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「モンスター・テイマー」と呼ばれた少年  作者: olupheus
第1章 覚醒する能力 –メザメルチカラ–
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幕間 クルムという少年

第2章の前に幕間話をどうぞ!

文章ちょっと変なところがあるかもしれませんが、あまり気にしないで頂けるとありがたや~、です。

 あらしのよるに助け出され、ギルドハウスで暮らすことになったクルム。1年足らずでクルムは色んな人々と交流を深めてきた。クルムは周りの人に良く懐いているが、逆に周りはクルムのことをどう思っているのだろうか? 今回はその様子を少しだけ覗いてみる。



 まずはアルスとマルタ。ギルドハウスの運営を行いながら2人で暮らしている。そして、クルムを助け出した張本人であり、現在は親代わりとしてクルムの成長を見守っている。

「クルム、じゃあ今日も魔術の練習ね」

「は~い!」

 マルタとクルムの声が響く。マルタの仕事が落ち着いた頃に、クルムの魔術の練習をほぼ毎日行っている。


「今日は何をするの?」

「今日もイメージの練習よ。お絵かき!」

 魔術を発動するために最も大事な要素がイメージ、つまり自分が魔術でどうしたいかを鮮明に思い描くことである。どんなに魔素を大量に操ることができても、根幹となるイメージができなければ意味がないのである。

 そんな訳で、ただのお絵かきであっても立派なトレーニングになる。決してマルタがクルムの書く絵を楽しみにしているということではない。……多分。


「できた~!」

「あ、ちゃんと描けた? 偉いわね~、よしよし」

「えへへ~」

 ……こんな有様でも立派なトレーニングである、はず。


 その後顔を出したアルスもクルムの書いた絵を見て、マルタと全く同じ反応をした。

 そう、もうお分かりだろうが、アルスとマルタは完全に「親バカ」なのだった。その様はアルスの昔を知る者が目を疑う程である。ただし、悪いことをしたときは(滅多に無いが)きちんと叱るので、「バカ親」ではない、と両名は強硬に主張している。



 アルスとマルタが運営するギルドハウスには、この2人の他、ほぼ毎日ヴェリベルが受付嬢として働いている。こちらに関しては、クルムを自分の弟のように見守っている。だが、見守り方はほぼ「溺愛」のそれであるが。

 クルムは人の様子を観察することに長けているので、忙しそうだな、と感じたときはその人へは寄っていかないのである。逆にその人がちょっと暇そうにしている時などはすすす、と寄っていく。

 これを寄られる方(=ヴェリベル)の視点で見ると、仕事が片付いてしまい手持ち無沙汰な時にクルムが現れるのである。ヴェリベルが嬉しくないはずが無かった。おまけに、ちょっと話をしながら頭を撫でたりすると、それはそれは嬉しそうにすり寄ってくるのである。これがヴェリベルにとって極上の癒しであり、「仕事してる時よりい笑顔してる」と周りに言われてしまう所以であった。


 実際のところはそれだけでなく、アルスもマルタもいない時は保護者代わりにクルムの面倒を見たり、外に出るときは引率をしたりと、しっかりとした「姉ぶり」を発揮していた。……留守中や出先でついつい甘やかしてしまうのはご愛敬である。



 ヴェリベルとは違った意味で「姉ぶり」を発揮しているのは、ギルドハウスを良く利用している冒険者グループの一人、ミラである。最も「溺愛ぶり」は大体一緒なのだが……。

 依頼完了後や出かける予定の無い日などにギルドハウスの休憩スペースでのんびりしていると、それを見つけたクルムがととと、と寄ってくる。その様子を微笑ましく見ながら、

「どうしたの?」

 と声をかけると、

「きょうもおはなしきかせて!」

 というお決まりのおねだりが始まる。それを聞いてからミラは自分が体験した冒険譚を語って聞かせるのである。クルムはミラの向かいにある椅子にちょこんと腰かけて、時々はミラの膝の上で、目を輝かせながら話に聞き入る。ミラにとってはそんなクルムの様子が何よりの癒しなのだった。


 ミラが所属する冒険者グループのリーダーであるグレイブも、状況は似たり寄ったりである。グレイブはその容貌から子どもに懐かれることはあまり無かったのだが、クルムは出会ってから割と早い段階で懐いてくれた。そんなことがあり、今ではすっかりクルムにデレデレだった。



 ミラが冒険譚を話すとき、クルムに加えて近所の子ども達が聴衆に加わることがあった。その子ども達こそクルムと同い年の友人、シモン、ライム、カリンである。最近ではこの4人がどこかに遊びに行く様子を良く見るようになった。


 シモンから見たクルムは「おもしろそうなやつ」だった。ギルドハウスの前で倒れたところを助けられ、そのまま暮らし始めるという話題は、シモンの興味を誘うには十二分だった。そして、その興味のままクルムを誘い始めたシモンは、程なく自分の勘が正しかったことに喜び、益々色んなところに連れ回すようになった。そしてやり過ぎて自分の父親にげんこつを喰らい、笑われるところまでが様式美(テンプレート)と化していた。


 ライムから見るクルムは「年の近い弟」であり、本当の姉弟のように接している。シモンに引っ張られたクルムを始めて見たときは「女の子?」と思ったが、実際は男の子だったと知ったときの衝撃はかなりのものだった。どこかふわふわした雰囲気のクルムを放っておけず、みんなで遊びに行くときはついつい手を引っ張ってしまうのも、最初は自分でやったことながら不思議に思ったが、段々それが当たり前になってきていた。


 カリンがクルムに持つ印象は「自分と似てる」であった。カリンはどちらかと言えば大人しめであり、クルムよりの性格である。そのためか、クルムをのんびりとしたおしゃべりを楽しめる同士として認識している。シモンやライムは活発ではきはきしているので、内心でクルムの存在に安心を覚えたりもしていた。だからか、4人で遊ぶときクルムの隣には大抵カリンがいる。



 いつもは4人で遊ぶのだが、時々その輪に仔犬が混ざることがある。体のサイズはまだ小さく、銀色のきれいな毛並みをしたその仔犬は、どこか狼の雰囲気を宿している。クルムに「フェリ」と名付けられたその仔犬、いや、仔狼は、先日クルムの元に転がり込んできて大人たちを大混乱に陥れた、シルバーウルフの幼体である。だが子ども達から見れば「なんかきれいなワンちゃん」程度の認識でしか無く、可愛い遊び相手でしか無かった。


 フェリはあまり人に警戒心を持たないのか、子ども達とはすぐに仲良くなった。だが飼い主のクルムは特別なようで、クルムがどこに行こうとも後ろを付いて回る。最近ではクルムのベッドにまで潜り込むようになってしまい、一度止めさせようとあの手この手を駆使したが、気づけば一緒に寝ているため、しまいには諦めた、とマルタは語る。だが、朝クルムのベッドをじっと見つめる姿が何度も目撃されており、実際のところはクルムとフェリが寝ている絵を見て、「親バカ」を発動させたというのが正確なところだった。


 なお、この絵を見るためのギャラリーはここのところ増加傾向にあり、ギルドハウスの受付嬢や女性冒険者などがその筆頭である。その光景を見たアルスやグレイブは呆れ顔でため息をついていた。



 以上、周りの人間(一部例外あり)から見たクルムの印象であった。どうやらその外見や立ち振る舞いは庇護欲をそそるらしく、大概の大人たちを骨抜きにしてしまうようである。なお、言うまでも無いが、クルム本人は全くの無自覚であることを付け加えておく。

今度PS4でテイルズの新作出るじゃないですか。

キャラの1人に金髪の子どもいるじゃないっすか。

クルム君のビジュアルイメージは大体あんな感じです。

まあ、クルム君は黒髪ですが。

あと、声はもっと中性的です。タブンネ。

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