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If winter comes,can spring be far behind?

作者: 日向 葵

二次創作投稿初めてなので、なにか不手際がありましたらお手数ですがご一報ください。

〈冬来りなば〉

ささくれのように君のさよならが心に架かる冬ざれの日

好きな人の好きな人をすきになる冬薔薇一輪胸に咲いて

目印はベツレヘムの星神様も許さぬ二人出会うための

二人きりならクリオネみたくひそやかな呼吸で生きてみたかったの

そこここに散らばる別れの一つならラストシーンは「――の花歌って!」


〈雪〉

降るならば隱せよ隱せこの街の汚れに燈りひとしづくの愛

「愛してる?」「愛してない?」とちぎられた花びらのごと積もるひとひら

人肌に触れて消える泡雪のようなはつ恋なら傷はなかった

触れないで貴方はわたしに熱すぎる雪の女王に成り損ねるわ

聞こえるは雪の彼方の聖歌隊あなたの夢まで響きますよう


〈氷〉

神様に「ずっといっしょ?」と問えなくてこのまま二人で氷になりたい

ミッションは冷凍保存した処女の私を解凍せよ千年後

ホッキョクグマみたいに白に擬態してあなたの家の冷蔵庫になる

氷噛み砕く強さで君のうなじガリリと食いつく海豹(かいひょう)の我

まだ誰のものでもなかった私だけ永久凍土に埋(うず)めてほしい


〈刀剣乱舞-花丸- 睦月・如月〉

退屈を厭ひ爪紅ぬりて待つ月の清けき光たよりに

その影を永遠だって恋い慕う月の(ふもと)(うるわ)しき人

藤波のただの一つも云ふことなし云へぬことなら數多あれども

身軽(かろ)きちょうちょになれば刻印を彫りし男に逢ふ日もあるかと

故郷へと帰らん青き星に身は預けぬひとりとひとふりの魂


〈オリオン〉

オリオンをたどる指の熱を知る吐く息白き六畳一間で

オリオンをなぞると同じやさしさで背中に触れる人の愚かさ

君の横顔一つで迷わない星の座標が煌めかずとも

星の名を教えてくれた唇を運命と呼びたかったのだと

「あ、オリオン」星座を呟く無造作で私の名前も呼んでください


〈聖夜〉

神様は信じてないけど祈りかたなら知っているあんたのために

いつまでも残るものを探す時祈りの果てを予感するのだ

色硝子が描く旧い物語より雄弁に愛説く黒眼

幸福を拒む彼なら今宵しも星に護られ眠り給えと

孤独だけ愛する彼に福音の鐘よ鳴れ鳴れきよしこの夜


〈春遠からじ〉

桃の花君に見立てて戀をする美しいと云へたら云へたら

いつの日かちょうちょになるの、蛹でなく繭に籠りし君の罪とは

濃紺の硬きセーラー脱皮して春や來ぬらん少女(おとめ)去る日に

春風が記憶を浚ってゆく前に花のかおりを覚えおいて

目の前を薄くれないが横切ってあなたに会おうか花曇りの午後


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