記憶6
なんか変な物を出してすいません。フィクションです。架空な物です。
三日目、誰か気付いていないのだろうか。私が帰りの新幹線に乗っていないことを。現在私は駅の交番に居る。
遡ること一時間前―――
午前中はクラスごとで移動と為っており、スムーズに見学する事ができ時間通りに計画は進んだ。本日最終日なので新幹線帰るため駅に時間通りに到着した。
そこで私は出会ってしまった。
うぅおぉぉー!
ご当地限定ストラップだぁ!
この修学旅行で一番テンションが上がった瞬間だった。同時に担任が点呼を取り終えた所だった。
私は暫くストラップに釘付けに為っており動けずにいた。
何を隠そう私はこの『みのむシっシぃ』シリーズが大好きだ。むしろ愛してると言って過言ではない。
このキャラクターはテレビアニメで子供番組として放映されているが、今一子供受けがよくないらしい。なので、ご当地物のお土産コーナーに並んでいる事は奇跡に近かった。何より主要キャラクターが全種類揃っている。一つのキャラクターに二型あり、五種類のキャラクターなので十種類のストラップが他の人気キャラクター達の合間にヒッソリと並べられていた。
勿論、即購入決定。全種類、三個づつ購入。使用、保管、予備のため絶対に必要な数だ。
急いで買い物カゴを引っ掴んできて振るえる手でストラップを丁寧にカゴに入れた。
その時既に辺りには本校教師、生徒は居なかった。
ーーーそういう訳で、置き去りにされた私は交番にいる。
ストラップを買った私は帰れるだけのお金を持っているはずもなく、取りあえず担任に連絡。迎えにくるという事で待ち合わせ場所交番となった。到着にはどう見積もっても一時間は掛かるため中で待たせて貰うことにしよう。
交番の方に俯き加減で申し訳なさそうに置き去りにされ、ここで担任を待たなければならないと伝えると椅子を勧めてくれた。更に、お茶とお菓子も勧めてくれた。
出されたお茶が美味しいっ!お茶請けに出された羊羹がとてつもなく美味しいっ!
このお茶と羊羹何処のお店の物ですか?買って帰れないことが残念だ!なんて話したら、お茶と羊羹をお土産として頂いた。
そんな悪いですと遠慮していたが、向こうも貰った物だし馴染みがある物だから貰って構わないという事だそうで満面の笑みでお礼を述べ頂戴した。
それから、お茶や和菓子について話をして羊羹のお代わりを頬張っている時、
「すいませーん!うちの生徒が………」
慌てた様子で交番に入り、笑顔で羊羹食う私を見てほおけた顔した担任は次の瞬間、項垂れていた。