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1.恋に落ちてしまいました!

 絶対にバッドエンドを回避すると心に誓ったジュリエット。

 だけど、ロミオに改めて出会って……!?

(なんで上手くいかなかったのよ……。)

 ジュリエットは心の中で呟く。

 バッドエンドの発端はこのキャピュレット家のパーティーにジュリエットとロミオがいたことだった。だったら、そもそも参加しなければいいのだ。

 そう思い、ジュリエットは父にパーティーに行きたくないと行ってみた。だが、

「これはうちのパーティーだ。体調が悪かったりするわけでもないのに、休むとはどういうことだ。お前をそんなわがままな娘に育てた覚えはない!」

 っと怒鳴られ、今はドレスに身を包み、このパーティーに参加している。

(せめて、ロミオと会いませんように!)

 

(あ″~、つっかれた……。)

 さっきまでひっきりなしに、招待客の人と挨拶をしていたのだ。

 ずっと笑顔で対応するのは、流石に疲れる。

(少し夜風に当たってこよう)

 ジュリエットはバルコニーに出る。

 外は心地良い風が吹いていた。

 星も綺麗だ。

(このまま帰りたい……。)

 いや、ここは家か。

 などと思っていると、隣から気配がする。

「「あっ」」

 そちらを向くと、そこには、彼─ロミオがいた。

「な、なんで貴方がここにいるのよ!?」

「友人に誘われたんだ。理由が理由だし、断れるわけないだろう。」

 ロミオが溜息をつく。

(そういえばナレーターが、ロミオが片想いに苦しんで、友人と気晴らしにこのパーティーに忍び込んだって言ってたっけ? 自分のために誘ってくれたと思うと、確かに断りづらい。)

 ここまでくると、後は恋に落ちない以外最初のフラグを折る方法はない。

(どうしたら、恋に落ちずに済むかしら?

 目を合わせないとか?)

 ジュリエットはロミオと目を合わせまいと、星空を見る。

「そういえばお前、さっき言えなかった台詞、思い出せたか?」

「も、もちろんですわ。ちゃんと台本を確認したのよ。」

 ロミオと目を合わせないように気をつけながら話す。

「へぇ、じゃぁ、言ってみてよ。」

「わ、わかりましたわ。

 『あぁ、ロミオ。貴方はなぜ』・・・」

「?」

(ど、ド忘れしましたわ!)

 ジュリエットは焦る。

(いや、ダメよ私。落ち着いて。

 もしものためにあれを用意してきたじゃない。)

 ジュリエットは、ポケットに隠し持っていた一枚の紙をロミオに見えないようにしながら見る。

「『あぁ、ロミオ。貴方はどうしてロミオなの?』

 ・・・どうかしら?」

 ジュリエットは少し自慢気に言う。

「うん。上出来。」

 ロミオが子供っぽく笑う。

 ドキッ

 ジュリエットの心臓が跳ね上がる。

(ふ、不覚にも彼を正面から見てしまったわ。)

「って、お前。その紙はカンニングペーパーじゃないか。」

「あっ」

(隠し忘れてた!)

 動揺し、手が滑り、カンニングペーパーがバルコニーの手すりの向こうへ落ちる。

 ジュリエットは、反射的にその紙を掴もうと右手を伸ばす。

「!?」

 そして、手すりを掴んでいた左手が滑る。

(ヤバい、落ちる─!)

「ジュリエット!」

 ロミオがジュリエットの体を掴み、落ちるのを阻止する。

 そして、バルコニーの上にジュリエットの足は再び戻る。

「何をしてる! 死にたいのか!?」

「ご、ごめんなさい……。」

 心臓が高鳴る。

「ッたく……。」

 ロミオは、ジュリエットの顔を初めてちゃんと見た。

(こいつ、こんなに美人だったのか……。)

 ロミオはロザラインに片想いをしている。彼女の華麗な姿に惹かれたのだ。

 だが、今なら思える。あれは本当に片想いなのか、と。もしかしたら自分はあの人の姿に憧れていただけなのではないか、と。何故なら彼女にこんな気持ちを抱いたことはなかったからだ。

 ジュリエットに今惹かれているのは、外見だけではない。

 ジュリエットは、物覚えが悪いなりに、準備までしてきた。そういうところは可愛いと思ってしまう。

 また0話の内容に戻ってしまうが、ジュリエットがこの話をハッピーエンドにしたいと言ったのは、誰もが幸せになればいいと思っているからだった。ロミオはあの話を聞いたとき、人生はそんなもんだとしか思わなかった。それを嫌だとまっすぐ思えることは凄いことだ。そこもいつの間にか好きになっていた。

 

 気づいたら2人は見つめあっていた。

(さっきはただの台詞としか思ってなかったけど、今なら、どうしてあの台詞を私が言うとか、わかる気がする……。)

「あぁ、ロミオ。貴方はどうしてロミオなの?

 貴方がモンタギュー家の者でなければ、私がキャピュレット家の者でなければ、この気持ちを伝えられたのに……。」

「俺もそう思うよ、ジュリエット。」

 ロミオはジュリエットを抱き寄せ、その額に口づけをする。

「お願いだ。嫌でなければ、俺と恋人となってくれ。そしたら俺は、親たちにバレるまで、いや、バレても貴女を愛すと誓う。」

「それは、願ってもないことだわ。」

 ジュリエットは微笑み、今度はジュリエットがロミオに口づけをする。

(やって、しまった……。)

 

 恋人となってしまった2人。

 さて、2人はバッドエンドを無事回避することは出来るのか……。 

 どうも、こんにちは。

 どうやって恋人にしようかかなり悩んだあぷりこっとです。

 いや~、早くもフラグを1つ折り損ねましたね……。いやまぁ、こちらとしてもここで折ってもらっては続きが書けないので困るのですが(笑)。

 これからもジュリエット(と多分ロミオも)フラグを折れるように頑張っていくと思うので、応援してあげてください。


 ここまで読んでくださり、ありがとうございました。恋愛経験がほとんどないので、不行き届きなところも多いと思いますが、これからも読んでいただけたら嬉しいです。

 それでは次回、お会いしましょう。バイバ~イ!

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