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星なし転移者と仲間たち〜逃亡中〜  作者: 綾瀬 律
獣人の国ヤールカ

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122.ウルグ・レイでの日々とそれから

 シビルレイでの水龍事件で有名になったのはサナエだけじゃない。そう、シェリルだ。有名な魔女というだけではなく、その美貌も相まって人気は鰻登りだ。

 婚約者がいるからと、求婚は断っていたけどね。サナエと違って男性からも女性からも熱烈に求婚されていた。

 美人だからね?

 で、魔女の作る薬は大人気。元々、上客をたくさん抱えていたからお金も生活も困ってなかった。そこに火が付いた。

 と言っても誰もが魔女に仕事を頼めるわけじゃなく、もちろん薬も然り。


 でもシェリルは私のそばを離れなかった。

 だから一緒に薬を使ったらいいのでは?と思ったんだ。

「シェリル、あの魔法書を売って欲しい」

 資金は余裕があるし、何より買わなきゃならない。

「あげるよ…」

「それはダメ!シェリルが作ったんでしょ?ちゃんと対価は貰わないと」

「なら水龍の涙で…」


 シェリルの頬を手で挟んで目を見つめる。

「なら魔法書を売ったお金で買って?」

 神妙に頷いた。今や大人気の魔女であるシェリル。でも私から離れたくないからと新規の仕事は殆ど受けていない。

 だからこそ、その価値はまた上がる。あの守護の腕輪なんて今や値段が付けられないほど。

 サッシュの魔力紋も。だから、ちゃんとお金を払いたい。主に私の精神的な問題で。


 そうして魔法書を買って、マウイと共に薬作りの手解きを受けた。なぜかスイも参加してたよ?

 で、当たり前だけどスイがダントツで筋が良かった。さすが水龍の知識。魔法操作もお手のものだ。

 私は器用貧乏なので、なんとなくはこなせる。でもやっぱり上手くなりたいから。頑張って作った。試作品は全てタフとレイキ、マンティのお腹に収まったよ!

 青白い顔をしてたとかは知らないかな。

 で、それなりに薬の腕前が上がった。魔女の薬とは別で魔女の弟子の薬として販売したら、こちらも順調に売れた。

 私と作業出来るからか、シェリルも薬を作る。好循環でウルグ・レイまで辿り着いた。  

 ここでも薬を作るのと、薬草採取に精を出している。


 私は新たに魔魚のアクセサリーを作った。それはこの町で販売して欲しいと頼まれて、ロアさんお勧めの商会で売ってもらうことにした。これが大ヒット。きれいだからね!

 で、真珠の指輪も販売したらいつの間にか

「幸せの白いパール」

 としてウルグ・レイの特産品になった。

 アクセサリーを売っている店で、サナエ作のアイスクリームも販売が決まった。そしてこれがまたバカ売れする。暑い鍛治の町で、アイスクリーム。良き、だね。


 タツキはレイキと鉱山に入って鉱物の採取をしている。レイキには鍛治の妖精が見えるから、高品質な鉱物を見つけられる。で、タツキは双剣で鉱物を切る。ノミとハンマーが無くても。さすがダンサー。切れないものはないってね。

 で、易々と見つけるし空間拡張カバンに詰めるから重くないしタツキは踊ってるだけ(切ってるだけ)で鉱物はガンガン取れるし。で荒稼ぎしていた。


 タフ?基本は私の監視、もとい護衛。でもシェリルやスイと何かを作ってる時間が長いから、昼間は外に出てる。マンティと近くに討伐に行ってるみたいだ。

 タフはタフで荒稼ぎをしてるみたい。

 夜になると

「シーちゃん…おいで!」

 呼び捨てにしたのは一瞬で、元に戻った。

 まぁ呼び方がどうであれ、タフにとって私は家族なんだろう。それが心地良いんだけどね。


 バーキンは水を得た魚のように生き生きしている。不規則に工房に出入りして、帰って来るとレイキを拉致って仲良くして、また工房に行く。

 もう2人の仲は公認だ。だってね、バーキンは所構わずレイキにしがみ付くから。それはもう見てる方が恥ずかしくなるくらい。

 とは言え、そこは絶倫な鍛治師。タフや他の人とも適度に発散してるみたいだ。


 それはシェリルも同じ。有名になるとそれだけ大変。だからタフと時々仲良くしている。

 今までどうしてたのかと聞けば、マウイが手伝っていたって。実の弟だけど、魔女の弟子はそっちの世話もするらしい。そもそも、魔力が多い人とじゃないと相手の負担が大きいとかで。

 魔女の弟子は魔力の多さで決まるから。マウイにとっても自然なことで忌避感は無いそうだ。


 目指していた帝国は後少し。

 沢山の人と出会ったマイヤーからヤールカ。そしてウルグ・レイを出たらいよいよ帝国だ。

 賑やかになった。最初は4人。使い潰されずに生きる為、王宮を飛び出て約4ヶ月。

 出会いと別れと、衝撃の事実と。

 振り返ればなんて濃い時間だろうか。そして本当に遠くに来たな、と思う。


 私と同じ運命を背負ったレイキ、私たちの頼れるリーダーだけど惚れっぽいタツキ、ふわふわしたぽよんなサナエ。最早その絆は疑うべくも無いタフ、そして私たちの生の鍵を握るバーキン。私と結婚する事を諦めないシェリルにマウイ。そして水龍の記憶と能力を秘めたスイ。

 スイと私の子であるスイラン。

 あーちゃんにラビ、マンティ。マーブルたちスライムと師匠とヒナたち。

 もちろん、リリに姫と王子、ルーもいる。

 半年後、一年後…私たちは何をしてるだろう。今は怖さよりワクワクが優っている。


 私たちは未だに逃亡中。

 先のことは分からないけど、せっかく若返ったんだから楽しもう!逃亡上等!!


 そう、だって人生という名の旅はまだまだ続くのだから。



シエルとシェリル


挿絵(By みてみん)


生成AIで作ったイラストを生成AIで合成してます…難しい


本編完結となります…

ここまでお読みくださりありがとうございます!

最後にエピローグを入れて終わりとなります



*読んでくださる皆さんにお願いです*


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