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出会いと始まり2

 ガツン


 と、衝撃が来た。

 頭痛みたいにズキンとじゃない、ハンマーで殴られたときのような一瞬で強烈なのが来た。

 しかしその頭痛は後に響くわけでもなく本当に一瞬だけ来て後は何も無かったかのように消え去った。でもまあ、そんなハンマーで殴られたような衝撃に一般人であるこの私が耐えられるはずも無く、起き上がった私はまた倒れてしまったんだけど。


「うわっ!大丈夫!?」

「ええ、まあ何とか……」


 私にこんな薬を飲ませてくれやがった男の人は、心配そうにこっちを見ていた。

 予想以上だった……ちょっとどころの話じゃなかった……あんな衝撃でちょっととか、この人頭おかしいのか……?

 私がそんなことを考えていると、


「ずいぶんの無茶をする子だな、その子は。あんな少ない時間じゃ説明も詳しくされてないんだろうに知らない人からもらった薬を飲むとか。どれだけ命知らずなんだか」


 きれいな、でも女性にしてはちょっと低めの声が聞こえてきた。


「フェク」


 私に薬を飲ませた男の人がそういった。するとさっきこの人と一緒に入ってきたつり目の女性がこっちに向かってきていた。


「あれ……?言葉が分かる……?」


 ここで気付いた。最初に聞いたときには分からなかったフェクさん言葉が分かるようになっていることに。

 私のこの言葉が聞こえていたのかその言葉に反応して、フェクさんが私の目の前にいる男の人をきっとにらむ。


「リズム、あんたまた説明をよくしてなかったみたいだね」

「わ、ふぇ、フェクちょっと待って、僕はちゃんとしっかり説明した……と……思う」

「どこまで?」

「と、と、とりあえず言葉が分かるってことは話した!!」

「ほかには?」

「えっと、ちょっと頭痛がするよってことを……」

「ほかには?」

「……それだけです」

「……も一回いってみな」

「…………それだけです」

「はあ……それじゃほとんど説明できてないじゃないか!!まったくあたしやメロディがあれほど…………」


 なんか私の一言がすごい重用だったらしく、なんか説教タイムが始まっているんですけど……

 構図としては叱られている方のリズムさん?(薬を飲ましたひとのほう)がほとんど正座の状態で、フェクさんからの説教を受けている状態だ。 漫画とかでよくある奴っていえば大体分かると思う。

 それで、さっきから私をほったらかしにして一方的にフェクさんがリズムさんをしかっているんだけど、


「それからあんたもだ!!」

「うわぁ!ってわたし?」


 なんかこっちにも回ってきた。


「あんたも一応は知らない人からもらった薬をそうほいほい飲まないの!今回はリズムだったからよかったもののこれが悪い奴らからとかだったりしたらどうするつもりだ!!」


 なんかお母さんにしかられている気分だ。いや、感覚的には弟をしかる姉のような感じだなーと私はフェクさんの説教を聴きながら、そう思った。


「きいているのか!?返事は!!?」

「え~でも、飲まなければ話が進まなそうだったし~」

「そうだそうだ~結局は飲んでもらうんだから一緒じゃないか~」


 そんな感じで現実逃避をしているときにもフェクさんの説教は続いていたらしい。ここで素直に返事をすればいいのに私はちょっと言い訳をしてしまった。しかもそれにリズムさんも乗ってきた。私はともかく(ともかくじゃないけど)ほとんどあんたが原因でしょう。


「やかましい!!」


 フェクさんの一喝、思わず私とリズムさんの体がびくってなる。


「あたしは!!少しは警戒しろといっているんだ!!話が進まない!?時間はたっぷりあるんだからお前ら二人でもっとしっかり話し合ってからにしろ!!少なくともお前ら二人は言葉が通じたんだろうが!!もっと話を!!説明を!!しろといっているんだあたしは!!」


 ここまでいわれたら二人とも「はい」というしかなかった。っていうかここで反抗できる人は相当肝が据わった人か、ものすごい馬鹿で空気が読めない人ぐらいだろう。

 フェクさんは、さっきの台詞を言った後、呼吸を整えてから


「……とりあえず他のメンバー集めて自己紹介をしようじゃないか。言葉は分かるようになったみたいだしな」


 と、ものすごくドスの聞いた声でそう言ってここから出て行った。ドスが利いていたかどうかはともかく少なくとも私にはそう聞こえた。……こんどからフェクさんは怒らせないでおこう。


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