第5話 村長の話
「いてててて⋯⋯。また一発も当たらなかったよ。なんでそんなに早く動けるのさーー!ずるだよ、ずる!」
吹き飛んでいったハルが頬を膨らませながら歩いてやってきた。
「お前らはまだまだ力の使い方をわかってねーのさ。そのうち教えてやるよ。」
と、笑うユウキ。
「⋯⋯ユウキの戦いは何もしていないようで、見えないところで物凄い技術を使ってやってる。⋯と思う。見えない攻撃の対象やハルの光槍を破壊したデコピンだってそう。」
「ヒロはよくみてるなー!ハルとは大違いだ。」
そう言い、ハルを横目で見る。
「うるさい!!俺はヒロみたいに才能が無いんだよ!!そのかわりパワーでは負けないからな!」
ハルが少し浮かない顔する。
「ハルくんはは才能ある。あんなパワーの攻撃、僕じゃできない⋯⋯」
ヒロはそういうと、自分を庇ってハル自身の放った光槍に当たった地面に目を落とす。
そこには、小さなクレーターができていた。
「ユウキーーーー!!ハルーーーー!!ヒローーーー!!おはよーーー!!」
遠くから明るい声が響く
「おー!アスナおはよ!」
彼女は村の村長の孫娘『アスナ・オークノ』。
ハルと同い年で、今年16歳になる。
「また一撃も入れられなかったのー?本当にハルって弱いわよね!」
「うるせーよ!ユウキがデタラメすぎるんだよ!じゃあアスナが戦ってみろよ!」
「私はか弱い女の子だから強くなくていいのよ。それに私だってユウキには少し及ばないけど魔法だって使えるのよ?」
そういうと、アスナは指の先に力を込める。
数秒後指の先に小さな火がともる。
「どーだ!!すごいでしょ!」
アスナは胸をはってそういった。
「小さい火を出して、小さい胸を張っても誰も褒めない⋯」
バチンッッ!!!!
ハルが言葉を言い終わる前にハルの頬には赤いモミジの模様がついていた。
「おいおい、2人ともそのくらいにしとけ。で、アスナ、何かあったのか?」
ユウキがそう尋ねると
「そうそう!おばあちゃんがユウキを呼んできてって!」
「村長が?わかった。すぐに行こう。ハル、ヒロついてこい。」
村長の家に行く道すがらハルとアスナはいつもの言い合いになっており、その後ろから困ったような笑顔で2人をみるヒロが付いてきている。
ここ3年間この村ではこの3人のこの光景が当たり前になっているのであった。
「っよ!村長邪魔するよー。」
村長の家に着きユウキが軽い挨拶を投げかける。
『ナミ・オークノ』オークノ村の村長である。
年齢は50歳そこそこで、いわゆる村長とイメージが少し異なる。
「おばーちゃんただいまー!」
「ナナー!お邪魔するね」
(ハルはナミの事をナナと呼んでいる)
「⋯⋯お邪魔します」
3人がユウキの後を追って順番に入ってくる。
「おや、みんなお帰り。わざわざみんな来てくれてありがとね。まぁお座り。」
「で?話ってなんだ?」
早速ユウキが本題に入るのであった。
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