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「モンスター・テイマー」と呼ばれた少年  作者: olupheus
第3章 秋のお祭り騒ぎ!
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ちょっと閑話:豊穣祭前夜のから騒ぎ

本番前にちょっとした閑話です。

お祭りの前の日って、何か特別な感じがしますよね!

 さて、そうこうしている間に、豊穣祭の前日となった。クルム達も喫茶店のマスター、リピアと合流してせっせと準備を進めていたが、

「ん~、もうすぐ暗くなるわね……。みんな、一旦家に帰りなさい」

「え、でも準備まだ終わってませんけど」

 担任のマリーが声を掛ける。フィンがそれに反応した。そう、そろそろ夕方になろうという時間だが、準備はまだ終わっていなかった。

「だから、一旦帰って準備が遅くなるのを家の人に伝えなさい。家の人がいいって言えば戻ってきていいけど、ダメなら明日の朝来なさい」

 と続けて言われて、全員が頷いた。


 それからしばらく。家に戻った子ども達は、それぞれ準備を整えて再び学校に来た。

「今日は学校に泊まっても問題ないわよ。ご飯とかは食堂に行けば食べられるからね。お風呂はシャワー室を使いなさい」

 というマリーの言葉の後、それぞれが作業を再開した。



 またまた時間は経ち。

「「終わった~~!!」」

 空が完全に暗くなった頃、ようやく豊穣祭の準備が終わった。

「お疲れ様。食堂でご飯用意してあるわよ!」

「「「やった~!」」」

 マリーの言葉に真っ先に反応したシモンやクルム達がどたどたと駆けていく。

「あ、コラ、待ちなさい!」

 その後をリピアが追いかける。更に後をミルトニアが続く。フィン達も笑顔で走って食堂へ向かった。


 食堂には結構な人数がいた。学校に通う子ども達だけではなく、出店に協力する外部の大人達もちらほら混じっているようだ。

「クルム達、食堂使うのは初めて?」

「うん、僕たち、午前中で学校終わっちゃうし……」

「あ、そっか。そしたらこっちおいで」

 リピアの先導で、クルムとペルル達5人は受付に向かう。フィンとヴァルター達は先に席取りに動き出していた。


「ここで何を食べたいか言うのよ。はい、これメニュー」


 5人はメニューを見る。目に付いたのは『今日のおすすめ!』と書いてある『カレーライス』。これは以前アルスがギルド本部の食堂で食べた『香辛料の野菜煮込』に通称が付いたもの。何でも、「辛れー(カレー)!」と言いつつもついつい食べてしまうことから付いたそうである。ちなみに、『ライス』は遥か極東の地で取れる変わった穀物で、大地の国で栽培しているそうである。


「「「「「これにする!」」」」」

 4人声が揃った。

「はいはい、ちょっと待っててね」

 カウンターの向こうにいるおばちゃんが可笑しそうに声を掛けた。


 ほかほかと良い匂いのする皿を持って、4人とリピアはフィン達の席へ向かう。それぞれが席につき、

「「「「いただきます!」」」」

 そして賑やかな夕食が始まった。

「明日楽しみだよな!」← シモン

「うん!」← クルム

(コクコク)← ペルル

「いっぱい人が来るんだろうな~!」← ライム

「うん、緊張しちゃうかも……」← カリン

「ヴァルター、空いた時間は私のエスコートしなさい!」← レリア

「え!? う、うん、分かった……」← ヴァルター

「リピア、マスターは?」← ミルトニア

「コーヒー豆を持ってくるって、一旦戻ったわ」← リピア

「クルムがいれば、きっと人は山ほど来る!」← フィン

「新聞にまで載るのか……。気の毒に……」← コナー

「ま、まぁ、文字だけだし、大丈夫でしょ。多分……」← レナルド


「あ、クルムくん!」

 自分を呼ぶ声に振り向くと、授業クラスを一緒に受けている女の子が立っていた。

「クルムくんも今日はお泊り?」

「うん!」

「そっちもか?」

 シモンも女の子の方を向く。

「まあね。大変よ」

「時間できたら見に行くね!」

「うん、待ってる!」

 手を振って女の子は去っていった。



 夕食後は交代でシャワーを浴び、自分たちのクラスに布団を敷く。

「とりゃー!」

 冒険者の鎧のようなパジャマを着たシモンが布団に飛び込む。

「もう、ホコリが飛ぶでしょ!」

 それをライムがたしなめる。

「あいつら、元気だな……」

「夜になればなるほど元気になってる気がするよね……」

 フィンとレナルドが言い合う。二人とも、少し上等な寝間着を着ている。


「ふわあぁぁ……」

 反対に、大きなあくびをして眠そうにしているのはクルム。もこもこの着ぐるみのようなパジャマを着て、目をこすっている。隣でくっついているペルルも眠そうである。

「クルム君、このパジャマどうしたの?」

「うん……」

 もはや眠気に支配されたクルムに、正常な言語を発する意志は無かった。代わりに答えると、この着ぐるみパジャマはクルムを溺愛している筆頭のミラからの贈り物である。

 ペタンと布団に座り込み、そのまま横に倒れ込む。するすると夢の世界に誘われていってしまった。

「もう寝てる子もいるんだから、まくら投げは隣でやんなさい!」

 元気の有り余っている連中は、リピアの一喝で締め出されてしまった。だがすぐに、外からわーきゃー聞こえてきた。

「全く……」

 クルムとくっつくペルルに全く起きる様子は無い。実に幸せそうな寝顔である。

「やっぱり小っちゃい子の寝顔は可愛いわよね……」

「うん……」

 リピアとミルトニアはしばし、クルムとペルルの寝顔を堪能したのだった。


 一方、隣では。

「兄ちゃん、覚悟!」← シモン

「おぅ、来いや!」← フィン

「いつも巻き込まれる恨み、返させてもらうぞ!」← コナー

「コナー、手伝うよ!」← レナルド

「覚悟なさい!」← レリア

「ま、待って、そんなに……、ぎゃー!」← ヴァルター

 正に半狂乱だった。と、そこに、

「あんた達ー、そろそろ寝なさいよ……」

 ミルトニアが入ってきた。

「あ……」

 それは誰の声だったか。勢いよく放り投げられた枕がミルトニアの顔面に……。


 ぼふっ。


 一瞬で静まり返る室内。

 ガッ、という擬音が似合う勢いで枕を掴むミルトニア。

 恐る恐る顔を覗きこむと。

 そこには決して乙女がしてはいけない顔をしたミルトニアが。


「……上等よ! あんた達全員、ここで眠らせてやるわ!!」

「うわあ、鬼が目覚めた! みんな、枕持って逃げろ!」

「なあ~んですってえ~~!!」

 さっきとは微妙に質の違う悲鳴がこだまする。

「ミルトニアまで、何やってるんだか……」

 一人残ったリピアは、クルムの髪を触りながら呟く。豊穣祭前夜のから騒ぎは、マリーがすっ飛んでくるまで続いたのだった。

ちょっととは何だったのか(文字数的な意味で

次回、お祭り本番! 一体どうなってしまうのか!

お楽しみに!

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