11.嫌でも信じろ
「やっと見つけましたよ、ロミオ様。」
「ロレ…ンス……?」
一週間振りに会うロレンスは、いつも通りに見えた。
だから、ロミオは少し期待した。
「な、なあ、ロレンス。ジュリエットは生きてる、生きてるよな?」
ロミオはロレンスに縋るように言う。
「はい、生きてますよ。いきなりどうされたのですか?」これがロミオの求める返答だ。
だが……、ロレンスの顔は陰る。
(え…?)
「そのことを話そうと思い、探していたのですよ。ロミオ様。」
「どうぞ。カモミールティーです。リラックス効果があるんですよ。」
そう言いながら、ロレンスはロミオに紅茶を出す。
「ありがとう。」
そう言い、ロミオは紅茶を一口飲む。
それにより、ロミオは少し落ち着く。
「なぁ、ロレンス、ジュリエットが自殺したのは本当か?」
「……、はい。残念ながら本当です。」
「……。どうして、ジュリエットは自殺を?」
未だ信じられない事実をロミオはロレンスに訊く。「パリス様との婚約が決まった日、ジュリエット様は悲嘆に暮れたご様子でここに来られました。
その時にジュリエット様は、ロミオ様と結婚できないならいっそ死んでしまいたい…、と言われていました。
それで私は、取りあえずどうにかジュリエットとロミオ様を会わせたいと思い、ロミオ様を探すために、使者を遣わしました。」
それはつまり、ロレンスがどうにも出来ないくらい、ジュリエットが思い悩んでいたということだろう。
「ですが、ジュリエット様は…、ロミオ様が見つかる前に、ここにまた来られました。
そして、私の目の前で、毒を煽り、亡くなられました……。
それは2日前のこと…です……。」
ロレンスは涙を流し、嗚咽を漏らしながら話してくれる。
「そう…なんだ……。」
紅茶のせいか、心が落ち着き、信じたくないことがストンと心に届く。
「ジュリエット様は最期、ロミオ様の名を呼んでましたよ……。」
「……。」
『最期』……。その言葉が、ずっしりと重くロミオの頭に入る。
嫌でも信じろと言わんばかりに─。
「なぁ、ロレンス。
ジュリエットの墓はどこだ?」
「はい。ジュリエット様のお墓は…」
ロレンスがわかりやすく説明してくれる。
「ありがとう。行ってくる。」
「1人で大丈夫ですか?」
ロミオの顔色が良くないことを案じて、ロレンスはそう言う。
「あぁ、大丈夫だ。」
どうも、こんにちは。
カミツレの花が大好きなあぷりこっとです。
あ、ごめんなさい。カミツレよりカモミールの方がピンときますよね。
私がカモミールが好きなのは、とある作品の影響です。図書館で本を守るために武器をとり、戦争をするというストーリーの作品です。ご存知の方もおられるかと思います。
カモミールの花言葉は「苦難の中の力」。今、苦難の中にいるロミオとジュリエットが、そんな中でも力を振り絞って前に進んでくれたらいいですね! まぁ、そのお茶を出したロレンスはそんなことを思っているかは定かではありませんが……。
私もいつかカモミールティー飲んでみたいな~。
ここまで読んでくださり、ありがとうございました。
また次回、お会いしましょう。
バイバ~イ!