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第6話:融合魔法③

「──凍れ(フリーク)!」


 白く気高いディアの盾がリオンの氷魔法によってその強度を進化させた。ディアの盾魔法とリオンの氷魔法が綺麗に重なり、一つの魔法となって彼女達を守り続ける。

 一方で突然背後から現れたリオンにディアは驚くしかない。


「リオン、お兄様!?」

「ディア。すまなかった。俺はもう大丈夫だ。今はとにかく耐えよう。もうすぐ助けが来る」

「た、助けって……」

「いいから守護魔法に集中するんだ。俺が支える」

「わ、分かりました!」


 ディアはリオンの言う通り、前を見る。

 ウッドサーペントは氷で強化された盾に少々戸惑っていたが、すぐにこちらに威嚇してきた。……だが、今はもう怖くない。


(誰かに支えられているって、こんなに安心するんだ……)


 ディアは気づけば微かに口角を上げていた。独りではないという希望は人間を強くすることもある。


「ディア、もう一回呪文を同時に唱えるぞ。追加詠唱は身体に負担がかかるが、いけるか?」

「はい! 任せてください! お兄様!」


 盾と氷。二つの呪文が再び同時に重なった時、奇跡は起こる。


 先ほどディアが一人で顕現させた盾よりも立派な白い壁が現れた。そこに浮かぶ家紋も先ほどより強い輝きを放っている。

 壁はどんどんとウッドサーペントを押し出し、壁から飛び出した鋭いつららの棘がウッドサーペントの身体を貫く。化け物の断末魔が響いた。


(私の守護魔法と、リオンの氷魔法が()()している……?)


 融合。それは「黎明のリュミエール」でおなじみの戦闘システムだ。例えるならば、必殺技。

 主人公と攻略対象キャラが想いを一つにすることによって二人の魔法が合わさり、より強力な魔法を繰り出すことを言う。


(まさか、悪役令嬢の私とリオンの魔法が融合する時がくるなんて……! でもゲームの中の融合は多くのMPを消費していたけど、現実で起こったらどうなるのかしら。ええい、とりあえず今は守護魔法に集中するしかない!)


 ディアは拙いながらも守護魔法に魔力を注ぎ続けた……。

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