表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
今日から怪人ですか  作者: ねむたいからのねこ
8/25

8.第二王子

クライシスがくれたリンゴを見ていると、お腹の音が鳴った。

ククッとクライシスが笑う。

「やはり、お前も人間と同じなんだな。」

そうなのか?

この身体は人間と変わらないのかな?

黒い岩がちょっとついていて、見た目がちょっと怪物くらいなんだな。


いや、全然ちょっとじゃないけど。


「お前の名前はなんていうんだ?」


クライシスが訊いてきた。


「怪人岩いーわ…。です。」


「カイジン?怪物じゃないのか。いわいーわ…。お前の中身の名前はなんだ?」


「ヤマダA子です…。」


クライシスが黙った。

どうせ名前もパッとしないよ。

「お前は黒いからクロだな。俺のことは、アルジと呼べ。」


はぁ?

「この家には、風呂、トイレがあるから好きに使っていい。2階は俺が使うから入ってくるなよ。寝る時はそこのベッドを使え。詳しくは明日話す。」


クライシスが階段を上がって行った。


丸のままのリンゴをかじる。

リンゴが柔らかい?

いや、私の顎の力が強いのか。

3口で食べてしまった。

普通の人間じゃないなぁ…。

ま、なるようにしかならないかぁ…。




翌朝、ベッドで寝ていると顔や腕をペタペタ触られているのに気がついた。

目を覚ますと、眼鏡の少年と目が合った。

驚いて声が出なかった。

魔道具オタクの第二王子、ブラストだった。

ひぇぇ…。好きすぎる。

ブラストはにっこり笑って

「身体の一部の岩、ちょーだい。」

と言った。



私はフリーズした。

「…い、いやです。」

かわいい顔して怖いこと言う。


「だよねぇ。ふふ。」

見た目が少年なだけで、ブラストは大人だ。

自作した魔道具の腕輪で、見た目を変えているのだ。

「かわいい弟がさ、珍しく僕を頼ったんだ。たまには良いところを見せないとね。」

にっこりしている。

なんか怖い。

「左手を出して。君にプレゼントがある。」


怖いなぁ。

ゲームでこういう展開あったっけ?

確かにプレゼントのシーンはあったけど、こんな感じじゃなくて…。 

うーん。

そんな私を無視して、ブラストは強引に私の左手首を掴んだ。

えっ?

カチッと音がした。

左手首に腕輪をはめられた。


「これ、僕からのプレゼント。ちなみに僕にしか外せないからね。」


怖すぎる。

にこにこしているし。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ