詩 旅人とナイフ
引き寄せられるように 近づいていく
それは 神秘を秘めた物語
謎を内包した ファンタジー
砂煙が舞い 嵐が通り過ぎる
後に残されたのは 不思議なナイフ
通り過ぎるはずだった 旅人
彼が手にした 運命を切り裂くナイフ
瞳をうつした刀身
空の赤を吸収した刃
そこに魔力が宿るなら
どんな魔法が発現するだろう
手を引くように
背中を押すように
ナイフは自然と振るわれる
切り裂く次元
切り裂かれた可能性
乱暴に乱雑に切って捨てられた過去の骸
その向こうには
新たな世界が待っていた