再開への道
瓦礫の町を歩きながら、母は父と弟の手をぎゅっと握りしめた。
「姉ちゃんを、絶対見つける。」
声に力を込め、心の中で何度も繰り返す。弟も小さくうなずく。
町のあちこちで、人々が助け合いながら再建に向けて動いていた。倒れた家を片付ける人、傷ついた友を抱き起こす人、手を取り合う姿は、小さな光のようだった。
母はその光に導かれるように、一歩一歩前に進む。
ある時、避難所で知り合った女性が言った。
「東の公園のテントに、女の子が一人でいるって聞いたわよ。」
心臓が跳ねた。母は急ぎ足で向かう。父も弟も、母の背中に続く。
公園に着くと、見覚えのある小さな影がテントの中に座っていた。
「姉ちゃん…?」
弟が震える声で呼ぶと、少女は顔を上げ、目を丸くする。
「…弟?」
姉は言葉にならない驚きと安堵の入り混じった表情で、ゆっくりと駆け寄ってきた。
母は涙を溢れさせ、姉を抱きしめる。
「よかった…無事でいてくれたのね。」
姉も母にしがみつき、弟と父とも手をつなぐ。
離れていた時間の恐怖や不安は、再会の温もりで溶けていった。
――家族は再び一つになった。
瓦礫に囲まれた町の中で、彼らの小さな奇跡は、希望の光となって静かに輝いていた。
夜、疲れ果てた体を休めながらも、母はそっと呟く。
「どんなことがあっても、私たちはまたこうして笑えるんだね。」
姉も弟も、小さくうなずき、夜空に瞬く星を見上げた。




