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記憶1

初投稿です。

お手柔らかにお願いします。

楽しんで貰えると嬉しいです。

 私は独りが好きだ。何時からかなんてわからない。思い起こせば、かなり根深く幼いときからだったと思う。


 きっかけでも、とりあえず思い出してみることにしよう。


 直ぐに思い当たる節はある、高校時代に。





 同じグループの人から良くある誘いを受けた。


「トイレ、一緒に行こうよ」


 しかし、昨日読んでいたホラー小説が面白過ぎたため、一睡もしていない。よって椅子に接着材でも塗られて離れないお尻があった。さらに、枕代わりとして机の上に丸めて置いた、いかにも体操着という真っ青な枕をヨダレで深海に近い色までにに染め上げていたため、次のように答えてしまったのは仕方がない。


「勝手に行ってくれば?」


 なんて酷い奴なんだ、私は。


 コミュニケーション=トイレで成り立っている学生であるため、友達無くすこと間違いなしだろう。


 でも、その子は優しい子だった。酷い言葉を掛けた私に、微笑みながら話し掛けてくれた。


「そっか、じゃあ先に皆で行ってるね」


 ニッコリ笑ってくれる。


 私を含め4人グループの内、3人でトイレへ向かい戻ってきた。


 何を話したかはわからないが、彼女達に気づき、あまりに面白かった小説を教えてあげようと話し掛けた。


「お帰り、このホラー小説読んだことある?」


 三人に聞いてみる。


「えっ!うっ、ううん。知らないかな?」


 私に話し掛けてくれた優しい子は苦笑いで言った。


「ってか、興味無いし……」


 もう一人は言った。


「別に、どうでもいい」


 最後の一人は言った。





 なんとも言い難い空気が流れた。


 グループと私との間に、亀裂が入りつつあるが気づきはしなかったため、毎日のようにトイレの誘いを断る。微笑んで話し掛けてくれた女子は、いつしか私を誘うことはなってしまった。


「トイレ言ってくるね」


 誘いから報告になり、


「うん……」


と答える。


 読書中であった私の返事は二文字になってしまった。素っ気なさ過ぎる対応となった。


 同じ対応をした結果、暫くするとお声はかかることは無くなり、おかげで休み時間は読書か睡眠の時間に当て、穏やかに過ごすことができた。


 私が心穏やかに日々過ごしている間、同じグループで私に笑顔で話し掛けてくれた優しい子は、イジメ受けたらしく不登校生徒となっていた。どうやら、グループ内だけではなくクラス全体でイジメが行われていたらしい。


 風の噂で聞いただけだが……。





 ただ高校時代の友達だったと言えるのは、同じグループの女子達だけだと思う。


 しかし現在になって考えると友と呼べるものかは怪しい。一緒にいるだけで友と定義するならば、いつも一緒にいなかった私は友達ではなかったと言える。

 高校時代には全く気が付かなかった。





 うーん……。


 この時、既に独り好きだったと言えよう。


 きっかけ探しに、さらに遡ってみることにしよう。

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