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今日から怪人ですか  作者: ねむたいからのねこ
16/25

16.信じられない

魔物の中で一番可愛いのは、ハーゼだ。

ハーゼは野うさぎの形に近い。

行動は夕方から夜明けにかけてだったはず。 

詳しく思い出そうとした。


サンドイッチをじっくり見た。

「さっさと食え。マオスが見てるぞ。」


え?私の横にちょこんと座っているマオを見る。

マオは、サンドイッチを穴が開くほど見ている。

「ちょっと食べる?」


マオが首を縦にぶんぶんふった。

サンドイッチが6個あったので、ひとつ手渡した。

「ども!」

受け取ってすごいスピードで食べ始めた。


体の割に食べるなぁ。


「さっさと魔物を倒したい。まとめて一網打尽にする方法はないか…。クロはどう思う?お前の祈りで全部なんとかならないのか?」


「えーっと多分なんですけれど、祈りは1日3回しか使えないかもしれません。

それと、祈りってそんなに万能じゃないかと…。」


私にもっと力があれば違うかもだけど。

そうすれば、ティーガーだってもしかしたら仲間になったかもしれない。


「クロ、俺の恋人になるか?」


は?何言ってんの??この人は???

聞き間違い?????


呆然とアルジを見た。

全然私のこと好きじゃないじゃん!!!

感情がっ、表情がっ、無の顔じゃんっ!!!


「な、な、な、何言ってるんですか?」

どもってしまった。


「強くなるために、必要なんだろ?」

正面に座っているアルジが、私の左手を握って引き寄せてきた。


え?え?え?え?え?


アルジの胸に飛び込んでんじゃん!!!!!

しかも、ぎゅうぎゅうに抱きしめられた。

力、強い!この身体だから平気だけど。

は、は、は、鼻血でるよ!これは!!!

意識が飛びそう…。




「うーむ、やっぱり無理か。いけると思ったが。」


そ、そりゃそうだよ。

告白していないのに、振られた気分だ。

なんか、悲しい。

ってか、早く離してほしい。




口になにか柔らかいものが触れた。

それが、アルジのくちびると気付くまで、数十秒かかった。




フリーズした。




「なっ、なにするんですか!!!」

我に返って、ジタバタした。


「嫌だったか?俺の接吻。」

アルジが理解できないという顔をした。

これだから、モテる男は。


「い、嫌とかそういうことじゃ…。」


「あっ、今、魔力量が増えたな。」


ん?


「お前と親しくなれば強くなる、は本当だったか。」 


いや、分かっていたけど。

酷くないか?




「げー!オレの身体で何やってんだ!!」


甲高い女の子の声が聞こえた。

声の方角に視界を移すと、聖女がいた。


「せ、せ、聖女きたっ!!!」


「だーかーらー、オレはせいじょじゃねー!!!身体返せよ!!!」


聖女が全力ダッシュで向かってきた。

怖い。顔は可愛いのに、めっちゃ怖い。


「む、無理です。」

思わずアルジの後ろに隠れた。

隠れきれてないけれど。


「気持ちわりいな!!オレの身体でそんな動きすんな!」


アルジが聖女に

「あなたの力が必要なんです。魔王を封印してくれれば、身体を返しますから。協力してください。」

と言った。


「断る。オレには関係ない。」


「あなたもケイに騙されたのでしょう?」


聖女は激怒した。


「ケイを知っているのか!?どうすれば会える!?」


「魔王を封印すれば会えますよ。封印できなければ、この世界は亡び、私も貴方もみな消滅する。」


「協力するしか道はないのか、ちっ。仕方ねーな。分かったよ。ところで、魔王って、あの魔王か?」


どの魔王?


「知っているのですか?」


「ブラストに聞いた。」



ブラストと一緒にきたらしい。

「ブラストは?」

魔石が欲しいからって、オレをそこまで赤い馬で連れてきて、先に行った。」


えー!?

自由すぎでしょ。


魔物を全部、魔石にするつもりか…。



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