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もし、明日会えなくなったら  作者: 櫻木サヱ


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9/10

明日への光

震災から数週間、町には少しずつ日常が戻ってきた。

倒れた家の跡地には、新しい家が建ち始め、子どもたちの声が遠くで響く。小さな商店も営業を再開し、人々の笑顔が町に戻りつつあった。


家族は瓦礫の片付けを手伝いながら、少しずつ暮らしを取り戻していた。

朝、母が作った温かい朝食を囲み、父と姉、弟と笑い合う時間――それは、震災以前の日常とは少し違うけれど、確かに幸せだった。


弟は庭の小さな花を見つめ、姉はその花に水をやる。

「ほら、まだ咲いてるよ」

母が微笑むと、父も小さく頷き、家族全員の目が優しく光った。


夜になると、家族はそっと外に出て、満天の星空を見上げる。

「星は、昨日も一昨日も、ずっとここにあったんだね」

姉がつぶやく。

「そうだね。でも、今はこうしてみんなで見られる」

母は弟の肩を抱き、父もそっと手を重ねる。


小さな日常、何気ない笑い、互いのぬくもり――それらは、失われることのなかった宝物だ。

そして家族は知っている。どんな困難が訪れても、手を取り合えば乗り越えられることを。


明日も、明後日も――普通の日々が続くかはわからない。

でも、今日を生き抜いた家族は、未来に希望を灯す力を持っている。


――瓦礫の町に、そっと光が差し込む。

それは家族の心に宿った、永遠の「明日への光」だった。


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