表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

テーマ詩集:冷蔵庫

黄身のない卵 きみのいない世界

作者: 歌川 詩季

 三大卵料理、揃い踏み!

 黄身のない 目玉焼きが

 光なく

 (にご)った白眼(しろめ)を むくように

 きみのいない 世界は

 焦げつきながらも ひろがるけど

 やっぱり まんなかの もりあがりに欠けて

 ソースと 醤油の

 どっちをかけるのか とかは

 そんなの もう どうだっていい



 黄身のない ゆで卵が

 殻を割られて

 つるんとした白身だけに むかれるように

 きみのいない 世界は

 しもぶくれの 楕円を(えが)くけど

 ぽっかり まんなかに 空洞ができて

 マヨネーズの カロリーは気になるし

 塩をつけてかじろうか とかは

 そんなの もう どうだっていい



 黄身のない 玉子焼きが

 無記名の

 表札みたいな白い顔 見せるように

 きみのいない 世界は

 声を()らして 呼ぶ名前も

 わずかな焦げ模様から 読みとれる面影もなくて

 甘いのと 塩辛いの

 どっちが好きなのか とかは

 そんなの もう どうだっていい

 卵白も、おいしいですし。

 いろんな料理に使われますよね。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点] 最近、中森明菜さんの曲「横浜 A KU MA」を知りました。歌謡曲とは言え、初めて聞く曲で、特にその「歌詞」が、先生のこの詩集の雰囲気似ています。一度ユーチューブ等で聞いて下さい。あくまで…
[良い点] 各種卵焼き料理に因んだ きみのいない世界の表現 [気になる点] 黄身のない玉子焼きって作れるんでしょうか… [一言] 言葉遊びのような出発点から こんなふうに世界観を広げられるところは 本…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ