表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
見習い冒険者サクラと不思議な霧の塔  作者: ノノノ
不思議な霧の塔編
8/68

第7話 普通死ぬ

 ――霧の塔、挑戦回数2回目――

【名前:サクラ 職業:見習い冒険者】満腹度100/100

 レベル 8 HP 60/60 MP 40/40 攻撃力33(+7) 魔力 30 素早さ 27 防御力12(+10)

 装備:ソード+1(+7) 皮の服(+5) バックラー(+5)

 所持技能:剣の心得Lv3 盾の心得Lv1 Lv1 挑発Lv1 投擲Lv0 素手の心得Lv1

 所持魔法:マジックアロー、ファイア、ファーストエイド、アイス

 特殊魔法:霧の魔法(ルック、マジックボックス、オープン)

 所持アイテム:8/20 銀貨0枚 銅貨0枚 魔石3個(低質)


【回復ポーション2個】【魔法の霊薬2個】【大きなパン】

【雷の杖(2)】【風の杖(3)】【毒消し草】


 □購入したアイテム

【魔法の霊薬】2個購入 (銀貨4枚×2)

【大きなパン】1個購入 (銅貨5枚)

 家に預けた残りの残金 銀貨30枚


 補足:魔導書以外の不要なアイテムは売却済み。

 魔石は投擲用に3つ残してすべて売却。


 ――霧の塔6階――


「はあっ!」

 私はゴブリンに向かって剣を振り下ろした。


『ギャッ!?』

 その一撃でゴブリンは煙となって消えた。


「よし、次はっと」

 私は6階を悠々と進みながら探索する。

 部屋に入ると2匹以上の魔物と遭遇することが多くなった。

 ゴブリンくらいならば一匹をすぐ倒すことで、一対一の状況を作って戦える。


「お、剣だ。どれどれ?」

 ゴブリンを倒した場所で剣が落ちていたのでそれを拾い、

 <ルック>で性能を確認する。


【名前:ショートソード+2】

 効果:安価で通常の剣と短剣の中間の長さの剣。基本攻撃力+3


「び、微妙……」

 +は、高いとその分攻撃力が高くなるようだが、今の装備より弱い。

 それでも売れば一応銀貨1枚程度で売れるので、

 マジックボックスに入れて持っていく。


 今のところ敵の強さは4階と同程度だ。

 むしろ魔法使いの魔物と出会ってないので少し簡単なくらい。

 そういえば今回まだ一度も魔法を使ってないな。


「魔法の練習もしないとね」

 魔法だってある程度使いこまないと上位の魔法を覚えることが出来ない。

 MPとの兼ね合いもあるが、まだ試してない魔法をあるし強敵が現れたら試していこう。


 それから更に探索すると、新たな魔物に出会った。


『グオオォ……!』

「え?……うわ、大きい」

 そこには今まで見たことの無い大きさの熊型のモンスターがいた。


「強そう……<ルック>」

 私は今度は新しい魔物に魔法を使用する。


【名前:クマー】種族:クマ型の魔獣 Lv1

 説明:初心者用の狩場に現れる大型の魔獣。動きは鈍重だが力は強い。


「こんな見た目だけど、それでも初心者が戦う魔物なんだ……よし!」

 私は距離が詰まっていないうちに魔法で戦うことを選択する。


「まずはこの魔法、<ライトニング>!!」

 私はバックラーを外して左手で魔法を使用する。


 指を差した敵を感電させる初級攻撃魔法だ。

 要は【雷の杖】と同じ効果。ただ威力的には私の方が劣る。


『グアァ!!』

 命中したクマは悲鳴を上げて大きなダメージを与えた。

 しかし、弱っているとはいえまだ倒せておらず、遅いが一歩ずつ迫ってくる。


「もう一回! <ライトニング>!!」

 私はもう一度同じ魔法を使い追撃する。

 そして今度こそ闇の粒子になって消えていった。


「ふう……。なんとかなったぁ……」

 私はその場に座り込んだ。

 6階で初めて戦った相手だったが、何とか勝てた。


「初級魔法二発でようやくかぁ……今の私にはきつい相手かも……」


 初級攻撃魔法のMP消費は4で今2発使ったからMP8消費したことになる。

 私の今の最大MPは40だから最大でも10発しか使えない。

 しかも<ルック>の魔法すらMP1消費するのだ。MPの無駄は出来ない。


「一発だけ魔法使って後は接近して攻撃するとか?うーん……」

 あの剛腕と鋭い爪で殴られたら、

 いくら装備があっても死んじゃいそうなんだけど……。

 

 それに、今の武器だと絶対力不足だ。

 あのクマに一撃与えるならもっと強力な武器が欲しい。


「じっくり探索して、宝箱とか落ちたアイテムを探さないと……」


 武器でも防具でもいい。

 今の私だと攻撃力も防御力も全然足りていない。

 

 そう思いながら6階を探索する。

 道中に出るコボルトやゴブリンは相手にするが、

 クマーは基本近づかないようにしている。

 動きが遅いため逃げ切るのは難しくなかった。

 

 そうしていくつかのアイテムを拾ったがめぼしいものは今の所見当たらない。


「【皮の盾】【ショートソード+3】【回復ポーション】【銀貨8枚】」


 どれもこれもいまいちなものばかりだ。

 やっぱり落ちているものを期待して探索するのは効率が悪いかな。

 この階を探索し始めて結構経つけど未だに宝箱一つ見つかってないし。


「そろそろ7階に行こうっと」

 既に7階の階段は発見している。お腹が空かないうちに先に進もう。


 ◆


 ――霧の塔7階――

 7階に着いた私は早速辺りを見渡す。


「え、何処……ここ?」

 今までの階層と違って森のような場所だ。ここ一応塔だったんだけどね。


「不思議な場所とは聞いてたけど、本当に変な場所だね……」

 もしかしたら今までと全然違う魔物が出てくるかも、

 そう思って慎重に歩みを進める。


 すると、目の前に何か形のない水みたいな魔物が現れた。

「あ、こいつ知ってる。確かスライムって名前の魔物だったと思う」

 あまり強いって聞いたことは無いけど……。


「えいっ!」

 とりあえず近くにいた一匹に剣で斬りつけてみる。

 しかし、全く手ごたえがない。


『……』

 スライムはこちらの攻撃を無視して粘液を飛ばしてきた。

「うわっ!?」

 私は身を捻って躱して、一旦距離を取る。


「こ、攻撃が効かない!!」

 物理無効なんてズルくない!?

 そう思っているとまた別のスライムが現れて飛びかかってきた。


「きゃあっ」

 咄嵯にバックラーで防ぐ。

 どうしよう。魔法を使う?いや、魔力はまだ温存しないと……。


「あ、でも何か体の中に玉みたいなものが……!」

 私はスライムの中にある球体を剣で突いて攻撃してみた。


『ピギャッ』

 と、突いた時に悲鳴なのか水の音なのか分からない音が響いた。

「当たった!」

 スライムはそのまま消滅し、

 同時に体内にあった球が地面へ転がり、少し遅れて消滅した。


「やっぱり、これが弱点なんだね」

 しかし、片方に気を取られて過ぎていた。

 もう片方のスライムがいつの間にか足元に寄ってきていた。


「しまっ―――!!」

 気づいた時には遅く、その瞬間体が宙に浮かび上がった。


「うわああぁっ!!」

 私は咄嗟に左手のバックラーで防ごうとするが、粘液をいくらか浴びてしまう。


「痛ったた……」

 一旦距離を取って、私は粘液を被った左手を見ると赤く腫れあがっていた。


「火傷……みたいになってる……」

 これじゃ盾として使えないよぉ……!

 私が混乱しているうちにも他のスライムたちが襲ってくる。


「ああ、もう!<ファイア>!!」

 慌てて魔法を使って一気に攻撃する。

 基本単体対象だが、これだけまとまっていれば範囲攻撃が出来る。

 周囲に集まってきたスライムはファイアの魔法でより燃え上がり、

 そのまま全部消滅した。


「ふう……。やっと倒せたぁ……」

 今の私には厳しい相手かもしれない。

 一応、体の中の核のようなもので攻撃すれば倒せることは分かったけど、

 これだけ集まると大変だ。


「少し傷が痛むから<ファーストエイド>」

 私は回復魔法で左手を治療する。これで少しはマシだろう。


 そう思いながら探索を進めるのだが、さっきから左手がズキズキ痛む。

 もしかしたら怪我が悪化したのかも……。

 そう思った私は右手だけで剣を構え、痛みに耐えながら探索を続けた。


 ◆


「はぁ、はぁ、はぁ……」

 あれから何匹ものスライムを倒してきたが、左腕の痛みは増すばかりだ。

 それだけじゃない、左腕の火傷の範囲以外の場所まで痛みが広がってきている。


「も、もしかして……!」

 私の嫌な予感を裏付けるように、先ほど倒したスライムの一部が地面に転がっていて、それを見た途端、私の中で恐怖心が生まれた。

 スライムの粘液があった場所が変色している。


「ま、まさか毒……?」


 私は<オープン>で自身の状態を確認した。

「レベル 9 HP 15/65 MP 16/44……おかしい、こんな消耗してるなんて……」

 そして、状態異常欄にある【毒】の文字。


「や、やっぱり……!?」

 私は思わず声を上げてしまった。

「ど、どうしよう……わたし<アンチドート>の魔法なんて使えないよ……!」

 

 <アンチドート>は回復魔法の一種で毒の治療をするものだ。主に回復系を得意とする神官や聖女が使用できる。素質があるものならそこまで難しくない魔法なのだが、今の私が習得できる魔法じゃない。


「そ、そうだ、確か毒消し草があったはず……!」

 私は<マジックボックス>の中に手を突っ込み、毒消し草を引っ張り出した。

 そして近くの草むらに隠れて魔物から身を隠す。


「毒消し草ってどうやって使えば……?……っつつ、い、痛い……!!」

 

 左手の感覚が無くなるほど、痛みが酷くなっていく。

 こうなると手段を選んでる場合じゃない。

 私は毒消し草をむしゃむしゃと食べて飲み込んだ。


 すると徐々に痛みが引いていき、感覚も戻ってきた。

 私は更に回復ポーションを二つ取り出して一気に全部飲み干した。


「よし、動けるようにはなった……<オープン>」

 レベル 9 HP 65/65 MP 16/44 攻撃力36(+7) 魔力 34 素早さ 29 防御力13(+10)

 状態異常:特になし


「毒は治ってるし、これで体力も全快だね」

 それにしても毒消し草が無いとかなり危ない場面だった。

 こんなことなら薬草採取でもしてからダンジョンに潜れば良かった。


「この階層はアイテムもあんまり無さそうだし、

 さっさと次の階に行った方がいいかも……」


 何せ、もう毒消し草が無い。

 次に毒を受けてしまえば今度こそ終わってしまう。


 スライムが複数体出現するこのエリアは、

 今の私にとってクマーに襲われるよりもずっと危険だ。


 それからしばらく階段を目指してダンジョンを歩き回ると、


「お、指輪発見」

 近くにいたコボルトを倒して広めの場所に出ると指輪が落ちていた。

 更に少し進んで階段が見えたところで武器も落ちていたため、一緒に詳細を見ることにした。


【名前:毒無効の指輪】

 効果:装備すると毒を無効化出来る魔道具。それ以外に効果は無い。

 指輪は装備してもどれか一つしか効果を発揮しない。


【名前:ミスリルの剣+3】

 効果:ミスリルで出来た軽い剣、素材の割に性能は低い。基本攻撃力+12


「おおー!!こういうの待ってた!!!」

 私は早速装備を付け替えて指輪と剣を装備した。


「よし、スライム狩りだぁーーー!!」

 私は階段の場所を把握して、周辺のスライムを斬りまくって満足してから8階に上がっていった。毒を喰らわせてくれた仕返しだ。

 その後、スライムを狩っていたら【毒消し草】も手に入ったから一応持っていくことにした。


【名前:サクラ 職業:見習い冒険者】満腹度 44/100

 レベル 10 HP 55/70 MP 16/49 攻撃力40(+15) 魔力 38 素早さ 32 防御力14(+10)

 装備:ミスリルの剣+3(+15) 皮の服(+5) バックラー(+5)

 指輪:毒無効の指輪(毒無効化状態)

 所持技能:剣の心得Lv4 盾の心得Lv2 挑発Lv1 投擲Lv0 素手の心得Lv1

 所持魔法:マジックアロー、ファイア、ファーストエイド、アイス、

 Newライトニング

 特殊魔法:霧の魔法(ルック、マジックボックス、オープン)

 所持アイテム:11/20 銀貨8枚 銅貨0枚 魔石10個(低質)


【回復ポーション】【魔法の霊薬2個】【大きなパン】

【雷の杖(2)】【風の杖(3)】【皮の盾】【ソード+1】

【ショートソード+2】【ショートソード+3】【毒消し草】

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ