第三話 転校生は魔法使い!
忍輝は、転校生と共に学校生活を過ごす。帰り道、忍輝はあることを聞かれる。
[転校生なんて珍しいな]
叶都が言う。うちの学校は、受験しないと入れないはずだから転校して来るためには、難しいテストを受けないといけないらしい。受かってこの学校にやってきたということは、かなりの才女なのだろう。実際に、うちの学校に転校生がやってくるなんて言うのは、少なくとも僕や姉ちゃんが見た中では初めてだ。一体どんな人なのだろうか?
キ〜ンコ〜ンカ〜ン〜コ〜ン
チャイムが鳴った。授業が始まる!
[やばい!遅刻するぞ!おーい!叶都!僕たちのクラスは??]
[同じクラスで、21ホームルームだ!]
俺たちは2年1組へ走った。
(良い子は廊下を走らないでね!)
[はあ、はぁ、ギリギリ着いたな。叶都。]
[うん。じゃ、席に着こっか。]
僕らが席に着いたと同時に、担任の先生がやってきた。先生が自己紹介を終えた後、
[今年はなんと、わが校に転校生がやってきました!花月 玲花さん。入ってきてください。]
転校生はうちのクラスなのか。うちの学年は、4クラスあるから1/4の確率に入ったのか。
[はぁ〜い!]
聞き覚えのある声がする…例えば…今日の朝に聞いたような…すごく嫌な予感がする…
ガラッ
入ってきたのは今日朝に会った{魔女}だった。
[花月玲花で〜す!!みんな〜!よろしくね!]
軽い調子での挨拶。こんな奴が[全身の血液を凍らせる]なんて、怖い…
[では、花月さんは山城さんの隣の席に座って下さい。]
からの、王道展開〜〜〜{朝あったやつと隣の席になる}という法則は、どうやら漫画も現実も同じらしい。
[夜露死苦ね!山城さん!]
お前からの、いきなりのさん付け怖いんですけど……
その後俺達は授業を受けた。花月はちょっと、いや、かなりずれていた。こんなんが本当に受験に受かってやってきたのかと思うぐらいだ。受験する時に魔法を使ってイカサマでもしたのか?だとしたら大変な事態だ。僕はそのことを聞くために、花月と一緒に帰ることにした。
夕暮れの中、ふたつの影が並ぶ。
[おい、]
[あのさぁ。]
魔法のことを聞こうとしたのに、言葉がかぶってしまった…一旦、譲ることにする。
[あ、先、どーぞ。]
[ありがとっ!………]
花月が急に黙り込む。
[えっと……その……]
明るくて大雑把な花月が黙り込んでいて、なんだかイライラしてきた。
[早く行ったらどうだ?]
すると、花月が、
[家、居候してもいい??]
と、言う。 え?え?え?ええええ??
[はぁぁぁぁぁぁぁぁ!?]