明日への光
震災から数週間、町には少しずつ日常が戻ってきた。
倒れた家の跡地には、新しい家が建ち始め、子どもたちの声が遠くで響く。小さな商店も営業を再開し、人々の笑顔が町に戻りつつあった。
家族は瓦礫の片付けを手伝いながら、少しずつ暮らしを取り戻していた。
朝、母が作った温かい朝食を囲み、父と姉、弟と笑い合う時間――それは、震災以前の日常とは少し違うけれど、確かに幸せだった。
弟は庭の小さな花を見つめ、姉はその花に水をやる。
「ほら、まだ咲いてるよ」
母が微笑むと、父も小さく頷き、家族全員の目が優しく光った。
夜になると、家族はそっと外に出て、満天の星空を見上げる。
「星は、昨日も一昨日も、ずっとここにあったんだね」
姉がつぶやく。
「そうだね。でも、今はこうしてみんなで見られる」
母は弟の肩を抱き、父もそっと手を重ねる。
小さな日常、何気ない笑い、互いのぬくもり――それらは、失われることのなかった宝物だ。
そして家族は知っている。どんな困難が訪れても、手を取り合えば乗り越えられることを。
明日も、明後日も――普通の日々が続くかはわからない。
でも、今日を生き抜いた家族は、未来に希望を灯す力を持っている。
――瓦礫の町に、そっと光が差し込む。
それは家族の心に宿った、永遠の「明日への光」だった。




