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「モンスター・テイマー」と呼ばれた少年  作者: olupheus
第3章 パール・プリンセス<砂漠の真珠姫>
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トラップ・オブ・クイックサンド<アリジゴクの罠>

え~、3週間ぶりです……。

いや~、またカゼ引いたり、色々ありました。

……すみませんでした。どうぞ~。

 それも、いつもと何も変わることのない狩り、のはずだった。いつものように首都近くにサンドワームが現れた、という報告を受け、いつものように依頼を受け、いつものように準備を整え、いつものように出発した。

 ただ、その日だけ違っていたのは、大地の国から子ども達が来ているということ、そして砂漠の環境がどんなものか授業をしているということ。だからそっちの方に獲物が行ってしまわないよう、誘導するポイントの選定には気を使った。

 ……普段より気を付けていたつもりだったんだ。サンドワームが飛び出すポイントも、その後の攻撃も、全てがこっちの想定通りだった。思えば、それが油断だったのかも知れない。

 まさか、追い詰められたサンドワームが首都の方に逃げるなんて、思いもしなかった。そして、サンドワームがむちゃくちゃに地面を掘り返したせいで、子ども達が巻き込まれることになるなんて……。



 首都の外で授業を受けているフィン達が砂を被っている頃、クルムやヴァルター達は案内人に従って首都を見て回っていた。それだけなら普通なのだが、集団の先頭を歩く案内人が問題で、

「どうだ、うちの国は、君たちの国にも負けないくらい、いい所だろう?」

 砂の国の王こと、ビジュ・エーデルシュタインが務めていたのである。

「あの~、王様、公務とかは……」

 生徒の誰かが恐る恐る尋ねると、

「ん? さっき砂嵐が吹いている間に問題ないところまで終わらせといたから、問題ない!」

 と豪快に言い放った。

 周りを見れば、街を歩く予定だった生徒たち、引率の先生、そして王の護衛役の兵士やお付きの文官などなど、何か騒ぎでも起こったのかと思いたくなるくらいの大集団に膨れ上がっていた。はっきり言ってしまえば、往来の邪魔である。

「ぼくたちと一緒で大丈夫なの?」

(こくん)

 更には、ビジュの一人娘であるペルルまでもが付いて来ていた。相変わらずクルム達と一緒であり、本人はとても嬉しそうである。


「さ、次はあそこだな。我々の生命線である、オアシスだ」

 そんな周りの空気などどこ吹く風、ビジュはマイペースに案内を続けていた。そうしてやってきた集団は、周りを柵で囲まれた、大きな湖を目にした。

「我々の飲み水は全てここから賄われる。だから水が蒸発してしまうのを防ぐために、日の通り道に天井を付けてる」

 ビジュが指さした先には、確かに水面に日光が当たらないよう日除けが立てられていた。ただし、オアシスの水面が大きいため、日除けもかなりの大きさだった。

「後、砂漠にはサンドワームって、でかい芋虫みたいな魔物がいるんだが、そいつは水嫌いでな。だからオアシスは魔物除けも兼ねてるんだ」

 へえ~、と一斉に声が上がった。ビジュは満足気に頷き、

「じゃあそろそろ行くか。外にいつまでもいたら暑いからな、少し涼しいところに……?」

 ビジュの言葉は最後まで続かなかった。地面が揺れたからである。

「何だ……?」


 同じ頃、フィン達が授業を行った場所とは反対側で、複数の冒険者たちが首都に近寄りすぎたサンドワームの間引き依頼を受けていた。サンドワームは普段地中にいるため、そのままでは手が出せない。そこで、大きな音を出すことで地中から引きずり出し、出てきたところを集中攻撃するという、よく使われる手段を採ることにした。

 狩りは順調に進んでいた。何回か音を出した結果、付近に4匹潜んでいたことが分かり、うち3匹までを倒すことができていた。

 しかし、残った1匹が突然地中に潜ったのである。慌てて音を出すもつられず。更に振動から推測したサンドワームの進行方向は……。

「首都かよ……!」


 空に光が上がる。色は赤。つまり。

「コード・レッド!?」

 非常事態を示していた。

 振動が更に大きくなる。

「……サンドワームが近付いているのか!」

 ビジュが真っ先に気付いた。

「すぐに建物に避難させろ! 慌てるなよ!」

 そして指示を出した。周りの人間が弾かれたように動き出す。子ども達は不安そうに顔を見合わせていた。見れば、恐怖で泣き出しそうな子もいる。

「みんな、こっちよ! 地面は砂だから焦って走らないようにね!」

 マリーが声を張り上げて誘導を始めた。子ども達は恐怖で怯えている割りには、冷静に誘導に従って動き出した。緊急事態ではあるものの、その様子を見た砂の国の人間たちは妙に感心していた。


 だが全員が避難するよりも早く。

 何かがぶつかる大きな音が響き渡った。

 その方向を見ると、サンドワームがぶつかったことに驚いたのか、地中から姿を出した。

 思わず全員の動きが止まる。

 だが、サンドワームは何をするでもなく、そのまま地面に潜っていった。

「よし、今のうちに……!」

 その言葉は最後まで出なかった。また地面が揺れ始めたのである。

「な、何だ……!?」


 クルム達も誘導に従って避難しようとしていた。見学時に先生たちが背の低いクルム達を気遣って、列の先頭側に配置し、避難誘導は列の最後尾から始めたため、今は結果的に最後尾となってしまっていた。

 ペルルが何かに怯えるようにギュッと、クルムの腕を掴んでいる。見ると、少し震えているようである。

「……?」

 クルムが首を傾げていると、大きな音が響いた。地面からサンドワームが出て来たのである。

(ギュッ!)

 ペルルが更に強く腕を握る。目もつぶり、サンドワームを見ないようにしているようだった。

 やがてサンドワームが地面に潜る。そして直後、地面が大きく揺れた。


 クルムの体がガクンと傾く。訳も分からず周りを見ると、下の砂がある一点を中心に集まり出しているのが見えた。体がそこに向かって引きずりこまれているのである。

 隣にいたペルルも同じように引きずりこまれている。クルムに向けた顔は必死で、恐怖に歪んでいた。クルムは思わず、ペルルが伸ばしている手を掴んだ。

「クルム!」

 事態に気付いたシモン、ライム、カリンが声を上げる。ビジュもペルルの名前を叫んだので、避難誘導をしている人間たちも遅まきながら事態に気付いた。

「おい、ヒモは無いのか!」

「すぐに持ってきます!」

「クルム、掴まって!」

 ライムが手を伸ばすが、既にクルムの体はライムの手の届かないところまで流されていた。

「みんな!」

 クルムも叫ぶ。既に体は半分くらい埋まってしまっている。

「ヒモ、持ってきました!」

「投げ入れろ!」

 何本ものヒモが投げ入れられる。

 それを掴んだ人間はすぐに救助された。

 だが、今にも飲み込まれそうになっていた人間には、遅すぎた。

「クルム!」

「そんな……」

 クルム、ペルル、そして近くにいた子ども、大人数名は、砂に飲み込まれてしまった。

3月に! ゴーストリコンの新作と! キングダムハーツの1.5+2.5のHDverが出るぞ!

HDDの容量が足りない!!(血涙)

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