第2話 人間を襲う理由
「おじさん、誰⋯⋯?」
ハルは焼けたのどで尋ねる。
「俺はユウキ。魔人が出たって連絡があったらすっ飛んできたんだ!おっと、お前喉と皮膚それに足に怪我してるじゃねーか。これ飲んどけ!」
無造作に渡されたソレは、瓶に入ったコバルトブルー色の液体だ。
「これは⋯⋯?」
「まぁポーションってやつだな!予備も何本かあるから遠慮しないで飲んでいいぞ?」
コクっと頷くと恐る恐る飲んでいく。
「それでいい。あと数分もしたらある程度治ってくるだろう。流石に骨折以上の怪我を治すにはハイポーションを使わなけりゃダメだがな。」
「おじさんが助けてくれたんだね。ありがとう。
そ、そうだ!村の他の人は⋯⋯?」
「わりぃな。俺がきた時には生き残ってる人間はお前たちだけだった。三体の魔人がこの村を襲ってたな。」
その言葉を聞いて涙が頬を伝う。
「なんで。なんで魔人は俺たちの村を襲ったの!?僕たちがなにをしたっていうの?あいつらの目的はなんだったの?」
「詳しい目的は魔人によって違うかもしれないが、魔人は基本的に人間を嫌い人間ってだけで襲うもんだ。今回の件も理由があったとは限らない」
「そんな!!そんなことのためにみんなは殺されちゃったって言うの!?」
悔しくて悲しくて、助けてくれた相手にも関わらず怒鳴り散らす。
八つ当たり以外の何ものでもない。
その様子を見て
「そうだ。魔人はそういう生き物だ。俺の母親も姉も魔人に殺された。だから、俺は力を付けた。いつかあいつらをこの手で殺す為に。」
そう言ったユウキの目には暗い光が宿っているように見えた。
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