表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
今日から怪人ですか  作者: ねむたいからのねこ
14/25

14.1番目と2番目のやつ

ヘミング(ドラゴン)に乗り、いきなり祈りの森へ向かうつもりらしい。


アルジに手伝ってもらい、ヘミングに乗せてもらった。

ヘミングを撫でながら、

「よろしくね、ヘミング。」

というと、ヘミングが鼻息で答えた。

後ろにアルジが乗った。

か、か、体が密着している…変な汗が出る。

男性と付き合ったことがないのに、こんなイケメン耐えられない。

なんか、いい匂いするし。

イケメンってやつはいい匂いがするのか?

いやいや。

そんなわけない。



「飛行中は喋るなよ。口を閉じておけ。

行くぞ、ヘミング。」


ヘミングがひと鳴きし、飛び上がった。

祈りの森まで徒歩だったら、かなり時間がかかるはずだった。

途中で魔物を倒し、アイテムを手に入れたりして、武器を強化したり、恋のイベントが発生するはずだったのに。


現在は騎士団が魔物が街に行かないように食い止めているはず。

そこから逃れた魔物が、なんだっけ?

「マオスとオクセか!?」

アルジが突然言った。

そうそう、マオスと、え?

「魔物がもうここまで来ているのか。離れて降りるぞ、ヘミング!」


やばい、ゲーム通りか。

1番目と2番目の魔物。

キャラデザ担当の方が、ドイツの大ファンで、ドイツ語と十二支を掛け合わせた奴。

思いつきすぎるだろ!

え、てことはここから魔物退治になるのか。

できるのか、私に?


マオスはねずみ、オクセは牛がモチーフになっている。

しかし、全然可愛さがない。

オクセの肩にマオスが乗っている。


「クロ、自分の身は自分で守れよ、俺はあいつらをさっさと倒してくる。」

アルジの手には、いつの間にか弓が握られていた。


アルジが弓を構えると、光の矢が現れてそれはたちまちオクセ目掛けて飛んで行った。


矢がオクセの核に刺さり、オクセの姿は消え、代わりに魔石が現れた。

この時代の魔石は、鉱石を加工したものが流通している。

この国で魔物から取れた魔石が手に入ったのは、前回の魔王封印以来ではないか?

表向きはだが。

魔物魔石の価値は、計り知れない。


マオスが逃げたが、アルジが次の矢を放った。

さくっと仕留めた。

マオスは魔物魔石へと姿が変わった。

先ほどの魔石よりも小さい。

アルジが魔石を2つ拾い上げた。

「伝承通りだな。」


アルジに駆け寄ろうとすると、左からマオスが現れて、腕輪を噛まれてしまった。

ガチンと音がした。

もう1匹いたのか!!

「ぎゃあ!!」

 私は悲鳴をあげた。


マオスがさらに攻撃をしてこようとしたその時、

腕輪が一瞬光った。


私はまたあの姿になったらしい。

 

そう、怪人岩いーわの姿。


「大丈夫か!?クロ!!」


アルジが叫ぶ。

大丈夫かどうかは分からないが、マオスを無意識で掴んでいた。


「これ、どうしよう…。」


私の両手の中でマオスがブルブル震えている。

よく見ると可愛いかもしれない。

ちょっと邪悪な顔しているけど。


アルジが何かを思いついたらしい。

「おい、クロ、ちょっとそいつに祈りをかけてみろ。」


ええ?


「出来るかどうか分かりませんが…。」


「いい、さっさとやれ。単純に見たい。」


ええ?祈りのやり方は知らないけど、とりあえず目をつぶって、神様に一任するか…。


私は目を閉じて、

「神様!よろしくお願いします!!」

と心の中で叫んだ。


数秒経って目を開けると、手の中にいたマオスはつぶらな瞳でこっちを見ていた。


邪悪さがなくなっている。

え?どういうこと?

「じろじみんなよ、くろいやつめ。さっさとはなせ!」


え?喋っているし、口悪い。

な、なんだ。


「ふん、おまえらのなかまになってもいい。」


「燃やすか?」

アルジがぼそっと言うと、マオスが慌てて

「なかまにしてください。」

と媚びてきた。

「クロの好きにしていい、ただ俺はそいつに触りたくない。」


マオスがうるうるした瞳で見つめてくる。

「絶対、人を襲わないと約束できる?」

「おまえ、ひとじゃねーじゃん。」


うっ、痛いところをつくな。

「人と私を襲わないと約束しないと無理だからね!ね!」


「わかった。おれ、うそつかない。」

マオスが必死に頷いた。


「破ったら燃やす。」

アルジが興味なさそうに言った。












評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ