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星なし転移者と仲間たち〜逃亡中〜  作者: 綾瀬 律
異世界転移?

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10/127

10魔法を使おうよ

投稿時間をお昼に変更しました…

「なぁ、少し魔法とか剣の練習とか、連携?の練習したくないか?俺は今の所、お前たちに甘えてばかりだ。何が出来るのか知りたい」

「わ、私も!」

「俺も…」

 うーんなら、近くのどこか人がいなさそうな場所で試し打ち?するか。

 剣や魔法の威力を確認できる近場は…とあるね。

 魔法通信で調べると、魔法の練習に最適な場所はここ!だってさ。

 近いね?歩いたら30分?魔法の練習も兼ねて走るか。


「近くにある。歩くと30分。魔法の練習したいから走って行こう」

「魔法の練習と走るが結びつかないぞ?」

 タツキに言われた。

「シエルは言葉を省略しすぎだろ。どうせ風魔法で体を浮かせて走ってる風の練習だろ?」

 凄い!レイキは私の理解者だね。

「初っ端からの付き合いだからな」

「やり方が分からないぞ?」

「シエルは分かるの?」

「調べてある!」

「ならそこに行こう」

「北門から出るよー」


 歩いて北門に着いた。そこでギルドカードを出して近くの山に向かう。門が見えなくなって街道にも馬車も人もいない。

「えっとね、風魔法で体を浮かせるの」

 レイキは軽く私のおでこを叩く。

「だからお前な、省略しすぎだろ。魔力を感知出来てるのか?みんな」

「「分からない」」

 タツキとサナエだ。あら、そこからか。

「うーんと、リンパ」

 もうレイキがため息をついて順序良く説明をする。分かりやすいね?隣でうんうんしてたらまたおでこを叩かれた。


 何故だ?

 丁寧なレイキの説明を聞いて歩きながらタツキとサナエが魔法を顕現すべくぶつぶつ言っている。

 出来ていないのかな?

 私は風魔法で体を浮かせてスイスイとね?めっちゃ楽。

 レイキも軽々と体を運んで遊んでいる。

「ダメだ、出来ない」

「私も」


「あのね、魔法って魔力を外に出して魔法が使えるわけじゃなくて。魔力を使って外力を魔法に変換するの」

「どういうことだ?」

「魔力は外部の力に訴えかける為にあるだけ。魔力を魔法に変換するんじゃないの、あくまでの外部の力に魔法を行使するようにするだけ」

「火なら酸素をもやす、水なら水素と酸素を結合させる、風なら気流を操作する、土なら一粒を流動させる」

「外力に訴えかける…」

「訴えかけ…出来た!」


 サナエが声を上げる。

「これか!」

 タツキもだ。魔力を魔法に変換するために体の外に出すっていうイメージだとだいたい失敗する。

 これ私も。で、魔法通信さんに聞いたら


(魔力は外力を魔法に変換させるための動力源)


 分かったような分からないような説明だった。

 でも魔力がそのまま魔法になるわけではないっていうこと。それだけが分かれば後は簡単だ。

 イメージだよイメージ。酸素が燃える、分子が結合して水が出来る、風が吹く、土が動く。


 みんな出来たね!

「後は風魔法で体を僅かに浮かせるか、歩く時にふわって」

「はぁ、お前ってほんと教えるの下手だな」

「えーそう?仕事では説明が分かりやすいって良く言われてたんだけど」

「…」

 あれ?何で黙るの…みんな。

「あ、出来た!」

 サナエはふわりとスキップするみたいに浮かんでは着地してる。可愛い。

 タツキは、えっと走り幅跳び?

「ぐほっ…おい、いい加減にしろ!」

「えっ、だって?」

 どう見てもね?ホップ、ステップ、ジャンプだよ、あれは。

「やっほーい!」

 ほら、大はしゃぎだよ?タツキ。

「「…」」

「ま、これでガンガン進めるね」

 結果、全員が出来た…よね?


 みんなが浮きながら進むのでそこからは早かった。練習時間含めても15分くらいで目的の山の麓に着いたよ。

「これは便利だな」

「これが一般的か分からないから、2人とも普通に歩いてる風で体を浮かせて楽するように練習ね?」

「だな、風魔法の使い方がこちらの人の常識じゃない場合に面倒だ」

「「分かった!」」

 少し山の中に入って周囲の目線が遮られた。いいんじゃない?この辺りで。


「まずは何をする?」

「どうする?魔法から?」

「魔法がいいよ」

 となって、各々散らばって魔法の練習。

 火魔法は、発動ーって思ったらぼぉぉぉ…。おっきな炎だね?バーナーみたいになるかな、ぼぉぉぉー!うん、お魚の炙りも任せて!だね。

 水魔法は、発動ってこれは水球かな?うんうん…ありゃ大きいね?それを崩したらバズーカみたいな水流…ドバババーーー。うん、大きめの木が倒れちゃったよ。次々!

 風魔法はそよ風?エアコン?カマイタチ?スバババーン。うん、太い枝がバラバラと落ちたね。いや、幹にも切れ込み?ま、まあ…。

 土魔法は土台、椅子とテーブル作れるかな?出来たね。土壁、ドドドーーーン。分厚くて高いね?擁壁もびっくりだね。


「おい、お前何やってんだよ!」

「ん?」

 振り返るとみんなが見てた。

「どうしたの?」

「お前、戦闘職じゃないよな?」

「だね?」

「誰よりも威力あるよ?」

 そう?首を傾げたサナエが可愛い。

「氷とかは出せないかも?」

 カラン、ドランバランドサドサドサ…。氷、出たね?

「おいこら!」

「出たね?」

「出たね?じゃねーだろ」

 だってね?出るもんは出るんだよ。

「雷とか?」

「やめろ!」

 ズッドーーーンバリバリバリ。


「お前はー!」

 ごめん。レイキに怒られた。だってね、目の前の太い木に着弾してそして割れたから。

「出来るもんだねー」

「お前は魔法の使用禁止だ」

 タツキに言われた。

「えー」

「「禁止だ!」」

 重ねてタツキとレイキに言われた。えー…。

「メッだよシエル」

「サナエが言うから分かった!」

 サナエはいい子いい子してくれるし。ぽよんにダイブだ。えへへ。

「お前、俺らと態度が違いすぎだろ」

「だってね?可愛いは正義だよ」

「「はぁぁぁ…」」

 男は可愛くないし?サナエは可愛いし?ぽよんだし、ね!


 よし、話題を変えよう。

「みんなはどんな?」

「それなりに使えるぞ」

「俺もな」

「私も」

 良かった。

「空間魔法は?」

「ん?」「えっ?」

「例えばこのポーチの空間を拡張するの」

「どうやって?」

「容量を増やしたいって念じる?その時に時間を停止とか入れると止まるよ」


 一瞬、ポカンとしたみんなはカバンをゴソゴソしてる。

「おっ、出来た!」

「んと、こうかな?」

「えっ?これか、いやこうか?ん…」

「「出来た!」」

 これも出来たね。ふふっ空間拡張カバン、異世界のロマンスだよ。

「魔法の訓練はこんなもんかな」

 タツキにみんなで頷く。後は実戦かなぁ…。


 あ、うん、これは…ちょうどいいね!

「タツキ、出番だよ?魔物」

「どこだ?」

 私は答えない。気配を感じる練習だね。

 ガサッ…。そこには体長1mのデカいネズミがいた。目が赤くてシューと威嚇する。ネズミなのに1m…可愛いくない。

 タツキは一瞬焦ったけど、冷静に腰の剣を抜く。飛びかかるネズミ、剣を構えて迎え打つタツキ。

 ザシュザシュ…うわぁ、細切れだ。スプラッタだねー舞い踊りすぎて、ね?

「え?あれ?うわぁ…」

 自分で刻んでおいて驚くの?タツキ…ネズミさんが原型止めてないよ。

「凄い威力」

「はぁ?」

 肉塊を見にして少し気分が悪くなった。生き物が死んでいる…ちょっとヤバいかも。


 気まずそうなタツキ。

「えっと、威力の調整が必要かな?」

 気分ノワルを隠して話しかける。見ちゃダメだ。

「た、だな?」

「ダンサーもかなりのチートだな」

 レイキも顔白い顔で呟く。

「ねー?大物来ないうちはタツキは手出し禁止」

 スプラッタは無理だ。

「お、おう」

 スプラッタネズミは土に埋めたよ。あれはあかんヤツだ。まだ気持ち悪い。

「少し進もう。奥の方が魔物が多い」

 みんなは青白い顔で頷いて、ゆっくりと進む。

「陣形?とかどうするよ?」

 レイキが誰にともなく聞く。みんなさっきのショックでぎこちない。レイキが雰囲気を変える為に話題を出した。


「タツキは前衛だよね?私は、魔法だから後衛かな」

 サナエが聞く。

「そうだな、俺とシエルが微妙だな」

「レイキと私は何が出来るか、だよね?」

「お前は魔法禁止だからな」

 タツキに釘を刺される。

「回復職にはなれるけど、前衛が弱くなるよね?レイキは魔法攻撃出来る?」

「多分な、それだと俺とサナエが後衛でタツキが前衛としてシエルだな」

 レイキが考えながら言う。

「剣でもある程度、戦えるなら前衛かな?タツキは1番前がいいと思う。私が邪魔になるし」

「ひとまず、タツキが先頭で次にシエル、サナエと俺が並ぶ感じてやってみるか」


 ということで、その並びで進む。スプラッタは見たくないからタツキはしばらく大人しくしてもらおう。

「次の獲物が来たら私に殺らせて!」

「お前、また変な漢字当ててないよな?」

 ギクッ、レイキは鋭いな?ため息ををつかれた。魔物は殺さないと危ない、なら覚悟を決めないと。

 そのまま進んで行く。おっ、いたね!

(みんな止まって…タツキ、私が前に出る。みんなステイね!)

(おい、俺らは犬か!)

 レイキの突っ込みはタイミングも完璧だね。気分を変えるのも上手だ。


 前から来たのは額からツノが生えたデカいうさぎ。うさちゃんなのに全く可愛くない。これならいけるかな。可愛いうさぎだと無理そうだし。

 うさぎは後ろ脚にためを作って突進して来た。躱さずに剣を腰から抜いて一閃。

 ふっ、またつまらないものを斬ってしまった…。心の中で呟いて血糊を払い鞘に剣を収める。

「ぐふぅ…お前、だから止めろ!腹筋が…」

 レイキの腹筋は私が鍛える!なんとか出来た。手が震えてるのは見なかった事にした。こうやって異世界に馴染むんだろうか。

 気を取り直して、毛皮と肉に期待してうさぎを亜空間に収納した。


「シエル凄い!」

「剣に風魔法を纏わせたんだ、えへへっ」

 みんな生き物を殺す事にやはり思うところがあるのか、気分を上げるべく必死でから元気だ。

「シエルは前衛出来るな」

「私は索敵も出来るから、遊撃かな?様子を見て最前線以外ならどこでもやれそう」

「剣が使えて索敵が出来て攻撃魔法も回復も出来るなら確かに真ん中がいいな」

 で、私は真ん中で決まりだ。考えても仕方ない、ここは魔物がいる世界だ。

「次は俺も剣を使ってみたい」

「じゃあ次はレイキに声を掛けるよ!」

 レイキも覚悟を決めた顔で言う。




※読んでくださる皆さんにお願い※


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