16.ロミオと新しく記念日を作りました!
「よぉ、ロレンス。俺の嫁が随分とお世話になったな。
いや、お前はこう呼んだ方が喜ぶか? ─黒幕さん。」
何度も聞きたいと思った声が、ジュリエットの耳に届く。
何度も見たいと思った姿が、ジュリエットの目に写る。
「ロミオ!」
ジュリエットは、喜びの感情のまま、ベッドから飛び出して、ロミオの元へ向かう。
足元がふらつこうが、知ったことではない。
あと少し、というところで転びそうになるが、ロミオが抱きとめる。
「ジュリエット、よかった。間に合って……。」
ロミオは安堵でいっぱいになる。
一方、ジュリエットは喜びと感動のこもった瞳をしている。
(あれ? 思ってた反応となんか微妙に違うよう…な…?)
「い、今……」
「?」
「嫁って、『俺の嫁』って言った! え、嘘、嬉しい!! え、どうしよう。取りあえずそのまま攫って行く? いいよ、いつでもどうぞ! 今日は『俺の嫁』記念日ね!!」
(あれ~、思ってた反応と何か違う~。
まぁ、そういうところも可愛いし、好きなんだけど。)
ふと、ロミオは腕の中のジュリエットが、少し震えていることに気づく。
(……。)
「遅れてごめんな、ジュリエット。」
ロミオはジュリエットを、強く、優しく抱きしめる。
(あぁ、本当にロミオだ……。)
ジュリエットも抱きしめ返す。
(もう会えない、そう思っていたのに、今、ここにいて、温もりをくれる。
そんなロミオが─)
「大好き。ロミオ。」
「あぁ、俺もだ。」
今度はジュリエットの目から、安堵からくる涙が零れそうになる。
(でも、今は泣いちゃダメ。まだ、全てに決着がついてないから。)
「それで、ロミオ。黒幕って何のこと?」
ロミオはさっき、ロレンスのことをそう呼んでいた。あまりいい話ではないだろうことは、ジュリエットにもわかる。でも─
(たとえ、どんな結末になっても、私は受け止めてみせる。)
「そうだね。俺らもいつまでもお前に振り回されるのは飽きたし、そろそろ終わりとしようか。」
そう言うと、ロミオは不敵な笑みを浮かべる。
(おぉ、正式に結婚した後は、探偵をしてもいいかも。)
「ロミオ君、ジュリエット。
あぁ、ここに居たんだね。」
「お父様!?…、と、パリス様まで……。」
部屋に新たに入ってきた顔ぶれを見て、ジュリエットは驚く。
(というか今、『ロミオ君』って呼ばなかった!?)
「すみません。先々行って。」
「ジュリエットを思っての事だろう? 別に構わないさ。」
(え、え、え?)
戸惑うジュリエットを見て、ロミオはクスリと笑う。
「さて、役者も揃ったし、まずはこの事件を振り返ろうか。」
どうも、こんにちは。
やっと推理に入れそうになって安心しているあぷりこっとです。
まぁ、安心していることは置いといて……
一週間、投稿が遅れてしまい、申し訳ありませんでした!
投稿したつもりが、してませんでした……。き、気をつけます……。
え〜っと、推理に入った話に、戻ります…ね?
今の心境としては、ちゃんとここまでこれてよかった、という感じです。
……と、思いつつ、今回のストーリーの10話先ぐらいまでは描き終えているんですが(笑)。
で、ですが……。今、困っていることがあるのですよ……。
今描いているまま投稿してしまうと、その約10話先まで推理をロミオがすることになるんです! 流石に長いですよね……。
どうにか短くしようと頑張るつもりです……。
もし、10話分推理になってしまったらごめんなさい!(今短くし中です!)
ここまで読んでくださり、ありがとうございました。
一応、短くできるように努力するので、応援してくださると幸いです。
では、また次回、お会いしましょう。
バイバ~イ!