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星なし転移者と仲間たち〜逃亡中〜  作者: 綾瀬 律
異世界転移?

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11/127

11.魔獣をやっつけよう

予約忘れてました…

 また進んで行く。左かな?

「レイキ、左の方。よろしくね!」

「おう!」

 レイキを先頭に左に少し進む。

 するとガサガサって音がして、ゴブリンが出て来た。3体だね、頑張ってー。

 レイキは慌てて剣を出すけど遅いよ?目の前にはゴブリンがいる。棍棒が頭に振り下ろされる。咄嗟に下がってやっと剣を構えた。

 私の隣でタツキは剣を構えている。後ろではサナエが魔力を高めている。

 私?何もしてないよ。大丈夫、即死以外なら回復するから。


(お前な…)

 レイキが慌てた状態から復活。冷静に棍棒を避けて剣をふるう。ちゃんと火魔法を剣に纏わせてる。器用だなーレイキは。

 続いて2体が走ってくる。1体は剣で、後ろのは魔法で焼いていた。

 焦げ臭いよ。結界で覆って風魔法で散らした。


「お疲れ、3体とはな。でも良く立て直した」

「おい、分かってたのか?」

「3体?もちろん!」

「はぁ、先に教えてくれ」

「練習にならないでしょ?魔物を感知する練習も兼ねてるんだから」

「それはまぁ…」

「でも、凄かった。最後は魔法だよね?」

 サナエが褒めると嬉しそうだな。

「レイキは無理に剣を使わなくてもいいよ、だって創造があるんだよ?」

「えっ?」


「心臓に石を生やしたり血管を千切ったり、顔に袋を作って空気を抜いたり、それこそなんでもあり」

 想像したのかレイキがうぇーと言う。

「そりぁエゲツナイな。さすが⭐︎6」

「まぁカモフラージュで剣も使えた方がいいけどね」

「そうだな、たとえば大規模な群れとかに囲われたりしたら、俺が広範囲に攻撃を仕掛けたらいいよな」

「そうそう、可能性は無限大だよ」

「色々と考えるわ」

 ゴブリンたちはやっぱり土に埋めた。放置はダメなんだってさ。魔法通信さんが言ってたよ。


「あ、あの…次は私が!」

 サナエが手を上げる。よし、私に任せて。一匹の見つけるよ!

「お前、態度違いすぎだろ?」

「だってサナエがだよ?あんな汚いのを当てたくない」

「俺はいいのか!」

「ヤローはなんでも良き」

 ガックリと項垂れたよ。レイキが、何で?優しくして欲しいのかな?

「違うわ!」

 そうなの?じゃあスパルタで。


 元に戻ってもう少し先に進む。うん、一匹だね。

 振り返ってサナエを見る。

「いける?」

「うん!」

 私とタツキが横に避ける。すると奥からブモーっと聞こえた。

 デカいな。それは猪と豚と人間を足して3で割ったような生き物、多分オークだ。

 身長は2mくらいで、大柄。醜悪な顔。うげっこれは嫌だ。

 サナエは顔を引きつらせながら魔法を飛ばす。

 ドスッバス、スダン…。サナエ、威力凄いね?首から氷柱が生えてるよ?


「うわぁ」

「マジか」

 男性陣もドン引きだね、これはまた。確かオークって魔法耐性があって皮も丈夫だったと思う。

 それが氷柱の一撃で倒れたよ。素材も傷つかないしお財布に優しいね?

「ぐふっ、財布に優しいってお前…相変わらず斜め上だな」

「えへへ」

「いや、褒めてない」

 あら?まぁいいけど。

「いいのかよ!」

 レイキの突っ込みがキレッキレだね。

「だから誰のせいだよ…」


「わ、私…殺れる?」

「うん、殺れる」

「また変な字充ててないよな?サナエまで」

「しかし、氷魔法も凄い威力だな」

「一瞬で首から氷柱生えたもんねー」

「あぁ、ためがなかった。発動が早いよな?」

「え、そう?だってキモかったから、瞬殺しようって思ったの」

 首を傾げて手を頬に当ててているサナエ。可愛い、けど言ってることは不穏だね。


「うん、まぁこれでみんなの現時点での力は分かったんじゃないか」

「そうだな、まるで戦えないってことじゃないのが分かった」

「うん、私も殺れる!」

「そうだね…ちょうどいい。陣形の練習しよう!」

 ガサガサガサッ。

 いっぱい来たー!!ひゃっほーい、みんなで殺ろう!

「お前、だから…はぁ殺るか」

「あぁいっちょ殺ろうぜ!」


 なんだかこちら目掛けて来る猪も群れが可哀そうになって来た。せめて美味しく食べてあげるよ?

「今夜はボタン鍋だ!」

「「「おー!!!」」」

 最前線でタツキが躍動する。そう、それは舞い踊るような優雅で美しい剣舞。

 なのに猪たちは倒れていく。ごく稀に抜けて来る猛者は私が剣で首ちょんぱ。さらに脇から襲ってくるヤツはレイキが何かをしている。バタバタ倒れてるけど外傷がない。

 心臓に石でも生やしてるか?

 回り込んでくるヤツはサナエが氷を首から生やしている。まれに死角から襲ってくるヤツは私が魔法で首ちょんぱ。

 ものの10分ほどだろうか?多分20匹ぐらいの群れだったけど、すべて殺れた。


「みんなー鍋の材料を収納してねー」

「おい、少しは緊張感を持て」

「ボタン鍋、初めて~」

「背油がたまんねーよな」

 なんだろう、温度差が凄いね?


 ん?なんだこの感覚。

「ちょっと拾ってて!」

「シエル、どこ行くんだ」

「すぐそこー」

 進んだ先に横たわる白いもふんを発見。何だろ?近づくとうさぎさんだ。手のひらサイズの小さな子。猪の進路にいたのか、血を流して横たわっている。

 その目が僅かに動いてきゅうと鳴いた。

 私はその子を両手で抱き上げると頬ずりした。きゅう?きゅうきゅう!

 その子を見ると鼻をぷもぷも揺らし、しっぽをぽこぽこしている。か、可愛い。

「血も拭ってあげるよ?」

 ふわんと撫でて血を毛から分離してあげる。

「きゅうきゅう…」


 後ろから私を追いかけて来たレイキが

「何て言ってんだ?ってかシエル何した?」

「んと、多分仲間にして、かな。で治癒魔法使って毛皮の血を分離して捨てた」

 じっとうさちゃんを見る。


 きゅいきゅい(ありがとう、ご主人様。名前付けて)


「やっぱり名前を付けてって言ってる」

「何で分かるんだ?」

「言語理解じゃない?」

「…」

「やっぱりうさ子かな」


 きゅうーきゅうー(ないわーそれないわー)


 あれ?不評?

「うさ子ってお前、ダッサ」

「分かりやすいと思ったんだけど、えーとじゃあラビは?」


 きゅんきゅん(いいよー)


「じゃあラビ、よろしくねー」

 そう言って頭を撫でるとピカンと光った。はい?光ったの??

 ラビを見ると目の色が赤から青に変わっていた。あれ?種族変わった?


(白うさぎから白魔うさぎに進化)


「おい、進化してるぞ?」

「だね?何が変わったんだろ」


(魔法が使えるようになったー)


「だそうです」

「凄いんだな、これってテイムか?」

「どうなんだろうね?」


(仲間になったんだよー!)


「テイムとは違うのかもね?」

「そ、そうだな」

「うわぁかわいいうさぎさん。どうしたの?」

「仲間になったの。魔法が使えるよ」

「それって普通なのか?」

「どうだろうね?」


 レイキの鑑定中

(白うさぎは普通進化しない。相性がいい人と会えて魔力を貰うと稀に進化する)


「普通は進化しないみたいだな」

「仲間は?」

 ラビに話しかける。


(私は仲間から追い出されたの、他にも追い出されて困ってる子がいるんだ、助けて欲しいの)


 レイキと目を見合わせる。

「何て言ってるんだ?」

 タツキとサナエが私を見る。

「他にも仲間から追い出された子がいるから助けて欲しいって」

 レイキが代わりに応える。

「俺は構わないぞ?」

「私も!」

「俺もだ、なら行くか。ラビ、案内を頼む」

(任せて!)


 ラビの案内でさらに奥に進む。10分ほどあるいたところで

(ここだよー、牛さん出て来てー)

「「牛?」」

 モゥーーーーー

 のっそりと牛さんが出てきた。大きな牛さんだ。

「か、可愛い…」

 えっ?レイキのツボなの?

 モー―――ウ(仲間にしてほしいのぉ)

「もちろんだよ、名前はそうだな、姫だ!」

 …何て?大きな牛に付ける名前が姫?

 モー――――ウ(嬉しいわぁ)

 マジか、喜んでるよ。

「姫、よろしくな」

 レイキがその背中をそっと撫でるとポワンと光った。そして突然産気づいた。


「え、えっ…?」

 レイキは固まっている。

 私はその背中をどついて

「ほら、姫の出産だ?お腹をさすってあげて!」

 おろおろしながらお腹をさする。

 ブモォ―――――

 雄たけびを上げるとスポーンと子牛が出て来た。羊膜に包まれた子牛を姫が舐める。

 子牛はまだ細い足で必死に立ち上がろうとする。でも転んで、何度も転んで。

 それでも必死に足掻いて立ち上がった。

 おぉー感動の一幕。

「良く頑張ったな」


 レイキはすでに号泣だ。マジ?なんだかイメージと違うんだけど。でもそんなレイキは素敵だ。

 振り向いたレイキは鼻水を垂らしながら

「聞こえてんだよ!」

 真っ赤になって言った。

 労わるようにレイキが姫の背中を撫でる。すると突然姫が光りながら小さくなった。あれ?2mあったのに今は子牛よりちょっと大きいくらいだ。

 もしかして進化した?目の色が青になってる。さっきまで真っ黒なお目目だったよね?


(牛から魔牛に進化した。魔法が使える。子供を産んだので栄養満点な牛乳も出る)


 デカした!新鮮な牛乳が手に入ったよ。もちろん、最優先は子牛だけどね。

「レイキ、子牛の名前は?」

「あ、そうか…じゃあ王子で」

(僕は王子!)

 ポワンと光った王子。目が青いよ?

「魔牛の子供だって、この子は空間収納持ちだって」

 何でもありだな?


 タツキとサナエは目を白黒させている。

「何だかよく分からんが、良かったんだよな」




※読んでくださる皆さんにお願い※


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