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20話

 旅の準備をテントで済ませると、着替えたウェインさんがみんなを呼んでテントも道具も異空間魔法で閉まった。

 朝日が眩しい良い光景だった。

「ウェインさん、いくら元が男でもアレは止めてくださいよ」

「なんだ山城。朝の泉でのことか?そうはいわれても私は元は男だぞ?意識しても仕方ないだろう?」

「それでも俺は男なんですから止めてください、いいですね?」

「ぐぬぬ」

「あのなんの話ですか?」

 エリザベートさんが質問すると俺は朝起きた泉の出来事を説明した。

「それは確かに困りますね。ここから歩いた先に村がありますから下着と洋服を買いましょう。ウェインさん何ゴールドありますか?足りない分は私が立て替えておきますから」

「にしてもラッキーボーイだね、山城さん。俺なら近づいて胸をだね」

 アルフレッドさんは俺に楽しそうに聞いてくるけど、何がラッキーなのか理解に苦しんだ。

「アルフレッドさん、そういうスケベなことを山城君に教えないでください」

「す、すいません」

 エリザベートさんがアルフレッドさんを注意するころには徒歩の旅は始まっていた。

 そういえば仮にウェインさんが女性だったとして、塔や俺の家で話していたころのような関係になっていたのだろうか?

 なんだかそれを考えるとどこか悲しくなった。

 なぜだか理由は解らなかかったが、今までの男友達とは違う存在感をウェインさんは放っていたのは確かだ。

 いや、単に俺に女友達がいないだけの話だ。きっとそうだろう。

 俺とウェインさんに友情なんて芽生えるはずがない。

 そうただのノートの貸し借りの連中よりちょい上の関係なだけで友情なんてあるとは思えなかった。

 でもそんな俺とウェインさんがこうやって異世界で冒険するのがちょい上の関係なんだろうか?

 考えても仕方ないからもうこの話はよそう、冒険に集中しよう。

 冒険を続けていたら村が見えてきた。

 夕日の光景の中で村を見つけるとなんか幻想的な光景にも見えてしまうのは気のせいだろうか?

「ウェインさん、あれなんて村の名前ですか?」

「アルベジオという男が作った村だからアルベジオ村と言われている」

 ウェインさんにはジェネレーションタワーで身に着けた知識があるから色々なことが知れて便利だ。

「今日は野宿じゃないみたいですね。お風呂にも入れます」

 エリザベートさんがそういうと腰に手を当てて伸びをする。

 大きな胸がエロかった。

 アルフレッドさんは魔物が出ない結界が村に貼ってあるのを知っていたので喜んでいた。

 こうして俺とウェインさんとエリザベートさんとアルフレッドさんはアルベジオ村に向かって下り坂を降りていった。

 ウェインさんの下着とか買わないといけないし、宿屋も見つけないとな。

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