第1話 冷めつつある情熱
カッフェでカプチーノ(ロング490円)を飲みながら書きました。
※主人公はおっぱい至上主義なので、胸の小さな女性、小さな女性を好みとする方にとって不快な表現もありますのでご了承ください。ちなみに作者は小さいのも好きです。
俺は、幸せ者なのか?
そんなことを考えることがある。
いや、考えるまでもない、俺は幸せ者だ。
俺には、可愛い可愛い彼女がいる。
俺の理想を全て詰め込んで形にしたのがこの彼女、と言ってもいい。
彼女の名前は佳納美羽流、クラスは違うが、俺と同じ一年生だ。
この美羽流という女の子は、心技体すべて俺の理想と言っていいかも知れない。
いや、技ってこの場合なんだか分からないけど、とにかく俺が愛さない理由がないような子だ、おっぱいも大きいし。
元気な女の子で、いつも走り回っている印象がある。
髪型はショートカット。
ショートってのは、顔が目立つので、顔の造形がよくなければ可愛くは見えないんだが、美羽流は可愛いから何の問題もない。
特に無防備に笑った表情は、俺を行き場のない無意味な情熱に掻き立てる。
身長は女の子の中でも若干小柄で、多少長身の俺を見上げるくらいの身長差がある。
だが、それが元気よく子犬のように動いて可愛いし、手足や腰回りも引き締まってて、その上おっぱいも大きい。
ここ重要なので二回言った。
小柄で手足も細いのにあのおっぱいは奇跡と言ってもいい。
いや、彼女のおっぱ……魅力を言葉で語ろうとするのは空しい努力だろう。
とにかく、俺は日本有数、いや、世界一の幸せ者、と言っていいと思う。
彼女にたどり着くまでは色々なことがあった。
いくつもの恋を乗り継いで、何人もの女の子に出会い、傷つき、傷つけられてきた。
高校に入って約三カ月で、俺は何人もの女の子と付き合ってきて、そして、別れた。
それは、自分でも異常だと思う。
振るときは大抵こっちから一方的に振るので、当然一部の女子には嫌われている、を超えて憎まれているくらいだ。
そして、俺は美羽流に出会った。
初めて会った時は、一目惚れだった。
これはまあ、いつもの事だ。
そして、その時には美羽流には俺ではない、別に好きな男がいた。
だから俺も最初は冷たくあしらわれた。
美羽流は見た目も性格も明るく無邪気な子だ。
こんな女の子に真顔で言われたら心を抉られてしまい、並の男なら立ち直れないようなことも言われた。
それでも、俺は諦めなかった。
何度冷たくあしらわれようと、気にすることなく彼女を口説き続けた。
そして美羽流は、好きだった男にひどい裏切りを受けた時、俺がそいつに本気でキレた。
相手は体育会系で、喧嘩したら絶対に勝てない相手だけど、それでもキレて殴りかかろうとして、美羽流に止められた。
それから美羽流の態度が変わっていった。
そして、美羽流からも俺が好きだ、と言ってくれるようになるまで、そう時間はかからなかった。
そして、俺たちは、元から運命的な出会で情熱的にお互いを求めあうように、そして交際に至ることになった。
「陽翔さーん!」
そんな思いをかみしめていると、廊下の向こうから美羽流が走ってくる。
体育会系で、よく弱小運動部の数合わせに呼ばれて試合に出ている美羽流は、廊下に他の奴がいるとか関係なく、ほぼ一直線の全力疾走で走ってくる。
まるで、犬か体育系部活の後輩のようだ。
そして、俺のそばまで来ると、急停止。
「こんにちはっす、陽翔さんっ!」
まるで体育会系の後輩のように元気に挨拶をする美羽流。
「んんんんっにゃぁぁぁぁぁっ!」
俺に会えた嬉しさで、俺の周りを走り回る美羽流。
無意味な元気と喜びの表現は、美羽流の魅力でもある。
その表情は満面の笑顔で可愛い、撫でてやりたい。
だけど俺は、自分から積極的に美羽流に触れないことにしている。
まだ付き合って間もないからあえて我慢している。
「よう、美羽流。今日も時間があるならどこか寄って行こうか?」
「はいっす。お供するっすぅ!」
犬か体育会系部活の後輩のように俺の隣をついてくる美羽流。
「どこに行きたい?」
「陽翔さんの行くところなら、どこでもいいっすぅ!」
どこでもいい、は女が男を試している、とはよく聞くけど、この子の場合、本当にどこでもよく、ヤクザの事務所だろうが、何を訴えたいのか分からないデモの会場だろうが、喜んでついてくるだろう。
「じゃ、今日も公園でのんびりするかな」
「はいっす!」
公園でのんびりするのは、金もかからないし、まあ、ロマンってほどじゃないけど雰囲気も悪くないから最適な場所ではある。
さすがに女の子連れてコンビニ前とかはないからな、目立つし。
カッフェは高いし、フードコートは遠いし、これって場所がない。
特にカッフェはかなり高い。
ラテとかチーノとかつくのは駄目だ。
一杯で遠足のおやつ代より高い。
ホットコーヒーでも二百円以上する。
たまにならいいけど、毎日はつらい。
しかも、一番困るのは、美羽流が二人分、自分が払うとか言い出すことだ。
こっちとしても、本当は二人分払いたいけど、美羽流が自分の分を払ってくれるのはありがたい、くらいに思ってるから逆に二人分払われると困ってしまう。
お互い高校生で、小遣いには限りがあるだろうし、たとえ美羽流がどこかの令嬢でも、付き合っている女の子におごってもらうのは避けたいと思ってる。
「じゃ、自分、飲み物と軽食、買って来るっすぅ!」
そう言って、またどこかに走って行った。
本当、体育会系部活の気の利く後輩のような子だなあ。
さて、俺は先に公園に行っておくとするか。
美羽流を待つ必要なんてない。
あいつはすぐに追いついてくるし、どうしてだか分らないけど、俺が道を変えても、犬のように必ず見つけ出すからな。
多分、元気な子だから、色々な道を走り回って探しているんだろう。
それなのに迷ったとか探したとか、そんなこと一切言わない。
そんな彼女と付き合えて、俺は本当に幸せ者だろう。
俺だってそう思っている。
……はずなんだが。
何故だろう、あんなに情熱的に口説いて、やっとの事で付き合うことになったはずなのに、気が付くと俺の心には、そこまでの情熱はなくなっている。
いや、あの子は、美羽流は本当、俺のタイプだ、おっぱいも大きいし。
物分かりもいいし、気が付くし、将来このまま結婚しても俺は幸せな一生を過ごせると思う、おっぱいも大きいし。
顔はそれ以上に俺の好みで、いや、俺の趣味云々の前に、どこかで雑誌モデルなんてやってるって言っても納得するくらいの顔立ちだとは思う、そしておっぱいも大きい。
スタイルも、身長こそ普通の女の子より拳一つ小さいけど、筋肉が引き締まっていて、モデルのような体型で、もちろん、おっぱいも大きい。
まあ、多少嫉妬深くて俺が他の女の子と喋っていると拗ねたり怒ったりすることもあるけど、それだって可愛さで片が付くし、おっぱいも大きい。
そんな最高の彼女に愛されているのに、何故か、あの時の情熱がなくなってきているのを感じてしまっている。
ああ、またか……そんな思いが、俺の脳内を過ぎる。




