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1on1

 2点先に取られちゃったのは結構痛いな。

 ここはなんとしてでも守らないと。



 ユズカさんのオフェンスが再開される。最初と同じようにジャブステップで反応を探ってきた。

 私の予想だとこの人の弱点は……



 (む、ディフェンスが変わった?)

 キラリのディフェンスは私に左ドリブルをつかせないレベルのきついディレクション、

 (これじゃ左側は使えないか……なら!)


 体をキラリとボールの間に差し込みながら右ドライブを仕掛ける。ディレクションをかけすぎなおかげで簡単にズレを作ることができた。

 (よし、今度はサイドステップで……)

 ボールを外側に力強くつき、その反動を使いながら大きく右に移動し、シュートを放つ。が、

 (あれ、付いてきてる)


 ガコンッ


 放たれたボールはリングにはじかれそのまま地面に落ちた。


「あちゃー、外しちゃった」


 といいながら左手を額にコツンとする。


 予想通りユズカさんの弱点は右側のドリブルだろう。

 右ドライブで抜き切れる自信がないからサイドステップでシュートをうちに行ったんだ。

 

  

「じゃあキラリちゃんのオフェンスね!」


 外れたボールを拾いボールを手渡される。

 よし、反撃開始だ!

 



 キラリちゃんのオフェンスが始まった。

 様子見のためにワンアームの距離でディフェンスにつく。

 ピボットも踏まずにドリブルをついてきた。相当ドリブルに自信があるんだろう。ドライブを警戒する。

 ターン、ターン、ゆるいリズムでドリブルをつき、こちらの様子を伺っているようだ。

 彼女が私からボールを隠すように体を半身にしたときだった。

 瞬間、足を素早く交差させ素早いドライブが襲いかかる。

 (シザークロスオーバー!)

 完全に逆をつかれた私はあっけなく抜かれフリーでレイアップを決められてしまった。


 (この子……速いだけじゃない。緩急がエグいなぁ。こりゃディフェンスするの大変だぞ)


「キラリちゃん速いね!私もそんくらい速かったら良かったなー」


「ありがとうございます……」


彼女は自信のなさそうな返事をする。


 ボールを拾い、キラリちゃんのオフェンスが再開する。

 今度はさっきよりもドライブを警戒してディフェンスしよう。


 今度も、オフェンスをドリブルから始めてきた。

 クロスチェンジ(左右のドリブルで移動させるドリブル)、レッグスルー(股下を通して左右のドリブルを移動されるドリブル)を連続して行い、反応をみてくる。

 私はチェンジのタイミングにあわせて手を出した。

 それを待っていたかのように力強い右ドリブル。私はそれに対応すべく前へでる。が、それはフェイク。股の後ろを通すレッグスルーをしてドライブをストップする。と、同時にもう一度レッグスルーをして私を揺さぶる。

 正面の位置からズレた私をさらに彼女のドリブルが襲いかかる。

 クロスチェンジ、レッグスルー、素早くドリブルをつき、

 (来る!)

 予想通り右ドライブ、かと思われたがすぐさまクロスチェンジで方向転換。が、なんとか左ドライブに並走する。

 彼女はペイントエリア(ゴールを囲う長方形のエリア)に侵入すると体をコンタクトさせスペースをつくりレイアップを放つ。

 ボールはボードを跳ね返りリングに吸い込まれた。

 

 (切り返し本当に速いなぁ……羨ましい)




 これで2-2なんとかイーブンに持ち込めた。このままこっちのペースに持ち込んで勝つ!

 と、キラリが意気込んでいたときだった。


「ちょっとそこの若い子たちー!」


 またも後ろから声をかけられた。

 後ろには20〜30代にみえるお姉さんが3人。

 彼女たちもスポーツのカッコをしており、バスケットボールをもっていた。


「どうしたんですかー?」


 ユズカさんが答える。


「よかったら私たちと3on3、どう?」


 笑みを浮かべながらそう提案するお姉さん。

 3on3のお誘い……


「どーする?」


 ユズカさんは私に向けて尋ねる。


「私はどっちでも……」


「マイはもちろんやるでしょ?」


「うん、ユズカがやるなら私もやる」


その返事を聞き満足そうに頷くユズカさん


「じゃ、お願いします!!」 

 

こうして、私の人生をかえる3on3は始まるのだった。

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