4.ロレンスの言う真実
気づいたらロミオは1人で立ち尽くしていた。
雨が激しく、立ち尽くすロミオを襲う。
ロミオにはどうでもいいことだが、役人の取り調べは終わっている。あの貴族も捕まった。
だからロミオは家に帰ることも可能だが、そういう気分にはなれなかった。
(……。)
「あれ? ロミオ様じゃないですか。」
ロミオに降りしきっていた雨が止む。
この声の主であるロレンスが傘に入れてくれたのだ。
「……。」
「どうしたんですか? こんなところで。
風邪引きますよ?」
「……。」
「……、とりあえず、教会に戻りましょう。
風邪を引いてしまわれます。」
その後、ロミオはロレンスに連れられ、教会に向かった。
「待っててください。今、拭く物を持ってきますので。」
そう言うとロレンスは教会の奥に入っていく。
教会の入り口に残されたロミオは、柱にもたれる。
『おはよう、ロミオ。
今日はどこ行く?』
『ロミオ~。ここ教えて。全くわかんない~。』
『大丈夫か? ロミオ。』
『俺、ロミオの笑顔、格好良くて好きだぜ?』
『なぁ、ロミオ。パーティーに行かないか?
気晴らしにでもさ。』
あの、眩しい笑顔を向けてくれる唯一無二の親友はもういないのだ。
「ロミオ様、本当に大丈夫ですか?」
何枚かのタオルを持ったロレンスがロミオの顔を覗き込む。
「本当に風邪でも引かれました?
それとも、マキューシオ様の件で悲しんでおられるのですか?」
「!?」
ロレンスの一言で、ロミオの心は現実世界に引き戻される。
(今、何て……言った……?)
ロミオは呆然とする。
「どうしてそれをお前が知ってるんだ……?」
ロミオの驚きようを見て、ロレンスはニヤリと笑う。
「私は修道僧ですよ?」
(修道僧だから、何でも知ってるってことか……?)
「一つ、ロミオ様に良いことを教えてあげますよ。」
(なんだろう?)
ロミオは緊張する。
「マキューシオ様は、偶然殺されたのではありません。意図的に殺されたのです。
しかも、真犯人はまだ捕らえられておりません。」
「!?」
全く思っても見なかったロレンスの言葉に、ロミオは驚く。
(偶然ではなかった?)
偶然タチの悪い貴族に平民がぶつかり、それを偶然見掛けた俺たちが助けに行き、その時怒った貴族がロミオを庇ったマキューシオを突き飛ばし、偶然後ろにあった露店の低めの台に頭をぶつけて、マキューシオは死んだ。
ロミオはそれを信じたくはないが信じ、疑ってなどいなかった。
(これら全部が意図的に仕組まれた物だと?)
そして、ロレンスは真犯人はまだ捕まっていないと言っていた。
つまり、捕らえられた貴族が真犯人ではないということだろう。
(信じられない)(信じたい)
ロミオの心の中に、2つの矛盾が出来る。
復讐相手が見つかったのだ。
「その、真犯人はだれ…なんだ……?」
ロミオは気づいたら、そんなことを口にしていた。
それを聞いて、ロレンスはニヤリと笑う。
「それは、ジュリエット様の従伯叔父にあたるティボルト様です。」
どうも、こんにちは。
楽しくロミオ目線の小説を描かせて頂いているあぷりこっとです。
今のところ、順調に進んでますね~。これからどうなるのか、大体は考えていますが、未来の自分は思いもしないことをすることがあるので、少しドキドキしています。ロミオ目線の話はもう少し続くので、お付き合いいただけると幸いです。
さて、前回は親友をロミオは失ってしまいました。それを読んだ妹がかなりショックを受けてしまいまして……。その後は機嫌を取り戻すのに苦労しました。もう人を殺さないで とも言われてしまいました。
う~ん……、私も人が亡くなるお話はあまり好きではないので、気持ちはわかりますが……。
まぁ、今後どうなるかはお楽しみということで(笑)
ここまで読んでくださり、ありがとうございました。
また次回、お会いしましょう。
バイバ~イ!