第8話 ランクと階級
翌日
ギャーーーー!!!
ハルがものすごい勢いで森の方へ飛んでいき、姿が見えなくなる。
ハルとヒロがユウキと特訓するようになってから約十年間毎日行われていた日課が今朝も行われていた。
「ハル、ヒロ今日はここまでだ!」
肩を抑えながら森から出てくるハルといつものようにハルに守られてオドオドしているヒロに向けてユウキが言った。
「⋯⋯もう終わり?最後の日だから、かな?でも、ユウキの事だからそんなことはないと思ってたんだけどな⋯⋯」
「俺はまだまだできるよ!ユウキーまだやろーよ!」
ハルとヒロが口々にそういう。
「いーや、終わりだ。訓練は、な?これから実践を行う。今のお前らだと、『 羽熊 』くらいは余裕だろうからそれより強いやつと戦いに行く!」
羽熊とはこのあたりの森で一番凶暴な魔物である。
そういうと、悪魔のような顔で笑う。
「でた。昨日の顔はこのことだったのか⋯いいねー!楽しみだ!!⋯で?どんな奴と戦うんだ?」
「⋯⋯僕も頑張る!」
「相手は⋯⋯竜だ!!」
「「竜!?」」
竜とは、この世界に数個体しか存在しないほとんど架空の生物の筈だ⋯⋯
「もちろん、本に出てくるようなものではない。竜種の亜種ってやつだな!〈 亜竜 〉という。ここから山二つほど南に行くとそいつらの縄張りがある。そこに今からいく。」
「亜竜⋯⋯」
ヒロが目を見開く。
「ヒロ、知っているのか?」
「⋯本で読んだことがあるだけだよ。年に数度しか目撃されない珍しい魔物だよ。戦闘になるのは1回あるかないか。なぜなら、亜竜はB級の魔物。討伐にはBランクの冒険者が5人必要なんだ。だから、目撃させても戦いにならず逃げ帰るのが普通なんだ。それを僕ら2人で⋯⋯?」
ヒロは暗い顔をした。
「流石ヒロだ。よく勉強してる。3歳なのに本当に優秀なやつだ」
「⋯⋯でもユウキ、亜竜の生態は未だ不明って書いてあったよ、ましてや縄張りなんて⋯本当にいるの?」
「おう!そこは心配するな。俺も小さい頃そこで修行してたからな。よく知っている思い出の場所だ。」
そう言うとヒロは諦めたかのように口をギュッと結ぶ。
「⋯ごめん。ヒロ、そのB級とかBランクってなんだ?」
ハルはその辺のことはあまり詳しくはないのだ。
「ハルくんそれはね⋯⋯」
この世界に存在する戦闘系のジョブ3種類存在する。
〈 剣士 魔術士 魔物師 〉
そのそれぞれに『 ランク 』をつけて呼称する。
E→D→C→B→A→S の順に上位のランクとなる。
例えば、Eランク剣士 やSランク魔術士のようにだ。
対して魔人、魔物は危険度、希少性を勘案した階級を
『 級 』で呼称する。
ランクと同様
E→D→C→B→A→S の順に上位の級となる。
人間のランクの基準は、同級の魔人、魔物を5人で捕獲または討伐できるものとする。
今回のアークドラゴンの場合はB級の魔物。
Bランク剣士
Bランク魔術士
Bランク魔物師
のいずれかが5人がパーティを組んで討伐できる相手ということになる。
「ヒロ。説明ありがとう。大まかにそんなところだ。ちなみにBランクになるには通常そのジョブについて10年〜20かかるな。」
「に、にじゅ⋯⋯⋯なるほど⋯そのB級の魔物を2人で討伐すると言うことは最低でもBランクより高い強さが必要⋯⋯って、無理じゃん!!!そんなの無理だよ!ユウキは俺とヒロを殺す気なの!?」
ハルとヒロはユウキが昨日にやけていた理由を目の当たりにしたのであった。
そして、2人にとって始めての命をかけた戦いが始まる。
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