゃうとかね」

「まぁやっぱり仕方ないんだろうね」


 サナエはいつの間にかごく自然に魔法を使えている。

「どう?歩くのはかなり楽になった?」

「え、あっ…話してたから無意識だった。そうだね、大丈夫そう」

「話しながらってのも練習にはいいよね?」

「ほんとね?シエルは凄いなぁ」

「うーん、私1人では出来ることなんてしれてる。やっぱり仲間がいてこそ、じゃない?」

「ふふっそうね!」

 そこからは2人で知ってる歌を口ずさみながら手を振って歩いて行った。

 森についたね。ちなみに前の男性陣も何やら話をしながら歩いていて、ごく自然と魔法を使えていた。しかも楽しそうに談笑している。良き良き。


「着いたぞ?」

「うん、ここからは薬草を探しながらね」

「俺らには分からないからな」

「あーそれな。鑑定は後から生えないスキルだけど、下位互換の真眼はスキルとして後からでも生えるんだって」

「鑑定とは違うの?」

「あー、俺らの鑑定が一般的かは分からないがな。違う。知りたいことをあちらから答えてくれる。目で見なくても、だな。多分、真眼は見たものしか分からない。それと精度だろうな」

「でもあったら見て分かるんだから便利だよな?」

「えっと、例えば草を見て〇〇草って分かったとして、特徴は…とか考える癖を付けると比較的生えやすいって」

「やってみるしかないな!」

「頑張ってみるよ」


「んじゃ一応、鑑定持ちのシエルと俺が前でレイキとサナエが後ろな」

 こうして森に入って行く。静かだな。まぁオークの集落があるから、採取とかしている低ランクのパーティーは入らないんだろう。

 後ろからレイキが

「ペンペン草だ」

 私はタツキの右側を歩いていて気が付かなかった。左手にペンペン草が生えている。

「これは根っこから採取だな」

 各自散らばって採取完了。


 肩の上のラビがぷもんと鳴く。

(何か来る…)

 しばらく待つとガサガサっと音がして見た瞬間に首から氷の氷柱が生えていた。早っめっちゃ早!

「あ、目があったらニタッ笑われてつい」

 あーそれは仕方無い。

「殺っちゃった」

 今のやったは殺ったかね?サナエさん。


 サナエはゴブリンに嫌そうに近づくと耳を短剣で切り取って小さな魔石を取り出した。

 魔物は胸の中程に魔石がある。ゴブリンのは緑色の小指ほどしかない小さな魔石。思ったよりきれいだ。

 実はチャージには魔石も使える。だからコツコツと貯めようと決めた。さらに単独討伐の場合は討伐者が討伐部位と魔石を回収する。死体の処理もだ。それはパーティーとして決めた。

「サナエ、火魔法使ってみろ。練習にいいぞ?」

「うん」

 サナエがゴブリンを焼く…ボォーーー。バーナーかな?こんがり焼けた。いやいや、肉じゃないし、こんがりいる?

 サナエは涙目だ。レイキが笑いながらゴブリンを土に埋めた。


「サナエは出力の練習だな」

 うん、まぁ出ないよりよっぽどいいよね。戦力としては期待出来る。うんうん。1人で頷いていたらサナエに抱きつかれた。ぽよん…ご馳走様です。


(サナエ様、僭越ながらわたくしめがお手伝いします)


 えっ…ルーちゃんそんな事出来るの?

 サナエの肩を見ると明らかなドヤ顔のルーがいた。胸に手を、いや足を当てている。

 ルー、呟いてサナエは頬ずりした。毒蜘蛛みたいなルーに。チャレンジャーだね?




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