Fake
ブラインドの隙間から漏れた朝日の眩しさに僕は起こされる。
上半身を起こし、二日酔いによる頭痛に閉口しながら隣を見た。
一糸まとわぬ姿の女が眠っている。
刺激的な光景だが、僕には罪悪感しか産まれない。
「はぁ・・・。」
ある女性への満たされない想いと共にため息が出た。
いくら、望んでも手に入らない・・・そう、僕には恋焦がれてるヒトがいる。
汚れてる?
その通りだ。確かに望んでない女と僕は、寝ている。
最低?
全くだ。行為の最中でさえ、僕は恋焦がれてるヒトを想像している。
相手に対して失礼じゃないか?
反論の余地さえない。でも、僕が本当に欲しいのはこの女じゃない。
多かれ少なかれ男女関わらず欲求はあるはずだ。
だから、僕はこの女が過去に誰と口付けをかわし、
寝たのか興味も抱かなかった。
あえぎ声交じりに名前を呼ばれたこともあるし、
肉体的な絶頂を迎えることもある。
だけど、決して心が満たされることはなかった。
僕のことを見て、そして僕の名前を呼んで欲しいのはあのヒトだけだ。
男を演じるのは難しいことではない。だからこそ、疲れてしまう時もある。
「はぁ・・・。」
また一つため息が出た。
いつか僕の本当の気持ちを、あのヒトに伝えることができるのだろうか。
了
BGM推奨:岩代太郎『MINIATURE GARDEN』
■今までに寄せられたコメント紹介
by中華
「過激だったかなぁ?」じゃなくて結構過激ですよお兄さん!!(でもそこまで18禁!って訳ではないと私が勝手に思ったからOK)あ、リクエストしたらまた書いてくれるの??余裕がある時に、また何か書けたら下さいませ〜☆
by朧牙@元taishin
一応抑えはしたんだんけど8●1を知ってる貴方だから・・・。切ないというのをKEYWORDにしたって下さい・・・汗。