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1.電車に乗っていた

新連載です

基本お笑い系チート

 電車の中でうとうとしていた。

 大きな荷物を持った私は旅行に行ったわけではない。飛行機に乗って行ったけど旅行とかではない。

 でも大きなスーツケースとショルダーバック、斜めがけのバックに大きなバック。

 もうすぐ最寄り駅に着く。

 さてと、軽く息を吐いて首を回す。体がバキバキだ。

 電車が減速したので、背筋を伸ばして降りる準備をする。

 その時、自分の周りの床が光った気がした。



 次の瞬間、まったく違う場所にいた。

 は、え?どこここ。

 周りを見れば同じような状態のおよそ10人ほどが床にペタンと座っていた。

 私は電車に乗ってたはず。

 えっ?


「マジ?来たぜ、異世界召喚。俺は勇者だ!」

 はい?異世界召喚?ラノベに良くあるあれ?

 いやいや、夢でしょ。疲れすぎてたのかな私。

 じっと自分の手を見る。すると半透明の板が見えた。えっ…?


 名前 ***

 職業 魔法通信

 スキル 亜空間、言語理解、鑑定


 でた?これいわゆる能力を見れるってやつ。

 職業欄を凝視すると


(この世界に飛ばされる際に付与された職業)


 それだけじゃ意味がわからない。レベルとかさ、いわゆる上級職とかそういう系が知りたいんだけど。すると


(ショブには☆1から☆5までがある。☆が多い程希少職、その上に☆6が存在する)


 で、私の魔法通信は☆いくつで何ができるの?


(魔法通信はあらゆる異世界と元世界の情報を知ることが出来る。そして元世界と通信も可能。魔力を伸ばすことで他者との交信や、気配など察知も出来る☆6の超希少職)



 良く見れば私たちを囲うようにたくさんの人がいる。目の前には精悍な王冠を被ったお方。多分王様。

 その隣に見目麗しい王様に似た若い男性、多分王子様が2人。

 さらにその隣に見目麗しい若い女性2名、多分王女様。

 その周囲に白い軍服の人たち、その周囲には紺色の軍服の人たちと黒いローブの人たちだ。


「皆様方、ようこそハイランダー国へ。突然のことで驚かれただろう」

 当たり前だろ。心の中で突っ込む。

「魔族の侵攻により我が国は苦戦している。どうか力を貸して欲しい」


 その割には王族方は豪奢なお洋服を着ているし、キラキラした飾りもたくさん。

 これってアカン系の召喚では?


「みなさんの力に大いに期待したい!」


 後ろのおじさんが持ってる石をじっと見つめると


(ジョブやスキルが分かる鑑定石)


 とあった、私はどうなるんだろうね?☆6って。


(あの石ではエラー表示となる、その場合は☆無しと判断される)


 あーはい、軽んじられるのね。

 私はふと少し先にいた目が前髪で隠れた背の高い男性を見る。彼もあの石を凝視している。

 すると


(名前 ***

 職業 創造 ☆6

 スキル 亜空間収納、言語理解、鑑定)


 とでた。

 おぉ超希少職だ。そしてスキルは私と一緒。他の人は?

 一番近くにいた女の子を見る。


(名前 ***

 職業 氷魔法 ☆3

 スキル 亜空間収納、言語理解)


 あれ?鑑定スキルがない。


(鑑定スキルは☆6の職業に付随する能力、まれに後天的に取得することがあるが、その場合は情報が少ない真眼。それでも大変貴重)


 ヤバいな、これって隠せるの?


(ジョブがエラー表示だとスキルもエラー表示になる)


 良かった。まじまじと見ていたからか、前髪くんと目が合った、気がする。思い切って話しかけてみる。


(あ、あー聞こえますかー?マイクテスト、マイクテスト、後ろにいるけど振り返らず聞いてー)

 前髪くんはさり気なく靴の踵を確認するフリをしてチラッとこちらを見た。そして目線を戻す。

 おっ、なかなかの演技派。


(私たちはこれからジョブにより選別される。ジョブは⭐︎1から5まで。で、私たちは⭐︎無し。要らない子だね)

 ビクッと肩が跳ねる。

(自分の手を見て、情報を知りたいと念じて。で、ジョブが見えたら右手人差し指で太ももを2回トントンして)


 前髪君が自分の左手をじっと見た。そしてほんの少し肩を跳ねさせる。そして右手人差し指で太ももを2回トントンした。

(そのジョブの詳細と星の数が知りたいとまた念じて)


 前髪君はまた手を見る。そしてまた肩が僅かに跳ねた。

(そう、君も私も⭐︎がエラーになる、いわゆる⭐︎なしと判定される。ここまでオーケー?)

 彼は人差し指で太ももをトントンしてくれる。

(でもね、スキルにある鑑定は⭐︎6で付くスキル。ジョブがエラーだとスキルも隠れるから安心して。要らない子と言われたら、一緒にここを出よう)

 彼は太ももをトントンしてくれた。


(き、聞こえるか?)

(聞こえるよー)

(その、君のジョブは見れないけど…他の人を見たか?)

(見たよ、全員。私たちと同様に要らない子判定されそうな人が2人いる)

(そうなのか?)

(ジョブの⭐︎説明で見た感じね。因みに⭐︎3の氷魔法と⭐︎4のダンサー)

(⭐︎の出現率は?)

 おっ目の付け所がいいね。

(⭐︎1 が40%.⭐︎2が30%.⭐︎3が20%.⭐︎4が7%.⭐︎5が2.5%.で、⭐︎6が0.5%だね)

(俺たちは0.5%?)

(超希少職だって)


(何で氷魔法が要らないんだ?)

(ヒントはジョブだから)

(あ…)

 気が付いたね?

(後はダンサーね、色々と?)

(確かに…)

(だいたい危機に面してる王様たちがあんなに煌びやかなのおかしい)

(だな…あの王女とか目がギラギラしてるし)


 私たちが念話してる間にも、王様が国の危機を救って欲しい。と熱弁を奮っていた。

 異世界キターーーって騒いでた学生君たちは鼻息も荒く、チラチラと王女様を見ている。

 獲物認定されてるのにね?


「ぐほっ…」

 前髪君がリアルに咳き込んだ。隣の男性が大丈夫か、と声を掛けている。


(おいこら、笑わすな)

(えっ?あ、ごめん聞こえてた?)

(丸聞こえだ!)


 王様が例の石を持っているローブのおじさんに目配せする。

 部屋の中央にある机にそれを置くと私たちを見る。

「そなたたちの能力を判定する」

 命令ね…やっぱり勝手に呼んどいて上からだな。


 学生君その1が

「俺、俺やる!」

 手を上げていた。あーまぁファイトな?

 前髪君が肩を震わせる。聞こえてたらごめん。


 彼は進みでて、台の上の石に手を触れた。

 ちなみにその石は鑑定石だって。ジョブとスキルが分かるらしいよ。でも、本物の鑑定と違って、超レアジョブと超レアスキルは***表示になるって。

 所詮は石なので、鑑定の下位互換だそう(本物の鑑定さんによる解説)


 で、学生君その1はこんな感じでスクリーンに映し出された。


 名前 ***

 ジョブ 剣豪 ⭐︎3

 スキル 言語理解


 あれ?それだけ?私が見たら亜空間収納があるのに?


(亜空間収納は厳密には上位派生スキル、空間魔法の上位スキルの為、石ごときでは判定不可)


 ぐふっ…石ごときって、鑑定さんあなた、面白いね?

 なら彼らはそのスキルがある事を知らない訳で、知らないと使えないのかな?


(認知してなければ使えない)


 良し、お口チャックだな。


 学生君たちは次々と石に手を当てる。


 学生君その2

 名前 ***

 ジョブ 魔術師 ⭐︎3

 スキル 言語理解



 学生君その3

 名前 ***

 ジョブ 魔法剣士 ⭐︎3

 スキル 言語理解


 王族たちの反応はまずます。彼らも満足なのか、ガッツポーズだ。


 次に学生さんカップルの男子

 名前 ***

 ジョブ 火魔法 ⭐︎3

 スキル 言語理解


 学生さんカップルの女子

 名前 ***

 ジョブ 薬師 ⭐︎3

 スキル 言語理解


 こちらも王様たちの反応はまずまずだ。彼らも満更でも無さそうな顔をしている。


 これで5人、約半分終了だ。



 その次はいかにもオタクっぽい男性

 名前 ***

 ジョブ 賢者(偽) ⭐︎4

 スキル 言語理解


 ん?賢者に偽ってあるの?でも私が見る画面には偽があってみんなが見てるスクリーンには偽がない。

 しかも、賢者は⭐︎5だよね? 


 しかしどよめいた!賢者だ、とあちこちから声が上がる。いや、⭐︎4の時点でおかしいって気づこうよ?

 しかし、なぜか鑑定石の誤表示で収束した。

 あれかな?都合の悪いことは見ないのかな。

 そしてオタッキーは鼻の穴を膨らませてご満悦だ。王女たちを見る目がいやらしい。



 次は澄ました顔の女性。チラチラと私やもう1人の女の子を見ていた。マウント取りたい系?


 名前 ***

 ジョブ 治癒師 ⭐︎3

 スキル 言語理解


 おぉ〜とどよめき。やっぱり治癒系は人気なのかね?

 そして私ともう1人の女の子を見て顎を上げた。

 どう?私、治癒師…って声が聞こえた。

 あ、前髪君の肩がまた跳ねた。ごめん、聞こえてるかな。


 次は社会人風の男の人だ。と思ったら石を交換するのに少し待ってと言われていた。


 私は前髪君に

(おーい、荷物沢山持ってるけどさ、亜空間に中身しまった方がいいかも?なんかさ、さっきからみんなの荷物を見てるおっさんがいるんだよね)

(あ、何を見てるのかと思ったら荷物か。どうやってしまうんだ?)

(んーと、収納って念じるんだけど、中身だけってのが重要。試しに、何か一つ入れてみたら?)

(分かった…おっ、出来た)

(傍目には分からなかったよ)

(ありがとな)

 そのままさっさと収納してそうな感じだった。


 そんな会話をしていると、鑑定石の交換が終わった。



※読んでくださる皆さんにお願い※


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